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罪に問われた事件 |
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松本サリンや地下鉄サリンなど多くの死傷者を出した事件については、その当時のメディアでも大々的に報道されていたので分かるのですが、実際にどういう犯罪行為が起きていたのかは、捜査の結果でしか分かりませんので、東京地裁での松本智津夫被告への論告要旨から事件名と被害死者数を挙げてあります。 オウム真理教による一連の事件では189人が起訴されました。
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2011年12月13日、遠藤誠一被告について、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は12日付けで判決訂正申立てを棄却する決定をし、起訴された被告の中で唯一判決が未確定だった被告の刑が確定した。これによって、一連の事件で起訴された信者など189人全員の判決が確定した(特別手配被疑者などは除く)。
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2012年1月20日から9月24日まで、特別手配被疑者として手配されていた3人など計5人が、爆発物取締罰則違反や殺人、殺人未遂、犯人蔵匿などの罪で起訴されました。当初起訴された189人とは別に表を作っておきます。
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死刑囚の収監場所は東京矯正管区の東京拘置所。刑場について・・・ |
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※ 死刑がやむを得ない場合|死刑執行方法 ※ 控訴趣意書を期限内に出さなかったことによる控訴棄却決定
この控訴棄却決定の場合は、控訴審で審理をしていません。控訴審で審理をした上での判決に対してでないと上告できませんので、この決定によって刑が確定します。ただし、法により、この決定に対して特別抗告ができます。弁護側は特別抗告しましたが、2006年9月15日に最高裁第3小法廷が特別抗告を棄却して、第一審の死刑判決が確定しています。 上告審で上告棄却された場合には、最高裁(上告)判決日から10日以内に訂正申立ができますので、訂正申立がない場合は、判決日から11日目に刑が確定し、訂正申立をした場合は、訂正判決日または訂正申立棄却日が刑確定日になります。 |
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これまでの死刑執行では、共犯者がいる場合には、共犯者の刑が確定するまで刑の執行せず、共犯者の刑が全員確定した後、共犯者を同日執行してきました。つまり、共犯関係者の刑が確定しないことには死刑執行されてきませんでした。 オウム関連事件では、控訴審までに死刑判決を受けた被告が13人いるのですが、2009年7月3日時点で、2005年4月7日の上告棄却以降5人の死刑が確定しているだけです。 5被告の上告審での口頭弁論が本年中に予定されていますので、新たに5人の刑が確定すると思いますが、口頭弁論期日が決まっていない被告が3人います。13人目の被告は、2007年7月に控訴棄却されたばかりですから、上告審の判断が出るのは当分先になります。 これまで通りに、共犯者の刑が確定するまで死刑執行しないのか? それとも、全員確定していなくても死刑執行があるのか? また、確定するまでに、どれくらいの年月を要するのか? など・・・ 疑問がありましたので、このページや、共犯関係で複数の死刑確定者が出ている事例のページが作ってあります。 |
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本件では189人が起訴され、13人に死刑判決が出ています。無期懲役判決以下の被告の裁判は全て終了し、未確定は上告中の2人だけとなっています。その2被告も口頭弁論期日が指定されたことにより、本年中に判決が確定する可能性が高くなりました。 起訴された189人全員の刑が確定した場合、指名手配犯が3人いる状況で死刑囚の刑執行はあるのだろうか?を考えてみます。 通常ならば、刑執行は共犯刑確定後、同日執行ですが、それは、共犯の主従関係とか判決に誤りが無い状態でないと死刑執行できないからに他ありません。 本件の場合は189人が起訴されているため公判記録は膨大にあります。指名手配犯に関する供述も複数の被告から聴取出来ていると思われますし、無期懲役刑以下の受刑者も多く存在していますから、仮に死刑囚がいなくても、指名手配犯の公判維持は可能です。 指名手配犯の問題については、仮に逮捕、起訴されたとしても、公判維持が可能ですから、指名手配犯が逮捕、起訴され、刑が確定するまで、刑執行を待つ必要はありません。また、死刑の可能性がある殺人事件の地下鉄サリン事件で指名手配されている2人の役割は、運転手役とサリン製造に関与と、事件の実行犯でもありません。実行犯でない以上、重くても無期懲役までですから、死刑囚の同日執行には影響しません。 本件は、死者19名、負傷者6000名以上という無差別大量殺傷事件の松本サリン、地下鉄サリン事件や、坂本弁護士一家殺害事件など計13事件で被害死者数が27名になります。 死刑制度廃止に前向きな議員でも、オウム事件が片付かない(死刑囚の刑の執行をしない)ことには、実際の死刑制度廃止には賛同できないという考えをもっている議員も多く存在します。 仮に13人全員の死刑が確定したとしても、現状でも死刑執行命令書に署名しない法相が多い民主党・国民新党連立政権下での刑執行は無いでしょうが・・・ 本件は、戦後最悪の無差別大量殺傷事件ということなどから、死刑判決が下りている13人全員の死刑が確定したら、指名手配犯の逮捕、起訴を待つまでもなく、刑執行をするように思います。 |
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追記 | ||
2011年11月21日に最後の被告に対して上告審で棄却判決が下り、翌月の12月12日には判決訂正申立ても棄却になり、最後の被告の死刑判決が確定し、起訴された189人全員の判決が確定しました。 判決が確定したら、言うまでもなく次は刑の執行に移ります。罰金額が確定すれば罰金を納付し、懲役刑が確定すれば懲役に服します。ただ、死刑だけは、いくら長い期間拘禁されていても刑に服したことにはなりません。実際に死刑を執行され、死ななければ刑に服したことにはなりません。 共犯関係は同日執行、執行は概ね午前中ということを考えると、1刑場では2人くらいになってしまうので、共犯が3人以上の場合は、管轄拘置所に2人残し、2人を超える分につては他の拘置所に移送させ、同日執行に備えるということを前もってされています。 本件では13人の確定死刑囚がいますので、東京拘置所だけでは物理的に不可能です。執行に備えるには、他の拘置所に移送する必要があります。 2011年9月に、「死刑判決が下りている13人全員の死刑が確定したら、指名手配犯の逮捕、起訴を待つまでもなく、刑執行をするように思います」と私は書きましたが、法務省は12月12日に確定したことで、その月には、執行前準備の死刑囚の移送を検討していました。
実際には、その月の最後(大晦日)に特別手配被疑者の一人が出頭し、翌1月1日(元旦)に逮捕したため、死刑囚移送計画はストップしましたが、6月には残る2人も逮捕して特別手配被疑者が3人共起訴されましたので、いずれこれらの被告の裁判が開かれ、判決が確定していきます。 特別手配被疑者だった3人の起訴状況からですと、地下鉄サリン事件でサリンを散布した豊田亨死刑囚の送迎役などをした高橋克也被告の罪責が重くなるだろうと推測できますが、他の確定死刑囚の役割と比較すると、重くても無期懲役かな?と感じます。 ちなみに、死刑判決の場合は、他の事例と同様に確定まで少々時間がかかりますが、無期懲役以下の場合は、余程の理由が無い限り、仮に上告審までいったとしても、死刑事案と違って早く確定しています。 |
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特別手配被疑者の公訴時効について 1995年3月に起きた公証役場事務長拉致監禁致死事件や地下鉄サリン事件で起訴された被告の中には、全事件について起訴された松本智津夫死刑囚がいます。同死刑囚は、同年5月に逮捕され、その後、起訴されています。 同死刑囚の初公判が同年10月に予定されていたことにより、特別手配被疑者の時効の進行は、遅くとも1995年10月には停止しています(刑事訴訟法第254条第2項)。 また、これらの事件の共犯には、現在上告中で判決が確定していない被告(遠藤誠一被告、中川智正被告)がいます。共犯の刑が確定しないことには再度時効の進行を始めないため、時効の進行を停止したままになっています。 両事件は、16年前の1995年の事件ですので、本来であれば、当時の傷害致死罪の7年、及び当時の殺人罪の時効期間の15年を過ぎているため時効が完成しているのですが、当時の刑事訴訟法の規定により時効の進行を停止したことで、殆どの期間を残しています。 中川智正被告の口頭弁論が9月16日に済んでいますので、近い内に判決期日の指定がされるでしょうし、遠藤誠一被告の口頭弁論も29日に指定されていますので、仮に判決訂正申立をしたとしても、今年中には両被告の判決が確定することになると思います。 当該事件の共犯関係者の判決確定後、例えば、地下鉄サリン事件であれば、両被告の判決が確定した場合に、公証役場事務長拉致監禁致死事件であれば、中川智正被告の判決が確定した場合に、停止している時効が再度進行をしだします。 事件からずっと後の2010年に、時効期間が延長されたり、時効が廃止されたりして、法施行時時効未完成の事件には法を適用することになっていますが、刑事法では、被告にとって不利になる改正法(事後法)は適用しないという原則に反しているため、違憲の疑いがあります。 なにしろ、法改正されて未解決事件の時効期間が延長されたとか、時効が廃止されたと思っていても、実際に、そういう事件の裁判で免訴判決や改正法について違憲判決が出たら終わりですから・・・ 改正前の法の規定で考えておいた方が無難だと思います。 ちなみに、違憲の疑いについては、「殺人行為による罪と罰 公訴時効について」のページに書いてありますので、そちらでご確認ください。 |
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時系列
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参考法規
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a.saito被告 懲役1年2月確定
h.takahashi被告 有罪判決確定
m.hirata被告 懲役9年確定 爆発物取締罰則違反、逮捕監禁などの罪 裁判員裁判
n.kikuchi被告 殺人未遂、爆発物取締罰則違反ほう助罪 裁判員裁判
2017年12月25日付けで、最高裁第1小法廷(池上政幸裁判長)は検察側の上告を棄却する決定をした。 |
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高橋克也被告の公判関係 |
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第一審 東京地裁(中里智美裁判長) 裁判員裁判 事件番号:平成24年合(わ)第131号等|傍聴券交付情報:東京地方裁判所 |
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2015年5月1日付けで、57歳被告は、求刑通り無期懲役とした東京地裁判決を不服として、東京高裁に控訴 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
控訴審 東京高裁(栃木力裁判長) |
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2016年9月16日、58歳被告の弁護側は判決を不服として最高裁に上告 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
上告審 最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長) |
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2018年1月18日付けで、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は、59歳被告の上告を棄却する決定をした。教団による一連の事件の刑事裁判は、元教祖、松本智津夫死刑囚が逮捕された1995年5月から約23年を経て全て終結。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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死刑囚7人を別の拘置所に移送 |
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法務省は2018年3月14日から15日にかけて、死刑囚13人のうち7人について、東京拘置所から別の5ヶ所の拘置所に移送した。 移送されたのは、中川智正(55)、新実智光(54)、小池(旧姓・林)泰男(60)、早川紀代秀(68)、井上嘉浩(48)、横山真人(54)、宮前(旧姓・岡崎)一明(57)の各死刑囚。 |
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