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少年法 第4章 少年の刑事事件

この法律の該当する部分の条文です。第1章、第2章は抜粋してあります。ご参考にどうぞ^^

少年法


第1章 総 則

(この法律の目的)
第1条 この法律は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年及び少年の福祉を害する成人の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする。

(少年、成人、保護者)
第2条 この法律で「少年」とは、20歳に満たない者をいい、「成人」とは、満20歳以上の者をいう。
2 この法律で「保護者」とは、少年に対して法律上監護教育の義務ある者及び少年を現に監護する者をいう。


第2章 少年の保護事件

第2章第2節 調査及び審判

(検察官への送致)
第20条 家庭裁判所は、死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもつて、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、家庭裁判所は、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であつて、その罪を犯すとき16歳以上の少年に係るものについては、同項の決定をしなければならない。ただし、調査の結果、犯行の動機及び態様、犯行後の情況、少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるときは、この限りでない。


第4章 少年の刑事事件

第1節 通 則 (第40条)
第2節 手 続 (第41条〜第50条)
第3節 処 分 (第51条〜第60条)

第4章第1節 通 則

(準拠法例)
第40条 少年の刑事事件については、この法律で定めるものの外、一般の例による。

第4章第2節 手 続

(司法警察員の送致)
第41条 司法警察員は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、罰金以下の刑にあたる犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、これを家庭裁判所に送致しなければならない。犯罪の嫌疑がない場合でも、家庭裁判所の審判に付すべき事由があると思料するときは、同様である。

(検察官の送致)
第42条 検察官は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、第45条第5号本文に規定する場合を除いて、これを家庭裁判所に送致しなければならない。犯罪の嫌疑がない場合でも、家庭裁判所の審判に付すべき事由があると思料するときは、同様である。

(勾留に代る措置)
第43条 検察官は、少年の被疑事件においては、裁判官に対して、勾留の請求に代え、第17条第1項の措置を請求することができる。但し、第17条第1項第1号の措置は、家庭裁判所の裁判官に対して、これを請求しなければならない。
2 前項の請求を受けた裁判官は、第17条第1項の措置に関して、家庭裁判所と同一の権限を有する。
3 検察官は、少年の被疑事件においては、やむを得ない場合でなければ、裁判官に対して、勾留を請求することはできない。

(勾留に代る措置の効力)
第44条 裁判官が前条第1項の請求に基いて第17条第1項第1号の措置をとつた場合において、検察官は、捜査を遂げた結果、事件を家庭裁判所に送致しないときは、直ちに、裁判官に対して、その措置の取消を請求しなければならない。
2 裁判官が前条第1項の請求に基いて第17条第1項第2号の措置をとるときは、令状を発してこれをしなければならない。
3 前項の措置の効力は、その請求をした日から10日とする。

(検察官へ送致後の取扱い)
第45条 家庭裁判所が、第20条の規定によつて事件を検察官に送致したときは、次の例による。
1.第17条第1項第1号の措置は、その少年の事件が再び家庭裁判所に送致された場合を除いて、検察官が事件の送致を受けた日から10日以内に公訴が提起されないときは、その効力を失う。公訴が提起されたときは、裁判所は、検察官の請求により、又は職権をもつて、いつでも、これを取り消すことができる。
2.前号の措置の継続中、勾留状が発せられたときは、その措置は、これによつて、その効力を失う。
3.第1号の措置は、その少年が満20歳に達した後も、引き続きその効力を有する。
4.第17条第1項第2号の措置は、これを裁判官のした勾留とみなし、その期間は、検察官が事件の送致を受けた日から、これを起算する。この場合において、その事件が先に勾留状の発せられた事件であるときは、この期間は、これを延長することができない。
5.検察官は、家庭裁判所から送致を受けた事件について、公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑があると思料するときは、公訴を提起しなければならない。但し、送致を受けた事件の一部について公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑がないか、又は犯罪の情状等に影響を及ぼすべき新たな事情を発見したため、訴追を相当でないと思料するときは、この限りでない。送致後の情況により訴追を相当でないと思料するときも、同様である。
6.少年又は保護者が選任した弁護士である付添人は、これを弁護人とみなす。

第45条の2 前条第1号から第4号までの規定は、家庭裁判所が、第19条第2項又は第23条第3項の規定により、事件を検察官に送致した場合に準用する。

(保護処分の効力)
第46条 罪を犯した少年に対して第24条第1項の保護処分等がなされたときは、審判を経た事件について、刑事訴追をし、又は家庭裁判所の審判に付することができない。
2 第22条の2第1項の決定がされた場合において、同項の決定があつた事件につき、審判に付すべき事由の存在が認められないこと又は保護処分に付する必要がないことを理由とした保護処分に付さない旨の決定が確定したときは、その事件についても、前項と同様とする。
3 第1項の規定は、第27条の2第1項の規定による保護処分の取消しの決定が確定した事件については、適用しない。ただし、当該事件につき同条第6項の規定によりその例によることとされる第22条の2第1項の決定がされた場合であつて、その取消しの理由が審判に付すべき事由の存在が認められないことであるときは、この限りでない。

(時効の停止)
第47条 第8条第1項前段の場合においては第21条の決定があつてから、第8条第1項後段の場合においては送致を受けてから、保護処分の決定が確定するまで、公訴の時効は、その進行を停止する。
2 前項の規定は、第21条の決定又は送致の後、本人が満20歳に達した事件についても、これを適用する。

(勾留)
第48条 勾留状は、やむを得ない場合でなければ、少年に対して、これを発することはできない。
2 少年を勾留する場合には、少年鑑別所にこれを拘禁することができる。
3 本人が満20歳に達した後でも、引き続き前項の規定によることができる。

(取扱の分離)
第49条 少年の被疑者又は被告人は、他の被疑者又は被告人と分離して、なるべく、その接触を避けなければならない。
2 少年に対する被告事件は、他の被告事件と関連する場合にも、審理に妨げない限り、その手続を分離しなければならない。
3 拘置監においては、少年を成人と分離して収容しなければならない。

(審理の方針)
第50条 少年に対する刑事事件の審理は、第9条の趣旨に従つて、これを行わなければならない。


第4章第3節 処 分

(死刑と無期刑の緩和)
第51条 罪を犯すとき18歳に満たない者に対しては、死刑をもつて処断すべきときは、無期刑を科する。
2 罪を犯すとき18歳に満たない者に対しては、無期刑をもつて処断すべきときであつても、有期の懲役又は禁錮を科することができる。この場合において、その刑は、10年以上15年以下において言い渡す。

(不定期刑)
第52条 少年に対して長期3年以上の有期の懲役又は禁錮をもつて処断すべきときは、その刑の範囲内において、長期と短期を定めてこれを言い渡す。但し、短期が5年を越える刑をもつて処断すべきときは、短期を5年に短縮する。
2 前項の規定によつて言い渡すべき刑については、短期は5年、長期は10年を越えることはできない。
3 刑の執行猶予の言渡をする場合には、前2項の規定は、これを適用しない。

(少年鑑別所収容中の日数)
第53条 第17条第1項第2号の措置がとられた場合においては、少年鑑別所に収容中の日数は、これを未決勾留の日数とみなす。

(換刑処分の禁止)
第54条 少年に対しては、労役場留置の言渡をしない。

(家庭裁判所への移送)
第55条 裁判所は、事実審理の結果、少年の被告人を保護処分に付するのか相当であると認めるときは、決定をもつて、事件を家庭裁判所に移送しなければならない。

(懲役又は禁錮の執行)
第56条 懲役又は禁錮の言渡しを受けた少年(第3項の規定により少年院において刑の執行を受ける者を除く。)に対しては、特に設けた監獄又は監獄内の特に分界を設けた場所において、その刑を執行する。
2 本人が満20歳に達した後でも、満26歳に達するまでは、前項の規定による執行を継続することができる。
3 懲役又は禁錮の言渡しを受けた16歳に満たない少年に対しては、刑法第12条第2項又は第13条第2項の規定にかかわらず、16歳に達するまでの間、少年院において、その刑を執行することができる。この場合において、その少年には、矯正教育を授ける。

(刑の執行と保護処分)
第57条 保護処分の継続中、懲役、禁錮又は拘留の刑が確定したときは、先に刑を執行する。懲役、禁錮又は拘留の刑が確定してその執行前保護処分がなされたときも、同様である。

(仮出獄)
第58条 少年のとき懲役又は禁錮の言渡しを受けた者には、次の期間を経過した後、仮出獄を許すことができる。
1.無期刑については7年
2.第51条第2項の規定により言い渡した有期の刑については3年
3.第52条第1項及び第2項の規定により言い渡した刑については、その刑の短期の3分の1
2 第51条第1項の規定により無期刑の言渡しを受けた者については、前項第1号の規定は適用しない。

(仮出獄期間の終了)
第59条 少年のとき無期刑の言渡を受けた者が、仮出獄を許された後、その処分を取り消されないで10年を経過したときは、刑の執行を受け終つたものとする。
2 少年のとき第51条第2項又は第52条第1項及び第2項の規定により有期の刑の言渡しを受けた者が、仮出獄を許された後、その処分を取り消されないで仮出獄前に刑の執行を受けた期間と同一の期間又は第51条第2項の刑期若しくは第52条第1項及び第2項の長期を経過したときは、そのいずれか早い時期において、刑の執行を受け終わつたものとする。

(人の資格に関する法令の適用)
第60条 少年のとき犯した罪により刑に処せられてその執行を受け終り、又は執行の免除を受けた者は、人の資格に関する法令の適用については、将来に向つて刑の言渡を受けなかつたものとみなす。
2 少年のとき犯した罪について刑に処せられた者で刑の執行猶予の言渡を受けた者は、その猶予期間中、刑の執行を受け終つたものとみなして、前項の規定を適用する。
3 前項の場合において、刑の執行猶予の言渡を取り消されたときは、人の資格に関する法令の適用については、その取り消されたとき、刑の言渡があつたものとみなす。

第5章 雑 則

(記事等の掲載の禁止)
第61条 家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であること推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。