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殺人事件について…

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福岡・筑後連続行方不明事件


事件概要

 2014年4月11日、知人名義の消費者金融カードで不正に現金を引き出したとして、福岡県警捜査1課と筑後署は、同県筑後市蔵数、リサイクルショップ経営中尾伸也容疑者(47)と、妻で無職の知佐容疑者(45)の2人を窃盗容疑で逮捕。福岡地検は、47歳男と45歳女を窃盗罪で起訴した。

 夫婦の周辺では、複数の人物が行方不明になっているとの情報があり、県警は夫婦が事情を知っている可能性もあるとみて慎重に捜査。

 県警は、5月から6月にかけて中尾伸也容疑者の実家の庭や川を捜索、複数の人骨を発見した。骨のDNA型鑑定の結果、2004年6月頃から行方不明になっていた当時22歳の日高崇さんと同時期に行方不明になっていた20歳前後の別の従業員のDNA型と一致した。

 6月16日、福岡県警は、リサイクルショップ元従業員で同県みやま市瀬高町広瀬の当時22歳の日高崇さんを殺害した疑いがあるとして殺人容疑で47歳男と45歳女の2人を再逮捕。7月7日、福岡地検は2人を殺人罪で起訴した。


福岡県筑後市大字蔵数周辺の地図 - Yahoo!地図
 7月、川底で見つかった人骨の一部に2人以外のDNA型の骨があったことが判明。同月12日、骨のDNA型が、妻の45歳中尾知佐被告の妹の夫と一致したことが判明した。

 8月6日、筑後署捜査本部は知佐被告の妹の夫の当時34歳の冷水一也さんを殺害した疑いがあるとして、47歳男と45歳女を殺人容疑で再逮捕し、当時34歳男性に暴行を加え死なせた疑いがあるとして、男性の妻の36歳女を傷害致死容疑で逮捕。7日、同容疑で3人を福岡地検に送検。27日、福岡地検は、親族男性に対する殺人容疑で再逮捕された47歳男と46歳女について、処分保留としたと発表。傷害致死容疑で逮捕された36歳女も処分保留とし釈放。処分保留の理由について「なお捜査すべき事項があるため」と説明した。

 9月7日、筑後署捜査本部は、親族の当時4歳だった男児を殺害した疑いが強まったとして、48歳男と46歳女を殺人容疑で再逮捕した。同29日、福岡地検は、義弟とその長男に暴行を加えて死亡させたとして、リサイクルショップ経営の48歳男とその妻の46歳女を傷害致死罪で追起訴。義弟への暴行に加わったとして傷害致死容疑で逮捕後、釈放されていた義弟の36歳妻については暴行罪を適用し、公訴時効(3年)が成立したとして不起訴処分とした。

 11月17日、2004年に男性従業員(当時19)を暴行し死なせたとして傷害致死などの容疑で、48歳男と46歳女を福岡地検に書類送検。同年12月18日、福岡地検は、傷害致死容疑で書類送付された48歳男と46歳女を公訴時効完成により不起訴処分とした。

※ リサイクルショップエース 福岡県筑後市大字蔵数
更新日時:
2014年12月24日




時系列
日付 摘要
2004 06/ 下旬、福岡県筑後市のアパートで日高さんに殴る蹴るなどの暴行を加えて殺害
07/ 日高さんの母親が県警に捜索願を提出
2006 03/ 冷水一也さん一家が筑後市に引っ越し、リサイクルショップで働きだす
  冷水一也さんとその長男が行方不明に
2014 04/11 知人名義の消費者金融カードで不正に現金を引き出したとして、福岡県警捜査1課と筑後署は、同県筑後市蔵数、リサイクルショップ経営中尾伸也容疑者(47)と、妻で無職の知佐容疑者(45)の2人を窃盗容疑で逮捕
05/ 福岡地検は、47歳男と妻の45歳女を窃盗罪で起訴
05/〜
06/
福岡県警は、中尾伸也容疑者の実家の庭や川を捜索
06/ 庭で見つかった人骨のDNA型鑑定の結果、日高さんと別の男性従業員の骨のものと判明
06/16 福岡県警は、リサイクルショップ元従業員で同県みやま市瀬高町広瀬の当時22歳の日高崇さんを殺害した疑いがあるとして殺人容疑で47歳男と45歳女の2人を再逮捕
福岡県警は筑後署に捜査本部を設置
07/05 川底から見つかった人骨の一部でDNA型が2人とは別のものがあることが判明
07/07 福岡地検は、当時22歳の日高崇さんを殺害したとして、殺人罪で47歳男と45歳女の2人を起訴
07/12 判明していた2人以外(3人目)の骨のDNA型が、妻の45歳中尾知佐被告の妹の夫と一致したことが判明
08/06 知佐被告の妹の夫の当時34歳の冷水一也さんを殺害した疑いがあるとして、筑後署捜査本部は47歳男と45歳女を殺人容疑で再逮捕。当時34歳男性の妻の36歳女を傷害致死容疑で逮捕
08/07 筑後署捜査本部は47歳男と45歳女を殺人容疑で、36歳女を傷害致死容疑で福岡地検に送検
08/27 福岡地検は、親族男性に対する殺人容疑で再逮捕された47歳男と46歳女について、処分保留としたと発表。傷害致死容疑で逮捕された36歳女も処分保留とし釈放。処分保留の理由について「なお捜査すべき事項があるため」と説明
09/07 福岡県警筑後署捜査本部は、親族の当時4歳だった男児を殺害した疑いが強まったとして、48歳男と46歳女を殺人容疑で再逮捕
09/29 福岡地検は、義弟とその長男に暴行を加えて死亡させたとして、リサイクルショップ経営の48歳男とその妻の46歳女を傷害致死罪で追起訴。義弟への暴行に加わったとして傷害致死容疑で逮捕後、釈放されていた義弟の36歳妻については暴行罪を適用し、公訴時効(3年)が成立したとして不起訴処分
11/17 2004年に男性従業員(当時19)を暴行し死なせたとして傷害致死などの容疑で、48歳男と46歳女を福岡地検に書類送検
12/18 福岡地検は、傷害致死容疑で書類送付された48歳男と46歳女を不起訴処分(公訴時効完成)
更新日時:
2014年12月24日




参考法規

刑法

(殺人)
第百九十九条  人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

(傷害致死)
第二百五条  身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

(窃盗)
第二百三十五条  他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(死体損壊等)
第百九十条  死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。

罪名 該当法 法定刑 量刑例
殺人罪 刑法第199条 死刑、無期、5年以上の懲役 主たる罪が殺人罪の場合

傷害致死罪の場合
傷害致死罪 刑法第205条 3年以上の有期懲役
窃盗罪 刑法第235条 10年以下の懲役、50万円以下の罰金
死体損壊・遺棄罪 刑法第190条 3年以下の懲役
(死体損壊・遺棄罪は公訴時効成立)

※ 無期懲役仮釈放者の平均在所年数
※ 求刑死刑に対しての判決例死刑がやむを得ない場合死刑執行方法
更新日時:
2014年8月6日




各被告の起訴状況
元被告 罪状 死者数 事件
S.N.元被告 窃盗罪
殺人罪(一審 傷害致死罪認定)
3 現金不正引き出し
日高崇さん殺害事件
傷害致死罪 冷水一也さん致死事件
傷害致死罪 冷水大斗ちゃん致死事件
T.N.元被告 窃盗罪
殺人罪(一審 傷害致死罪認定)
3 現金不正引き出し
日高崇さん殺害事件
傷害致死罪 冷水一也さん致死事件
傷害致死罪 冷水大斗ちゃん致死事件
更新日時:
2019年3月10日




被告A(中尾伸也被告)の公判関係

第一審 福岡地裁(平塚浩司裁判長) 裁判員裁判


事件番号:平成26年(わ)第802号等|傍聴券交付情報:福岡地方裁判所
日付 摘要
2016 6/27 初公判 (罪状認否、冒頭陳述) 中尾伸也被告(49)は「殺すつもりはなかった」などと述べ、起訴事実の大半を否認
6/28 第2回公判  
6/30 第3回公判  
7/1 第4回公判  
7/4 第5回公判  
7/5 第6回公判  
7/7 第7回公判   
7/8 第8回公判  
7/11 第9回公判  
7/12 第10回公判  
7/14 第11回公判  
7/15 第12回公判  
7/19 第13回公判  
7/20 第14回公判  
7/21 第15回公判  
7/22 第16回公判  
7/25 第17回公判 (論告求刑、最終弁論、被告の最終意見陳述) 検察側は論告で「被告は妻と共謀し、被害者に積極的、継続的に暴行を加えた。直接虐待行為に及んでおり、果たした役割は大きい。支配欲に基づく残虐な犯行で、結果は重大だ」と主張し、49歳被告に対して無期懲役を求刑
 弁護側は1人の傷害致死事件を除く起訴事実の大半を否定し、結審
8/8 第18回公判 (判決) 福岡地裁(平塚浩司裁判長)は、49歳被告に対して懲役28年の判決を言い渡し。元従業員男性への殺人罪の成立について「死に至る経緯が不明で殺意の認定は困難」と否定し、傷害致死罪を認定
2016年8月17日、福岡地検は、49歳被告について傷害致死罪などで懲役28年とした福岡地裁判決を不服として控訴。同月19日、49歳被告は判決を不服として控訴した。

控訴審 福岡高裁(山口雅高裁判長)
日付 摘要
2017 1/13 初公判 (冒頭陳述) 50歳中尾伸也被告について、弁護側はこの日の公判で刑が重すぎるとして量刑不当と主張。検察側は改めて殺人罪の適用を求めた
 3/27 判決公判 (判決) 福岡高裁(山口雅高裁判長)は、1審・福岡地裁判決を支持し、検察、弁護側双方の控訴を棄却
リンク:
2017年4月10日の期限までに検察・弁護側共に上告せず、懲役28年とした判決が確定
更新日時:
2019年3月10日




被告B(中尾知佐被告)の公判関係

第一審 福岡地裁(平塚浩司裁判長) 裁判員裁判


事件番号:平成26年(わ)第802号等|傍聴券交付情報:福岡地方裁判所
日付 摘要
2016 5/16 初公判 (罪状認否、冒頭陳述) 47歳被告は殺人について「殺すつもりはなかった」、傷害致死は「死亡原因となる暴行に関与していない」などと起訴内容を否認し、無罪を主張
5/17 第2回公判 (証人尋問) 当時22歳の日高崇さんの交際相手で店の同僚だった女性が証人出廷
5/18 第3回公判  
5/19 第4回公判 (証人尋問) 当時22歳の日高崇さんの母親が証人出廷
 母親は、元従業員の借金返済の肩代わり名目で約700万円を夫婦に支払ったり、元従業員が殺害されたとされる後も、夫婦から生きているかのように説明されていたことを明らかに
5/23 第5回公判  
5/24 第6回公判  
5/26 第7回公判   
5/27 第8回公判  
5/30 第9回公判  
5/31 第10回公判 (冒頭陳述、罪状認否) 47歳被告の義弟冷水一也さん(当時34歳)と長男大斗ちゃん(同4歳)を死亡させた傷害致死罪などについて審理
 検察側は夫伸也被告との共謀があったと主張したが、弁護側は否認
6/02 第11回公判  
6/03 第12回公判 (証人尋問) 47歳被告の義弟の母親が証人出廷
6/06 第13回公判 (証人尋問) 49歳夫の伸也被告が証人出廷
6/07 第14回公判  
6/09 第15回公判 (論告求刑、最終弁論、被告の最終意見陳述)
 夫伸也被告との共謀があったとした上で「暴力で人を従わせようとする支配欲に基づき、残虐で過酷な虐待を続けた。反省の情は皆無だ」として、検察側は無期懲役を求刑
 弁護側は「共謀はなかった」とし、窃盗罪以外は無罪を主張
 47歳被告は最終意見陳述で「本当に申し訳ございませんでした」と頭を下げた
6/24 第16回公判 (判決) 福岡地裁(平塚浩司裁判長)は、懲役30年の判決を言い渡し
 判決は元従業員男性(当時22歳)への殺人罪は認定しなかったが、傷害致死罪3件の成立を認めて「他に類例を見ない事案で、法律上許された上限の刑をもって臨むのが相当」と結論づけた。
 2016年6月27日、福岡地検は、47歳被告について傷害致死罪などで懲役30年とした福岡地裁判決を不服として控訴。同29日、47歳被告は懲役30年とした一審福岡地裁判決を不服として控訴した。

控訴審 福岡高裁(岡田信裁判長)
日付 摘要
2016 12/2 初公判 (冒頭陳述、弁論) 48歳中尾知佐被告について、検察側は1審が認めなかった殺人罪が成立すると主張、弁護側は改めて無罪を求めて即日結審
2017 1/27 第2回公判 (判決) 福岡高裁は、一審福岡地裁判決を支持し、検察、48歳被告の弁護側双方の控訴を棄却
リンク:産経新聞
2017年2月10日の期限までに検察・弁護側共に上告せず、懲役30年とした判決が確定
更新日時:
2017年2月12日




被告達の判決状況

氏名 主罪 第一審 控訴審 上告審
求刑 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付
S.N. 殺人
一審傷害致死認定
求刑無期懲役 懲役28年 福岡地裁
2016/8/8
控訴棄却 福岡高裁
2017/3/27
非上告
T.N. 殺人
一審傷害致死認定
求刑無期懲役 懲役30年 福岡地裁
2016/6/24
控訴棄却 福岡高裁
2017/1/27
非上告
更新日時:
2019年3月10日



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