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事件経過 |
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参考法規 |
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※ 求刑無期懲役に対する量刑例 ※ 無期懲役仮釈放者の平均在所年数 10月10日の送検時には、容疑に入っていませんが、本件について、ネット上で気になる内容の書き込みを見受けました。私は該当する動画を確認していませんので、真偽の程は分かりませんが、もし、事実なら・・・ 本件の被害者が10月8日の死亡時18歳であるなら、1年以上前の昨年の9月以前では18歳未満になります。付き合っていたので18歳未満と分かっていたはずなのに、故意に(腹いせで)ネット上に児童ポルノに該当する動画を公開していたとしたら、児童ポルノ処罰法第7条第4項違反の児童ポルノ公然陳列の罪に該当する可能性があります。また、この公然陳列行為が、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した」となれば、親告罪ですから告訴が必要になりますが、刑法第230条第1項の規定にも触れる可能性がありますので、参考までに入れておきます。 ちなみに、本件の加害者は、被害者の死亡前に殺人未遂容疑で逮捕されていますので、もし投稿していたとしたら、いつであっても被害者の生前中にした行為となります。
通常、名誉毀損は民事の損害賠償請求訴訟で争うことが大部分ですが、稀に、刑事事件として立件されることがあります。本件の場合、諸事情を考慮すると、その稀な事例に該当する可能性があります。 |
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追記 2014年7月22日から第一審公判が始まり、問われた罪がリベンジポルノに関係する罪が含まれず、2013年10月29日に起訴された分の殺人、住居侵入、銃砲刀剣類所持等取締法違反の罪についてと判明しました。 |
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相手を見抜く目を養う必要性 |
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本件では、リアルでは出会うことが無かった2人が、ネットのSNSの一つであるフェイスブックを利用したことで接点が出来ました。 私はSNSに類するサービスを利用していませんが、このサイトを管理していますから、本来なら全然接点が無い、いろいろな方からメール等をいただきますし、そのメール等を機会として質問や相談に乗ることもあります。 多くの方は切羽詰まった状況でメールを送ってきているのですが、中にはなりすましていたり、嫌がらせでメール等を送ってくる場合もありますから、私はメール等に書いてあることが本当なのか、相手が本当のことを言っているのか、それとも嘘なのか、当初は必ず疑ってかかります。 フェイスブックは原則実名のようですが、あくまで原則というだけで、そうでない例も存在しますし、経歴等は詐称する気があれば何とでもなります。本件の容疑者も学歴を偽っていたとの報道がありました。 本件の容疑者は、関西の4私大(関関同立)の一つを騙ったみたいですが、そこに入れるのは、ある程度のレベルですから、高卒の容疑者が騙るには、いくら3歳年下の女子高生が相手とは言え、かなり無理があったと思います。一度嘘をつけば最後まで嘘をつき通さなければならないし、現状とかけ離れた嘘であれば、ちょっとしたことで綻びが出てバレルのも早くなります。 相手の嘘が分かれば、どこまで嘘なのか不信感を抱くのが普通ですし、同時に相手に対する気持ちも冷めていくのが普通の反応です。 本件では、容疑者にとって被害者がステイタスとなるような相手であったため、夢中になり、嫌われても、執拗に追いかけ、画像等をばら撒くことを材料にして復縁するよう脅し、復縁が叶わないと分かるや、最後は殺害まで至りました。 本件の場合、フェイスブックで学歴を詐称したから付き合いが始まったと言っても過言ではないと思います。容疑者が背伸びしたから、交際関係にはなったけど、本来なら3歳も年長の容疑者が被害者の少女を守らなければならない立場なのに、まず、その時点で青少年保護育成条例違反の淫行をしています。その後振られ、脅し、ストーカー行為をし、画像をネット上にばら撒き(児童ポルノ公然陳列、若しくはわいせつ物公然陳列)、相手の名誉を毀損し、殺害しと、どんどん罪を重ねていく結果となっています。 容疑者が背伸びをしなくて、ありのままの自分を出していれば、被害者が興味を抱くこともなく、付き合うことはまず無かったでしょうから、本来ならこういう結果にはなっていなかった2人です。それなのに、恨みがあった??ありえませんね。 主罪となるであろう殺人についてみても、殺人計画性が強固、一番安全なはずの自室のクローゼットから襲い、しかも外まで追いかけて何度も刺すなど犯行態様が悪質で執拗、現場から逃走し凶器を隠すなど犯行後の情状も悪く、いくら過去に付き合っていたとは言え赤の他人で公共性は高いなど、同じ殺人でも悪質な方に属します。容疑者に有利な部分と言えば前科が無いだろうことと被害死者が1人ということぐらいです。今後の検察の起訴状況次第ですが、起訴された罪が多ければ、無期、若しくは長期の有期懲役刑がありうる事例と思います。 ちなみに、本件に限らず、このような流れの事件は何度も起きていますし、殺人事件に発展していないだけで、画像等をばら撒くことを材料にして復縁するよう脅したという事件も起きています。(コンテンツがある関係で、長年、性犯罪や殺人事件等犯罪系の記事を多く見てきています。) ネットでは、SNSに限らず、人との接点があるところについて詐称は付き物です。どれが本当のことなのか、書いてある内容等から見抜ける目を養っていなければなりません。また、特に女性にとっては、付き合ってから分かるようでは遅いですから、少なくとも相手の男性がストーカー気質でないか、DVタイプでないかなども見抜けるようにしていかなければなりません。相手を見抜くことはリアルでも大変な作業ですが、詐称が存在するネットでは必要な作業となります。 ネットで異性との接点を求める場合には、少なくとも相手を見抜く目を養うようにしていただきたいと思います。それは、ネット上で自分を守るのは、他でもない、自分でしかないからです。くれぐれもお気を付けください。 |
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公判関係 |
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第一審 東京地裁立川支部(林正彦裁判長) 裁判員裁判 |
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事件番号:平成25年(わ)第1196号|傍聴券交付情報:東京地方裁判所 |
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2014年8月4日、22歳被告は判決を不服として東京高裁に控訴 | |||||||||||||||||||||||
控訴審 東京高裁(大島隆明裁判長) |
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第二次 第一審 東京地裁立川支部(菊池則明裁判長) 裁判員裁判 事件番号:平成27年(わ)第253号等|傍聴券交付情報:東京地方裁判所 |
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2016年3月23日、23歳被告の弁護人は、懲役22年を言い渡した東京地裁立川支部の判決を不服として控訴。検察側も「量刑が軽い」として控訴 | |||||||||||||||||||||||
第二次 控訴審 東京高裁(秋吉淳一郎裁判長) |
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検察・弁護側共に上告せず、2017年2月8日午前0時懲役22年とした判決が確定 | |||||||||||||||||||||||
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氏名 | 主罪 | 死者数 | 第一審 | 控訴審 | 上告審 | ||||||
求刑 | 判決 | 裁判所・日付 | 判決 | 裁判所・日付 | 判決 | 裁判所・日付 | |||||
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池永チャールス トーマス |
殺人罪 | 1 | 求刑無期懲役 | 懲役22年 | 東京地裁立川支部 2014/8/1 |
一審破棄 審理差戻し |
東京高裁 2015/2/6 |
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求刑懲役25年 | 懲役22年 | 東京地裁 2016/3/15 |
控訴棄却 | 東京高裁 2017/1/24 |
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