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殺人事件での量刑について

死刑がやむを得ない場合 罪による量刑の違い 被害者と加害者の関係による刑の軽重
被害死者数が刑罰に及ぼす影響 複数の被害死者で量刑が無期刑以下の場合 殺人罪で被害死者が複数の場合の判決例

被害者と加害者の関係による刑の軽重




2005年6月7日から2010年1月25日までのデータ (No.001〜1000)でのグラフです。

 親子、兄弟など親族間の場合は、懲役3年を超え、20年未満の判決になっている事例が多くありますが、死刑も執行猶予付もあります。

2005年6月7日から2010年1月25日までのデータ (No.001〜1000)でのグラフです。


2005年6月7日から2010年1月25日までのデータ (No.001〜1000)でのグラフです。

 親族間で死刑になった場合の9例を挙げると、以下のようになります。

No. 被害者 加害者 刑罰 求刑 死者数 罪名 裁判所 日付
896 義姉、義姉の孫 控訴棄却 死刑 3 殺人、死体遺棄などの罪 高松高裁 2009/10/14
780 叔母・他6名   死刑 求刑死刑 7 殺人などの罪 神戸地裁 2009/05/29
722 義姉、義姉の孫 死刑 求刑死刑 3 殺人、死体遺棄などの罪 高松地裁 2009/03/16
620 男性・ 死刑 求刑死刑 2 強盗殺人などの罪 盛岡地裁 2008/10/08
525 大叔父・叔母 控訴取下 死刑 2 強盗殺人などの罪 大阪高裁 2008/04/08
524 上告取下 死刑 1 殺人罪 (無期懲役仮出所中の犯行) 最高裁 2008/03/17
505 大叔父・叔母 死刑 求刑死刑 2 強盗殺人などの罪 京都地裁 2008/03/17
410 養父・養母・長男 上告棄却 死刑 3 殺人などの罪 最高裁第1小法廷 2007/11/15
298 嫁・孫 義父 一審破棄 死刑 一審無期 2 殺人、現住建造物放火の罪 大阪高裁 2006/12/15

 524の兄弟間の場合は、無期懲役仮出所中の犯行ですので省くとして、それ以外は、義姉、叔母、大叔父、義父、養母など、義理で繋がっていて実際に血縁関係に無い場合や、血縁関係があっても、とても薄い場合など、他人に近い関係になっている場合に死刑が選択されているのが分かると思います。

2005年6月7日から2010年1月25日までのデータ (No.001〜1000)でのグラフです。

 親族間の場合に3年を超え、20年未満に多くの事例が固まっていたのに対して、こちらは、懲役10年以上20年未満に多くの事例があります。夫婦、恋人等、交際関係にあった仲と言っても、血縁関係にあるわけではなく、元々は他人同士です。公共性が高くなりますので、親族間に比べると、罰は重くなります。

No. 被害者 加害者 刑罰 求刑 死者数 罪名 裁判所 日付
513 同僚 控訴棄却 死刑 2 殺人、死体損壊・遺棄罪 東京高裁 2008/03/25
343 同僚 死刑 求刑死刑 2 殺人、死体遺棄などの罪 静岡地裁 2007/02/26
340 交際相手2人 死刑 求刑死刑 2 殺人、死体損壊、死体遺棄罪 岐阜地裁 2007/02/23
287 元内縁の妻男性 上告棄却 死刑 2 殺人、強盗殺人などの罪 最高裁第2小法廷 2006/11/24
258 妻ら2人 上告棄却 死刑 2 殺人などの罪 最高裁第1小法廷 2006/10/12
185 交際相手の女性 上告棄却 死刑 2 殺人などの罪 最高裁第3小法廷 2006/06/13

 死刑になった事例には、妻や夫以外に同僚、男性、女性などと、他人が含まれています。誰もが被害に遭う可能性が高くなりますので、「死刑がやむを得ない」となります。

 妻や交際相手が殺され、複数の被害死者が出て死刑以外の判決になった事例を抜粋すると以下のようになります。

No. 被害者 加害者 刑罰 求刑 死者数 罪名 裁判所 日付
965 妻・長男
長男の妻・孫
無期懲役 求刑無期 4 殺人などの罪 千葉地裁 2009/12/16
918 長男・ 上告棄却 懲役7年   2 殺人、承諾殺人罪 最高裁第2小法廷 2009/11/05
782 父・母・妻   懲役25年 求刑懲役30年 3 殺人、殺人未遂罪 東京地裁 2009/06/04
679 妻・義母 上告棄却 無期懲役 2 殺人罪 最高裁第2小法廷 2009/01/14
594 妻・次女 無期懲役 求刑無期 2 殺人、放火などの罪 仙台地裁 2008/08/07
482 交際相手・長女 控訴棄却 無期懲役 2 殺人罪 仙台高裁 2008/02/26
329 息子 懲役20年 求刑懲役25年 2 殺人罪 旭川地裁 2007/02/05
288 長男 懲役25年 求刑無期 2 殺人罪 釧路地裁 2006/11/27
262 ら5人 無期懲役 求刑無期 5 殺人、嘱託殺人罪 名古屋地裁 2006/10/16
165 夫ら2人 控訴棄却 懲役17年 2 殺人などの罪 福岡高裁 2006/05/16
37 義母 一審破棄 無期懲役 一審死刑 2 殺人罪 仙台高裁秋田支部 2005/11/29
28 二男 上告棄却 無期懲役 2 殺人、詐欺などの罪 最高裁第1小法廷 2005/10/26
9 元妻交際相手 無期懲役 求刑無期 2 殺人、放火などの罪 さいたま地裁 2005/09/26

 965の場合、長男の嫁と、血縁関係に無い被害者が含まれていますが、被告の年齢が78歳のため、仮に、仮釈放になったとしても、無期懲役ですので30年以上後の話しです。78+30=108 になりますので、まず生きて仮出所はありません。それらの事情も考慮され求刑されていると考えられますので除外します。

 679、37には義母が含まれていますから、公共性が高くなり、求刑死刑で臨み、一審で死刑判決になったと思われますが、罪が殺人罪だけですので、利欲的な犯罪でないなどと「死刑がやむを得ないとは言えない」と死刑を回避したと推測できます。

 それらを除くと、被害死者が複数でも、無期懲役や懲役20年以上の刑罰が重い事例が大部分を占めますが、長男、長女、父母など、血縁関係者の場合が多く、公共性が低くなることで、誰もが被害に遭う可能性が低くなりますので、「死刑がやむを得ない」とは言えず、求刑段階から、死刑を回避しています。

 被害者と加害者の関係が、因果関係が無い(被害者に落ち度が無い)とか、縁が薄い関係で被害死者が複数の場合は、刑罰が重くなるというのが分かると思います。

更新: 2010/03/18



死刑がやむを得ない場合 罪による量刑の違い 被害者と加害者の関係による刑の軽重
被害死者数が刑罰に及ぼす影響 複数の被害死者で量刑が無期刑以下の場合 殺人罪で被害死者が複数の場合の判決例

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