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長野一家3人強盗殺人事件


事件概要

 
2010年4月8日、長野市若宮の貸倉庫から異臭がするとの通報が入る。10日、長野中央署員が、貸倉庫の放置乗用車内から男性の遺体を見つける。体の特徴から、沖縄県出身の住所、職業不詳の37歳男性と特定。司法解剖の結果、死因は頭を殴られたことによる頭蓋内損傷と判明。遺体の腐敗は進み、死後数ヶ月が経過。長野県警は殺人、死体遺棄事件として中央署に捜査本部を設置した。

 貸倉庫の借主が、3月から行方不明になっていたのが分かり、長野県警組織犯罪対策課がその行方不明となっている長野市内の62歳会社経営者の会社の社員らから任意で事情聴取。社員の一部が殺害や遺体の遺棄への関与を認め、供述に基づく捜索で、4月14日、愛知県西尾市南奥田町の矢作川河口付近の資材置き場から3遺体が見つかる。県警は死体遺棄容疑で社員ら4人の逮捕状を請求。殺人、死体遺棄事件として長野中央署に捜査本部を設置。司法解剖の結果、死因はいずれも手かひも状のもので首を絞められた窒息死と判明。3人の遺体はいずれも、死後数週間が経過していた。

 4月15日、長野県警は、長野市真島町真島、31歳会社員A、長野市真島町真島、39歳会社員B、長野市市吉田1、34歳会社員C、愛知県西尾市熊味町下池田、51歳自営業者Dの4人を死体遺棄容疑で逮捕。5月5日、長野中央署捜査本部は、31歳会社員A、39歳会社員B、34歳会社員C、51歳自営業者Dの4人を強盗殺人容疑で再逮捕。

 5月26日、長野地検は、31歳会社員A、39歳会社員B、34歳会社員C、51歳自営業者Dの4人を強盗殺人、死体遺棄罪で起訴した。

 5月31日、長野市の貸倉庫の車の中から、遺体が見つかった事件で、長野中央署捜査本部は、死体遺棄容疑で31歳会社員Aを再逮捕、Aの知人で神戸市兵庫区荒田町の35歳無職の男Eを逮捕。その後2人を同罪で起訴した。

 8月27日、同事件で、長野県警は、殺人容疑で31歳会社員A、36歳無職の男Eを追送検し、別の事件で3月に殺害された長野市の自営業の30歳男を殺人、死体遺棄容疑で容疑者死亡のまま書類送検したが、10月26日、長野地検は、容疑者死亡のまま書類送検された30歳男と共に、31歳会社員Aと36歳無職の男Eを不起訴処分とした。
更新日時:
2010年11月05日




起訴状況

刑法

(強盗致死傷)
第二百四十条  強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

(死体損壊等)
第百九十条  死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。

罪名 該当法 法定刑 量刑例
強盗殺人罪 刑法第240条 死刑、無期懲役 強盗殺人罪の場合
死体遺棄罪 刑法第190条 3年以下の懲役

※ 死刑がやむを得ない場合死刑執行方法無期懲役仮釈放者の平均在所年数
更新日時:
2010年11月05日




時系列
日付 摘要
2010 04/08 長野市若宮の貸倉庫から異臭がするとの通報が入る
04/10 長野中央署員が、貸倉庫の放置乗用車内から男性の遺体を見つける
04/11 長野中央署は、体の特徴から、沖縄県出身の住所、職業不詳の37歳男性と特定
司法解剖の結果、死因は頭を殴られたことによる頭蓋内損傷と判明。遺体の腐敗は進み、死後数ヶ月が経過。長野県警は殺人、死体遺棄事件として中央署に捜査本部を設置
04/14 長野県警組織犯罪対策課が行方不明となっている長野市内の62歳会社経営者の社員らから任意で事情聴取
社員の一部が殺害や遺体の遺棄への関与を認め、供述に基づく捜索で、愛知県西尾市南奥田町の矢作川河口付近の資材置き場から3遺体が見つかる
県警は死体遺棄容疑で社員ら4人の逮捕状を請求。殺人、死体遺棄事件として長野中央署に捜査本部を設置
04/15 長野県警は、長野市真島町真島、31歳会社員A、長野市真島町真島、39歳会社員B、長野市市吉田1、34歳会社員C、愛知県西尾市熊味町下池田、51歳自営業者Dの4人を死体遺棄容疑で逮捕
長野県警は、遺体を3月下旬から行方不明になっていた長野市真島町の建設業の62歳男性と長男で建設業の30歳男性、その内縁の妻で自営業の26歳女性と確認
31歳会社員Aら4人を長野地検へ送検
04/16 午後、資材置き場を現場検証。長野県警の司法解剖の結果、死因はいずれも手かひも状のもので首を絞められた窒息死と判明。3人の遺体はいずれも、死後数週間が経過
04/22 長野中央署捜査本部は、西尾市に隣接する愛知県幸田町の資材置き場でトラックを押収
05/05 3月24日に長野市真島町の建設業の62歳男性方で、62歳男性と息子の30歳男性、その妻の26歳女性の首を絞めて殺害し、家にあった現金約410万円やバッグなどを奪った疑いがあるとして、長野中央署捜査本部は、31歳会社員A、39歳会社員B、34歳会社員C、51歳自営業者Dの4人を強盗殺人容疑で再逮捕
05/26 長野地検は、31歳会社員A、39歳会社員B、34歳会社員C、51歳自営業者Dの4人を強盗殺人、死体遺棄罪で起訴
05/31 長野市の貸倉庫の車の中から、遺体が見つかった事件で、長野中央署捜査本部は、死体遺棄容疑で31歳会社員Aを再逮捕、Aの知人で神戸市兵庫区荒田町の35歳無職の男Eを逮捕
06/ 長野地検は、死体遺棄罪で31歳会社員Aを追起訴。同罪で35歳無職の男Eを起訴
08/27 長野市の貸倉庫の車の中から、遺体が見つかった事件で、長野県警は、殺人容疑で31歳会社員A、36歳無職の男Eを追送検し、別の事件で3月に殺害された長野市の自営業の30歳男を殺人、死体遺棄容疑で容疑者死亡のまま書類送検
09/16 長野市の貸倉庫の車の中から、遺体が見つかった事件で、死体遺棄罪に問われた被告Eに対して、
長野地裁は、懲役2年(求刑懲役2年6月)の実刑判決を言い渡し
10/26 長野市の貸倉庫の車の中から、遺体が見つかった事件で、長野地検は、殺人容疑で追送検された、31歳会社員Aと、36歳無職の男Eを不起訴。別の事件で3月に殺害され、容疑者死亡のまま書類送検された30歳男の殺人、死体遺棄容疑についても不起訴処分
2011 03/25 強盗殺人、死体遺棄罪に問われた被告Bに対して、
長野地裁(高木順子裁判長)は、求刑通り死刑を言い渡し。弁護側は即日控訴
12/06 強盗殺人、死体遺棄罪に問われた被告Cに対して、
長野地裁(高木順子裁判長)は、求刑通り死刑を言い渡し
12/07 被告C(35歳)は、死刑判決を不服として東京高裁に控訴
12/27 強盗殺人、死体遺棄罪に問われた被告Aに対して、
長野地裁(高木順子裁判長)は、求刑通り死刑を言い渡し。弁護側は即日控訴
2012 03/22 強盗殺人、死体遺棄罪に問われた被告Bに対して、
東京高裁(井上弘通裁判長)は一審判決を支持し、弁護側の控訴を棄却。被告は即日上告
03/27 強盗殺人、死体遺棄罪に問われた被告Dに対して、
長野地裁(高木順子裁判長)は、懲役28年(求刑無期懲役)を言い渡し。被告は即日控訴
2013 05/28 強盗殺人、死体遺棄罪に問われた被告Dに対して、
東京高裁(村瀬均裁判長)は、一審判決を破棄、ほう助罪にとどまると判断し、懲役18年を言い渡し
05/31 被告Dの弁護側は判決を不服として最高裁に上告
10/01 9月30日付けで、最高裁第1小法廷(山浦善樹裁判長)は、被告Dの上告を棄却する決定。懲役18年が確定へ
2014 02/20 強盗殺人、死体遺棄罪に問われた被告Aに対して、
東京高裁(村瀬均裁判長)は、一審長野地裁判決を支持し、弁護側の控訴を棄却。弁護側は即日上告
02/27 強盗殺人、死体遺棄罪に問われた被告Cに対して、
東京高裁(村瀬均裁判長)は、一審長野地裁判決を破棄し、無期懲役を言い渡し
03/12 38歳被告Cについて、東京高検は「明確な上告理由が見当たらない」として、上告を断念
03/13 被告Cの弁護人は判決を不服として最高裁に上告
07/15 最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)で、強盗殺人、死体遺棄罪に問われた被告Bの上告審口頭弁論
09/02 強盗殺人、死体遺棄罪に問われた被告Bに対して、
最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)は、被告側の上告を棄却
2015 02/09 強盗殺人、死体遺棄罪に問われた被告Cに対して、
最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)は、被告の上告を棄却決定
2016 03/29 最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)で、強盗殺人、死体遺棄罪に問われた被告Aの上告審口頭弁論
04/26 強盗殺人、死体遺棄罪に問われた被告Aに対して、
最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)は、被告側の上告を棄却
05/25 最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)は、上告審判決に対する被告側の訂正申し立てを棄却決定
更新日時:
2016年5月29日




集団での犯罪行為

 強盗殺人、強姦致死(殺人)など、利欲的な犯罪の場合は、罪質としては一番悪い部類になるのですが、加害者側が徒党を組んでの強盗殺人、集団強姦致死(殺人)は、被害者側が逃げるのが難しくなるため、犯行態様も非常に悪くなります。

 また、強殺で「利欲的な犯罪」、被害死者3人で「結果が重大」、犯行後も隠ぺい工作で死体を遠く離れた愛知県で遺棄していますから、「犯行後の情状」も悪く、多勢(加害者側)に無勢(被害者側)は、確実に加害者側が悪くなっています。

 本件は、強殺、被害死者3人など、死刑適用基準の殆どの要件を満たしていますので、特段の事情が無ければ死刑がやむを得ない事例になります。

 本件の場合、被告側に同情したくなるような事情がありますが、仮に、犯行の動機や動機への情状で被害者側に落ち度があり、被告側に酌むべき事情があったとしても、あくまで被告側にとって有利な事情の一つと言うだけで、量刑を死刑から無期へと大きく減軽するほどの特段の事情とは成り得ません。

 また、集団での犯罪行為では、加害者側の人数が多ければ多い程、それぞれの加害者の一人一人の気持ちの負担が軽くなるという特性がありますが、罪は、そうではありません。

 多人数でも主犯、従犯の関係がはっきり分かっていれば、主犯を重く、従犯はそれよりも軽くですし、共謀共同正犯であれば、同じ重さになります。例えば、共謀共同正犯と認定された1人が死刑になれば、共謀共同正犯と認定された全員が死刑になってしまいます。

 本件の場合は、記事を読んでいても主従関係がはっきりと分からず、結果、共謀共同正犯になるのじゃないかな?と感じました。よって、本件では、複数の被告に死刑判決が下りる可能性が高いと思います。

死刑適用基準 求刑死刑に対しての判決例
更新日時:
2010年11月05日




被告A(伊藤和史被告)の公判関係

第一審 長野地裁(高木順子裁判長) 裁判員裁判


事件番号:平成22年(わ)第96号|傍聴券交付情報:長野地裁
日付 摘要
2011 11/11 裁判員選任手続き
12/07 初公判 (罪状認否、冒頭陳述) 罪状認否で被告は事実関係はおおむね認めたが、「金を取る目的はなかった」と述べ、弁護側は強盗目的を否定し殺人罪の適用を主張
12/09 第2回公判  
12/12 第3回公判 (証人尋問) 事件に関与した松原被告が証人出廷。「伊藤被告と『金さんから奪った金は分けよう』と話し合った」と述べ、事前に現金分配を計画していたと証言
12/13 第4回公判 (証人尋問) 出廷した金さんのおいは「人を殺して被告が生きているのを許すことはできない。極刑を求める」と訴える
12/14 第5回公判 (被告人質問、証人尋問) 被告は「『いずれ自分にも銃口が向けられるのでは』と思った」と恐怖心を強調
12/15 第6回公判 (被告人質問) 被告は「(他の被告と現金を分ける計画を)話した記憶はない」と強盗目的を否定
12/16 第7回公判 (検察側:論告求刑、弁護側:最終弁論、被告の最終陳述) 検察側は「3人の命を奪った悪質極まる犯行。動機は身勝手で、酌量の余地はない」として死刑を求刑
12/20
〜26
裁判官・裁判員評議
12/27
第8回公判 (判決) 長野地裁は、「被害者からの奴隷的な拘束から解放されたいという自己の希望のため殺害に及んだのは余りに安易だ」として、求刑通り死刑判決を言い渡し
弁護側は即日控訴

控訴審 東京高裁(村瀬均裁判長) 第10刑事部


事件番号:平成24年(う)572号|傍聴券交付情報:東京高裁
日付 摘要
2013 05/20 初公判 (冒頭陳述) 弁護側は改めて強盗目的を否定し死刑回避を訴え、検察側は控訴棄却を求める
05/30 第2回公判  
06/18 第3回公判  
07/16 第4回公判  
09/19 第5回公判  
10/24 第6回公判  
12/03 第7回公判 (弁論)
2014 02/20 第8回公判 (判決) 東京高裁(村瀬均裁判長)は、死刑とした裁判員裁判の一審長野地裁判決を支持し、弁護側の控訴を棄却
弁護側は即日上告

上告審 最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)


事件番号:平成26年(あ)第477号
日付 摘要
2016 03/29 第1回公判 (口頭弁論) 弁護側は「被害者による過酷な支配を受け、追い詰められた末の犯行だった」と死刑回避を主張、検察側は上告棄却を求めて結審
04/26  第2回公判 (判決) 最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)は、「一度に3人の命を奪った結果は重大。犯行を主導し、責任は極めて重い」として、上告を棄却する判決を言い渡し
2016年5月25日付けで、最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)は、上告審判決に対する被告側の訂正申し立てを棄却する決定をし、死刑判決が確定した。
更新日時:
2016年5月29日




被告B(松原智浩被告)の公判関係

第一審 長野地裁(高木順子裁判長) 裁判員裁判


事件番号:平成22年(わ)第96号|傍聴券交付情報:長野地裁
日付 摘要
2011 03/11 裁判員選任手続き
03/14 初公判 (検察・弁護側:冒頭陳述、証拠調べ) 被告は「間違いありません」と起訴事実を認める。
 検察側は冒頭陳述で、「金さんに対し、給料の手取りが少ないことや、生活面で細かい注意を受けて不満をためていた」と指摘し、「事件の実行方法を提案するなど受動的な役割ではなかった」と主張。
 弁護側は冒頭陳述で、被告は金さん宅に住み込みで働いていたが、「(事件は)金銭が主な目的ではなく、奴隷的拘束から逃れるためだった」と主張。
03/15 第2回公判 (証拠調べ) 遺族の供述調書などを朗読
03/16 第3回公判 (証拠調べ、被告の両親、共謀者として起訴された別の被告の証人尋問) 被告の両親が謝罪
03/17 第4回公判 (被告人質問) 公判で遺族に一度も頭を下げていないことについて、被告は「真正面に向き合えない自分の弱さです」と答える。
03/18 第5回公判 (被告人質問、検察側:論告求刑、弁護側:最終弁論、被告の最終意見陳述)
 検察側は「3人もの命を奪った冷酷、非情な犯行で、死刑回避の事情は見いだせない」として死刑を求刑。被告は最終意見陳述で「いかなる判決でも死ぬまで反省し続け、罪を償いたい」と述べる。
03/25 第6回公判 (判決) 「同一機会に3人の尊い命を奪ったことは容認しがたい」と述べ、求刑通り死刑を言い渡し
弁護側は即日控訴

控訴審 東京高裁(井上弘通裁判長)


事件番号:平成23年(う)第859号|傍聴券交付情報:東京高裁
日付 摘要
2011 08/25 初公判 (冒頭陳述) 弁護側は「同居していた被害者から暴力を振るわれるなど、被害者にも落ち度があった」として、量刑不当を主張。検察側は控訴棄却を求める
12/20 第4回公判 (被告人質問)
2012 01/24 第5回公判 (弁論) 弁護側は「被告は終始、従属的な立場であり、裁判員裁判の結論だからという理由で尊重してはならない」と述べ、死刑の回避を求める
03/22  第6回公判 (判決) 東京高裁(井上弘通裁判長)は「無防備な被害者らに次々と襲いかかり、犯行態様は冷酷」として一審判決を支持し、弁護側の控訴を棄却
弁護側は即日上告

上告審 最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)
日付 摘要
2014 07/15 第1回公判 (口頭弁論) 弁護側は「死刑判決を言い渡された主犯格の別の男に命じられて動いていたにすぎない」と死刑回避を主張。検察側は「被告は積極的に関与していた」と述べ、上告棄却を求める。
 弁護側は「死刑と判断するのに全員一致の賛成を必要としないなどの裁判員裁判の運用は、適正な手続きを保障した憲法に違反する。裁判員の中には、裁判のあとの記者会見で、死刑が本当に正しかったのかという趣旨の発言をした人もいた」などと主張。検察側は「被告側の主張は、実質的に裁判員制度が憲法に違反するというものだが、すでに最高裁で『裁判員裁判は合憲』という判例が確立している」などと反論
09/02  第2回公判 (判決) 最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)は、松原被告は「2人の殺害に自ら手を下し、伊藤被告の相談相手となるなど、本件の遂行にあたって重要で必要不可欠な役割を果たした」と指摘。死刑とした1、2審判決を支持し、被告側の上告を棄却
2014年9月10日、弁護側は最高裁に判決訂正を申立て、同25日、最高裁第3小法廷は、申立てを棄却する決定をし、死刑判決が確定した。
更新日時:
2014年9月26日




被告C(池田薫被告)の公判関係

第一審 長野地裁(高木順子裁判長) 裁判員裁判


事件番号:平成22年(わ)第96号|傍聴券交付情報:長野地裁
日付 摘要
2011 11/14 初公判 (罪状認否、冒頭陳述) 被告は「良亮さんと楠見さんの殺害に関与したことは認めるが、強盗目的ではない」と起訴内容の一部を否認。文夫さん殺害については無罪を主張
11/16 第2回公判 (証拠調べ) 長男(当時30歳)へ被告の殺意があったかどうかなどを巡り、検察と弁護側の主張が対立
11/17 第3回公判 (証人尋問) 証人で出廷した伊藤被告は、殺害の約1ヶ月前の昨年2月22日に「池田被告を誘った」と証言
11/18 第4回公判 (証人尋問) 証人で出廷した松原被告は事件当日、伊藤被告が池田被告に殺害用のロープを渡した時の様子を「半ば強引に、という感じだった」と証言
11/21 第5回公判 (被告人質問) 被告は伊藤被告から「例の件で来てくれ」と電話があり、金さん方に出向いたが「殺害するつもりとは思わなかった」と事前の共謀を否定。検察側は「伊藤被告は『事前に殺害計画を伝えた』と言っている」と指摘
11/22 第6回公判 (被告人質問) 女性の絞殺について、被告は「抱き上げるなどして、家を飛び出せた。何とかできたのではないかと思う」と後悔
11/24 第7回公判 (検察側:論告求刑、弁護側:最終弁論、被告の最終意見陳述)
検察側は「3人の命が失われた重大な結果で、動機に酌量の余地はない」と、死刑を求刑。弁護側は「偶発的、突発的な犯行で計画性はなかった」と主張。被告は、「今後償っていくとしか言えない。この場を借りてご遺族の方に謝罪させていただきたい」と述べる
12/06 第8回公判 (判決) 「同一の機会に3人の命が奪われた結果は重大。死刑をもって臨まざるを得ない」と述べ、求刑通り死刑を言い渡し
2011年12月7日、被告C(35歳)は、死刑判決を不服として東京高裁に控訴
 
控訴審 東京高裁(村瀬均裁判長) 第10刑事部

事件番号:平成24年(う)第332号|傍聴券交付情報:東京高裁
日付 摘要
2013 05/21 初公判 (冒頭陳述) 
07/11 第2回公判  
09/03 第3回公判  
11/07 第4回公判 (弁論)
2014 02/27 第5回公判 (判決) 東京高裁(村瀬均裁判長)は、「首謀者らに巻き込まれる形で犯行に加担しており、死刑は重すぎる」として、一審判決を破棄し、38歳被告に対して無期懲役を言い渡し
2014年3月12日、東京高検は「明確な上告理由が見当たらない」として、上告を断念を発表。13日、弁護人は判決を不服として上告

※ 無期懲役仮釈放者の平均在所年数

上告審 最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)

 2015年2月10日、38歳被告に対して、最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)は9日付で、被告の上告を棄却する決定をした。無期懲役が確定する。
更新日時:
2015年2月10日




被告Dの公判関係

第一審 長野地裁(高木順子裁判長) 裁判員裁判


事件番号:平成22年(わ)第96号|傍聴券交付情報:長野地裁
日付 摘要
2012 3/05 初公判 (罪状認否、冒頭陳述) 被告は「強盗殺人に関与した認識は全くない」と同罪の起訴事実を否認
3/06 第2回公判 (証人尋問) 伊藤被告が証人出廷。検察側が2人の報酬についてのやりとりを問うと、伊藤被告は「『バッグの100万円で支払う』と斎田被告に伝えると、納得したようだった」と証言
3/08 第3回公判 (証人尋問) 松原被告が証人出廷。松原被告は「『殺害に協力してもらっている』という気持ちはなかった」と証言
3/09 第4回公判 (証人尋問、被告人質問) 金さんと内縁関係にあった女性は、「斎田被告が用意した睡眠導入剤がなければ良亮さんらは殺されなかったかもしれない」と訴える
3/12 第5回公判 (被告人質問) 弁護側の質問に被告は「報酬のために伊藤被告らに『金さんらを殺害してほしい』という気持ちはなかった」と主張
3/13 第6回公判 (被害者遺族の意見陳述) 検察側は遺族ら4人の陳述書を読み上げ。金さんの娘は「(被告の)『遺体を運んで埋めただけ』という言い訳は通用しない。死刑か、二度と刑務所から出てこない判決を望む」と求める
3/15 第7回公判 (検察側:論告求刑、弁護側:最終弁論、被告の最終陳述) 検察側は「金銭欲しさの動機は身勝手で、3人が死亡した結果は重大」としながら、被告が唯一、殺害実行行為に加わっていない点から「死刑を選択するには一抹のちゅうちょを覚えざるを得ない」として無期懲役を求刑
3/27 第8回公判 (判決) 長野地裁(高木順子裁判長)は「親子を殺害して奪った現金から自分への報酬が支払われると十分知っていた」として強盗殺人の共謀を認定し、懲役28年(求刑無期懲役)を言い渡し
被告は即日控訴

控訴審 東京高裁(村瀬均裁判長)


事件番号:         |傍聴券交付情報:東京高裁
日付 摘要
2013 02/21 公判 (最終弁論) 弁護側は最終弁論で改めて「強盗殺人の共謀成立などを認めた1審判決には事実誤認がある。仮に共謀が成立しても量刑は重すぎて不当だ」と主張
05/28 判決公判 (判決) 東京高裁(村瀬均裁判長)は、強盗殺人罪の共謀を認めて懲役28年とした一審長野地裁の裁判員裁判判決を破棄、ほう助罪にとどまると判断し、懲役18年を言い渡し
2013年5月31日、弁護側は判決を不服として最高裁に上告
 
上告審 最高裁第1小法廷(山浦善樹裁判長)

最高裁第1小法廷(山浦善樹裁判長)は9月30日付けで、被告の上告を棄却する決定をした。
更新日時:
2013年10月2日




起訴された被告達の判決状況
仮称 年齢 職業 罪名 死者数 求刑 判決 裁判所 判決日 上訴
A 31 会社員 強盗殺人罪
死体遺棄罪
3 求刑死刑 死刑 長野地裁 2011/12/27 弁護側控訴
控訴棄却 東京高裁 2014/02/20 弁護側上告
上告棄却 最高裁第3小法廷 2016/04/26 確定
B 39 会社員 強盗殺人罪
死体遺棄罪
3 求刑死刑 死刑 長野地裁 2011/03/25 弁護側控訴
控訴棄却 東京高裁 2012/03/22 弁護側上告
上告棄却 最高裁第3小法廷 2014/09/02 確定
C 34 会社員 強盗殺人罪
死体遺棄罪
3 求刑死刑 死刑 長野地裁 2011/12/06 弁護側控訴
一審破棄 東京高裁 2014/02/27 検察側非上告
弁護側上告
無期懲役
上告棄却 最高裁第3小法廷 2015/02/09 確定
D 51 自営業 強盗殺人罪
(ほう助罪認定)
死体遺棄罪
3 求刑無期懲役 懲役28年 長野地裁 2012/03/27 弁護側控訴
一審破棄 東京高裁 2013/05/28 弁護側上告
懲役18年
上告棄却 最高裁第1小法廷 2013/09/30 確定
E 35 無職 死体遺棄罪 0 求刑懲役2年6月 懲役2年 長野地裁 2010/09/16 確定
※年齢、職業は逮捕時
更新日時:
2016年5月7日




求刑死刑の被告の判決状況

仮称 氏名 罪名 第一審 控訴審 上告審
求刑 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付
A 伊藤和史 強盗殺人などの罪 求刑死刑 死刑 長野地裁
2011/12/27
控訴棄却 東京高裁
2014/2/20
上告棄却 最高裁第3小法廷
2016/4/26
C K.I. 強盗殺人などの罪 求刑死刑 死刑 長野地裁
2011/12/6
一審破棄 無期懲役 東京高裁
2014/2/27
上告棄却 最高裁第3小法廷
2015/2/9
B 松原智浩 強盗殺人などの罪 求刑死刑 死刑 長野地裁
2011/3/25
控訴棄却 東京高裁
2012/3/22
上告棄却 最高裁第3小法廷
2014/9/2
更新日時:
2016年5月7日



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