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鹿児島高齢夫婦強盗殺人事件


事件概要

 2009年6月19日、午前6時15分頃、鹿児島市下福元町、91歳無職男性方から「両親が死んでいる」と110番通報。鹿児島南署員が駆け付けたところ、91歳男性と妻の87歳女性が頭部から血を流し、既に死亡していた。

 ガラスが割られていたことから、鹿児島南署は何者かが外部から侵入したとみて殺人事件と断定。鹿児島南署に捜査本部を設置し、捜査を開始。司法解剖の結果、死因はともに頭や顔を強打されたことによる脳障害と判明。現場となった自宅室内で見つかったスコップに、2人の血液が付着。傷の形とも矛盾せず、同本部はスコップを凶器と断定。

 同29日、鹿児島南署捜査本部、殺人、住居侵入容疑で鹿児島市三和町の職業不詳の70歳男を逮捕。7月20日、鹿児島地検は、強盗殺人、住居侵入罪で、70歳無職の男を鹿児島地裁に起訴した。
更新日時:
2010年11月01日




起訴状況

刑法

(強盗致死傷)
第二百四十条  強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

(住居侵入等)
第百三十条  正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

罪名 該当法 法定刑 量刑例
強盗殺人罪 刑法第240条 死刑、無期懲役 強盗殺人罪の場合
住居侵入罪 刑法第130条 3年以下の懲役、10万円以下の罰金

※ 死刑がやむを得ない場合死刑執行方法無期懲役仮釈放者の平均在所年数
更新日時:
2010年11月01日




時系列
日付 摘要
2009 06/19 午前6時15分頃、鹿児島市下福元町の91歳無職男性方から「両親が死んでいる」と110番通報。
鹿児島南署員が駆け付けたところ、91歳男性と妻の87歳女性が頭部から血を流し、既に死亡していた。
県警は午後、吉見高志刑事部長をトップとする捜査本部を鹿児島南署に設置
06/21 司法解剖の結果、死因はともに頭や顔を強打されたことによる脳障害と判明
現場となった自宅室内で見つかったスコップに、2人の血液が付着
傷の形とも矛盾せず、捜査本部はスコップを凶器と断定
06/29 鹿児島南署捜査本部、殺人、住居侵入容疑で鹿児島市三和町の職業不詳の70歳男を逮捕。
06/30 捜査本部は、殺人容疑などで逮捕した職業不詳の70歳容疑者が住んでいた鹿児島市三和町の姉夫婦宅や所有する乗用車を捜索
09/07 鹿児島地検は、強盗殺人、住居侵入罪で、70歳無職の男を鹿児島地裁に起訴
2010 05/10 公判前整理手続き 第1回協議
08/24 公判前整理手続き 初公判を11月2日に指定
10/21 公判前整理手続き 公判期日外に証拠調べとして現場検証実施を決定
11/02 第一審 初公判
11/17 第一審 論告求刑公判 検察側は、被告に対して死刑を求刑
12/10 第一審 判決公判 鹿児島地裁は、無罪判決を言い渡し
12/22 鹿児島地検は、地裁判決を不服として福岡高裁宮崎支部に控訴
2012 03/10 鹿児島地裁で無罪判決を受け、検察が控訴中の73歳被告が死亡
03/27 福岡高裁宮崎支部は、公訴棄却の決定
03/29 鹿児島県警の刑事部長は、事件の捜査を打ち切る意向を明らかに
更新日時:
2012年3月30日




公判関係

第一審 鹿児島地裁(平島正道裁判長)


事件番号:平成21年(わ)第240号
日付 摘要
2010 11/02 初公判 (検察・弁護側冒頭陳述)
 被告は、「わたしは犯行現場といわれるところに、一度たりとも行ったことはありません。ましてや強盗殺人などは、絶対にやっていません」と述べ、起訴状の内容を否認、無罪を主張。
 検察側は、被告が被害者宅に、金属製スコップで窓ガラスを割り侵入したと指摘。割れたガラス片や室内のタンスなどから検出した指紋と、窓の網戸に付着した細胞片のDNA型を調べた結果、被告と一致するものが見つかったと説明。
 弁護側は、「現場をよく知る顔見知りが、物取りに見せかけた犯行」と主張。検察側が指摘した指紋やDNA型について「指紋は転写が可能。DNA鑑定型は『ほぼ一致』にとどまり、再鑑定もできない」とし、直接証拠はないと反論。
11/04 第2回公判 (県警鑑識課長ら4人の証人尋問)
 鑑識作業4日目の6月27日、封筒から検出した掌紋が、登録された被告の掌紋と一致し、29日の逮捕に至ったと証言
11/05 期日外 (証拠調べとして現場検証を実施)
 鹿児島地裁は、裁判官、裁判員、補充裁判員、検察官、弁護人が参加し、被害者宅で現場検証
11/08 第3回公判 (遺体を司法解剖した法医学者ら4人の証人尋問)
 解剖医は男性に82ヶ所、妻に63ヶ所の外傷があったと説明
11/09 第4回公判 (県警の鑑定官ら4人の証人尋問)
 ガラスが割られ、侵入口とみられる掃き出し窓の傷を鑑定した担当官は「(凶器に使われた)スコップでできたと考えられる」と証言
11/10 第5回公判 (県警科学捜査研究所の技官ら5人の証人尋問)
 DNA型の出現頻度について、技官は「約1京5600兆人に1人の確率」とし「被告のものであることはほぼ間違いない」と説明
11/11 第6回公判 (指紋を鑑定した警察官らの証人尋問)
11/12 第7回公判 (被告と同居していた実姉、県警鑑識捜査員ら5人の証人尋問)
 6月15日の午前10時ごろから同19日夕まで「弟を見ていない」。「19日午前4時から5時ごろ、トイレの鍵の音がカチャカチャしたので帰ってきていると思った」と証言。(犯行時間帯:18日午後7〜9時頃)
 裁判長は「審理時間の延長が続いている。裁判官3人は構わないが、裁判員は閉廷後に審理を振り返れないほど疲労がたまっている」と述べ、論点を整理した尋問を求めた。
11/15 第8回公判 (被告のいとこや目撃者ら4人の証人尋問)
 検察側は尋問で、被告が事件前夜、現場に近いいとこ宅周辺に車で行ったという供述内容を明らかに。
11/16 第9回公判 (被告人質問)
 弁護側の質問に対し、被告は、検察側が犯行時間と特定した6月18日午後7〜9時は、「駐車場に止めた自分の車で仮眠していた」と答えた。
 NHKのニュース映像を無断で証拠として提出し、地裁は採用した。
11/17 第10回公判 (検察側:被害者遺族の意見陳述、論告求刑 弁護側:最終弁論、被告人の最終陳述)
 遺族の意見陳述で、夫妻の長女らが出廷。長女は「両親が味わった悲痛な思いをいやというほど味わってほしい。極刑で罪を償ってほしい」と訴えた。
 検察側は「被告が犯人であるのは明らか。考慮する事情はない」として、死刑を求刑
12/10 第11回公判 (判決) 検察側の主張を完全に否定し、無罪判決を言い渡し
 裁判長は「今回の状況証拠によって被告を犯人と認定することは許されない。必要な捜査が行われたのか疑問が残り、検察官の主張を認めることはできない」と述べた。
2010年12月22日、鹿児島地検は、地裁判決を不服として福岡高裁宮崎支部に控訴

控訴審 福岡高裁宮崎支部


事件番号:平成23年(う)第6号

 2012年3月10日、検察が控訴中の73歳被告が死亡した。3月27日、福岡高裁宮崎支部は、公訴棄却の決定をした。
更新日時:
2012年3月28日




被告の判決状況

氏名 罪名 第一審 控訴審 上告審
求刑 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付
M.S. 強盗殺人などの罪 求刑死刑 無罪 鹿児島地裁
2010/12/10
公訴棄却 福岡高裁宮崎支部
2012/3/27
-
更新日時:
2012年03月28日



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