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 勃起機能回復への実験 その1 (4月15日)


 膀胱を全摘しても勃起するための神経の温存が可能な場合、「術後、機能回復して術前のように性生活が送れるようになるには、どれくらいの日数を要するのか?」と・・・ 手術をするにあたって疑問が湧きました。

 調べてみたのですが・・・ 術前に性交渉を普通に出来ていた人が 手術で勃起機能に関する神経を残せた場合(という限定付ですが・・・)、半年~2年という、大雑把な数字しかなく、具体的なことが書いてあるサイトがこれといって見当たりませんでした。

 う~ん。。。

 それらしきデータが 無いようだな。。。 

 言うまでもなく、私が膀胱全摘術を受けるのも、術後いろいろな体験をするのも今回限りです。

 術後、単に「いつか勃起するだろう」と、その時まで待つのは、私の性分に合いません。

 この際だからと、手術と術後 勃起機能を早期回復するために可能なことを試し、どれくらいで機能回復するのか 自分の身体で実験してみることにしました。

 術前に主治医(執刀医)と話した結果、勃起機能が早期回復するように、冷却しながら神経を温存するという手術方法をとってもらいました(冷却しないで温存した場合より回復が早いという実績があるとのことです)。

 さて、無事 手術が終わったので、今度は、いつ機能が回復するのかを自分で試していきました。

 バルーンが入っている状態では、さすがに試すことは出来ませんでしたが、カテーテルが海綿体を刺激するせいなのか、ふいに(実際には勃起していませんが)勃起しようとするような感覚がありました。

 バルーンを抜いた当日は感覚が麻痺していて尿漏れがありましたし、翌日は排尿を安定させるのが優先課題で、カテーテルが入っていた際の痛みが残っていたので実験どころではありませんでした。

 なので、バルーンを抜き、排尿が安定し、痛みも減ってきた2日後(4月15日)の夜に、精神を集中し、想像力を働かせて実験してみました。

 結果・・・ 立ちました。

 ただし、立つには立ったのですが、海綿体が膨張しない状態で、そのままの大きさで固くなりました。

 ん? なんだこりゃ? と 思っていると・・・ 海綿体が膨張しようとしだしたのですが・・・

 膨張しようとした瞬間、バルーンの管によって出来た擦過傷の部分に激痛が走り・・・ 萎えました。

 痛みが走った所を確認してみると、確かに2箇所に傷があったので、ああここが原因かと、薬を塗ったのですが・・・

 それ以外にも、本来なら柔らかいはずの海綿体が、奥の部分の方で通常時の大きさのままで固くなっていました。

 柔らかいのだから膨張して固くなるのだし、最初から固ければ膨張しようもないですから・・・^^;; まず、海綿体を柔らかくするためのリハビリが必要になりました。ただし、繋がっているとは言え、外に出ている部分とは違い、中に潜っている部分ですので、簡単にはリハビリ出来ません。

 右側の神経を温存していますが、膀胱全摘の際に、精嚢、前立腺、精管と一緒に(癌細胞がまとわりついていた)左側の神経も切除しています。これまでの脳からの指令系統は確実に崩れていますので、指令系統の再構築、神経修復しなければなりませんが、神経修復は私の治癒能力次第ですし、時間を要します。

 ですが、海綿体の血流を良くするのは薬でも可能です。とりあえず、海綿体の血流を良くするために、退院時にバイアグラ25mgを3錠リハビリ用(頓用)として処方してもらいました。
更新日時:
2009年05月15日



 膀胱全摘後の定期検診など (日程、医療費など)




検診 (2009年4月17日退院)
日付 分類 摘要 医療費
保険 自己負担
2009年 4/28 K病院 泌尿器 外来 尿検査
診察
1,000 300 48,430
5/12 K病院 泌尿器 外来 尿検査
血液検査
残尿検査
診察
7,730 2,320
5/26 K病院 泌尿器 外来※ 尿検査
造影CT検査(上下腹部)
X線単純(KUB)
血液検査
診察
40,310 12,090
6/3 K病院 泌尿器 外来※ 尿検査
血液検査
診察
7,430 2,230
7/1 K病院 泌尿器 外来 尿検査
尿流量検査
残尿検査
診察
4,390 1,370
8/4 K病院 泌尿器 外来 尿検査
血液検査
造影CT検査(上下腹部)
X線胸部単純
X線腹部単純(KUB)
診察
47,790 14,340
9/9 K病院 泌尿器 外来 尿検査
診察
 1,840 600
11/10 N医院 内科 外来 診察 2,700 810
11/11 K病院 泌尿器 外来 尿検査
血液検査
造影CT検査(上下腹部)
X線胸部単純
X線腹部単純(KUB)
診察
47,890 14,370
2010年 1/20 K病院 泌尿器 外来 尿検査
残尿検査
診察
2,340  710 47,790
3/31 K病院 泌尿器 外来 尿検査
血液検査
造影CT検査(上下腹部)
X線胸部単純
X線腹部単純(KUB)
骨シンチ
診察
 105,810  31,740
6/30 K病院 泌尿器 外来 尿検査
尿流量検査
残尿検査
診察
4,340 1,300
9/29 K病院 泌尿器 外来 尿検査
血液検査
造影CT検査(上下腹部)
X線胸部単純
X線腹部単純(KUB)
診察
46,790 14,040
2011年 1/12 K病院 泌尿器 外来 尿検査
残尿検査
膀胱鏡・尿道鏡検査
診察
     
320,360 96,220
外来の※は、定期検診以外の通院です。



処方箋薬
日付 分類 摘要 医療費
保険 保険外 自己負担
2009年 4/17 K病院 泌尿器 院内処方 バイアグラ25mg 3錠 3,300 3,300 40,310
5/7 N医院 内科 処方 漢方薬 7,460 2,240
5/12 K病院 泌尿器 院内処方 バイアグラ50mg 3錠 4,640 4,640
5/26 K病院 泌尿器 院外処方 ミノマイシンカプセル50mg
ボルタレンサポ50mg
2,400 720
7/1 K病院 泌尿器 院内処方 ロキソニン60mg
ムスコタ100mg
400 70
バイアグラ50mg 6錠 8,390 8,390
9/9 K病院 泌尿器 院内処方 ロキソニン60mg
ムスコタ100mg
400 70
バイアグラ50mg 3錠
シアリス20㎎ 3錠
8,870 8,870
11/10 N医院 内科 処方 漢方薬 2,270 680
11/11 K病院 泌尿器 院内処方 ロキソニン60mg
ムスコタ100mg
990 290
バイアグラ50mg 4錠
シアリス20㎎ 4錠
11,040 11,040
2010年 1/20 K病院 泌尿器 院内処方 ロキソニン60mg
ムスコタ100mg
990 290 24,210
シアリス20㎎ 10錠 14,600 14,600
3/31 K病院 泌尿器 院外処方 ロキソニン60mg
ムスコタ100mg
450 450
9/29 K病院 泌尿器 院内処方 バイアグラ50mg 3錠
シアリス20㎎ 3錠
8,870 8,870
15,210 59,710 64,070


更新日時:
2010年10月01日



 勃起機能回復への実験スケジュール


 勃起機能を回復させるためのリハビリをしていったら、勃起機能の大幅な回復があるごとに、他の部分(例えば、排尿、排便、便秘など)も大幅に改善されていっています。

 ですので、個別の項目では、現時点で約1ヶ月前のことを書いていますが、1ヶ月違いでも、回復が早すぎて、現状と書いていることに、かなりギャップが発生してしまっています。

 勃起機能回復への実験についての細かい内容は、これからも順次追加していきますが、先に概略でも分かるようにスケジュールの項目を作りました。

 男性の性器は、心因性でも勃起不能になる場合がありますし、痛みが走っても萎えてしまう場合もあります。

 それくらいデリケートな場所ですが、手術で感覚が薄れている部分を呼び覚ます作業になりますので、リハビリにも細心の注意(心配り)が必要になります(自分の身体なのですが・・・^^;;)。

 ですので、入院中の実験だけは、私自身で感じる所を軽く触って試しましたが、退院後は、彼女に協力してもらってリハビリしています。これは、彼女の協力なしでは成し得ない記録ですので、その点はご留意ください。

日付 経過日数 概略 服用
術後 (B抜管後)
2009年 3/26 膀胱、精嚢、前立腺、精管、左神経、左尿管、左腎臓摘出術

勃起機能を掌る右側神経を帯状で温存、術式に神経冷却法を併用
4/13 18日目 バルーン(膀胱留置カテーテル)抜管
4/15 20日目 (2日目) ※そのままの大きさで立つが、勃起しようとした瞬間に擦過傷の部分に痛みが走り萎える。

※海綿体の奥の部分が、通常の大きさの状態で硬直していた。
4/17 22日目 (4日目) 退院
※勃起しようとしているのは自分でも分かるのだが、まだ血流が良くなく、海綿体の奥の方の硬直した状態は改善されていない。 バイアグラ
25mg
4/28 33日目 (15日目) 定期検診
5/4 39日目 (21日目) ※前回から日にちも経過しているので、神経の修復も進んでいることが推測できる。その影響なのか、半立ち状態になるまで勃起するようになる。 バイアグラ
25mg
5/5 40日目 (22日目) ※半立ち状態になるまで勃起するようになったので、手による補助付でなら挿入が可能になる。

※半立ち状態だったので、挿入した状態で補助なしで7回程動かすことが出来たが、その後萎える。

※腹圧をかけて一気に排尿していたので代用膀胱内に残る残尿は元々少なかったのだが、これ以降、統括筋を自分の意志で動かせるようになったので、腹圧をかけて排尿した後、統括筋を動かし代用膀胱内の残尿を出すようになり、排尿の都度、残尿0mlが可能になる。
バイアグラ
25mg
5/12 47日目 (29日目) 定期検診
5/13 48日目 (30日目) ※海綿体の奥の方が、以前と比べればかなり柔らかくなってきている。

※勃起するが、半立ち状態までであるのは変わらない。
バイアグラ
50mg
5/16 51日目 (33日目) ※血流が改善されてきたせいなのか、海綿体の奥の方も術前と同様な柔らかさに戻る。

※半立ち状態であるのは同じだが、術前とほぼ同じくらいの大きさ(太さ、長さなど)まで勃起するようになる(後は固くなれば、術前と同様になる)。

※愛液が溢れている状態の所で、手で支えながら神経を温存した右側を接触させ、滑らせるような感じで前後に動かしていたら、急に気持ち良くなり、そのままピークまで上り、無射精オーガズムを体感する。
(射精しようにも、精嚢、前立腺、精管がありませんので、絶対に射精しないのを分かっているのですが・・・)オーガズムを感じたので、正直なところ驚きました^^;;

※これまでは、いくら大腸の動きが良くても直腸の動きが鈍かったため、便が直腸で留まりやすく便秘になっていたが、これ以降、直腸に便が留まることなく割とスムーズに排便できるようになる。
バイアグラ
50mg
5/20 55日目 (37日目) ※前回同様、半立ち状態ではあるが、術前とほぼ同じくらいの大きさ(太さ、長さなど)まで勃起する。

※無射精オーガズムを体感。前回体感したので、いきそうになる前から、いった後を観察していたが、いく前よりも、いった後の方が大きくなっていた。無射精なので、連続でもオーガズムを体感可能だと思うが、まだ神経の修復が完全でないので、いけることが確認できたことで良しとする。
バイアグラ
50mg


更新日時:
2009年05月29日



 膀胱全摘術後の便秘について


 代用膀胱に小腸(回腸)を使っているため、小腸、大腸などの消化器系も切った所が繋がるまで機能低下していますが、繋がってからは、徐々に動き出し、食事をしたり、運動をしたりすることで、また元のような動きに戻って臓器は安定していきます。

 代用膀胱造設術を選択した場合は、消化器系にもこういうことがあり、腸閉塞になりやすいという可能性がありましたので、その可能性を否定するために、術後2日目で、まだ患部がかなり痛いのにも関わらず歩行し始めました。

 ※ 術後2日目から歩行し始め、その後も毎日よく動いている。

 ※ 食事が再開してからも、好き嫌いを言わず、出てきた分は残らず完食している(病院の食事はバランスを考えて作ってあるから身体のためには良いから)。

 ※ 身体の抵抗力を高めるために、漢方を服用している。

 ※ 小腸も大腸もよく動いている(聴診器を当てると音で分かります)。

 という状況でしたが、それでも便秘になっていたのです。

 何故かと言うと・・・

 小腸、大腸が活発に動いていても、肛門手前の直腸の動きが鈍かったのです。

 直腸の動きが鈍いために、便が直腸まできても、そこで留まってしまい、摂取量が多いので、すぐに便が繋がり、どんどん水分が吸収され固くなっていくので、肛門手前で蓋のようになってしまっていたのです。

 その状況を打開するために下剤を服用するのですが、それだけ固くて長くなった便を排出するのには、少々の下剤では効きません。3回くらい服用して初めて排便できました。

 ただ、元々腸は活発に動いていますから、それだけ下剤を服用すると、当分の間は、下痢になります。

 便が直腸に留まりだすと、便意を感じるようになりますし、肛門のすぐ手前まできているのが分かるくらいなのですが、排便するためにトイレに行ってどれだけ力んでも出ません。

 代用膀胱にしてからは、排尿も排便と同様に腹圧をかけてするようになりましたので、蓄尿量が少なくても、排尿する結果になり、記録上では頻尿になります。

 そして、直腸に溜まった便が多くなると、直腸が代用膀胱を圧迫しだし、代用膀胱の容積が減り、蓄尿可能量が少なくなりますので、排尿回数は増えます。

 直腸の動きが鈍いばかりに、入院中も退院後も便秘になり、便意に振り回されるという状況になっていました。


 ところが、勃起機能を回復させるためのリハビリをしていて、無射精オーガズムを体感してから、突然直腸の動きも良くなり、便秘が改善されました。

 海綿体も直腸も温存した神経も体内では同じような場所にありますから・・・ もしかしたら、直腸も海綿体と同様に半休眠状態だったのかも知れないですね^^;;
更新日時:
2009年05月18日



 痛みについて


 痛みというのは、同じ痛みであっても、人によって感じ方が違います。

 客観的に見て、確実に痛いはずの時でも、全然気にしなくて平気な人もいれば、逆に、それよりもかなり痛みの度合いが小さくても、気にする人もいます。

 ちなみに、私は、どちらかと言うと、前者の方になるのですが、やせ我慢をしているわけでもありませんし、決して痛くないわけではありません。私でも痛い時は痛いですw

 今回の場合で言うと、術後2日目に歩行しだした時に、言葉で言い表せないくらいの激痛を味わいました。膀胱用と腎臓用で、それぞれ10cmくらい切開されていますし、ドレーンで3箇所は穴が開いていたのに、起き上がって歩行しだしたのですから、痛くないわけがありません。

 私がしたような手術の患者の術後を、これまでに数多く見てきている看護師から、「いかに○○さんでも、2日目午前(術後約30時間)からの歩行は、絶対に無理ですって」と、言われたのですが・・・

 2日目で医師の許可が出た後なら、いつからでも歩行すると、術前から自分で決めた予定でしたので、「歩き出せば、腸閉塞が予防できるし、なにより治癒力を高めることも出来る」と自分に言い聞かせ、痛くても歯を食いしばって起き上がり、歩き始めました。

 ナースステーションに居た医師、看護師が、リカバリ室から、歩いて出てきた私を見て、驚いて立ち上がり廊下に出てきたくらいですから、いかに無茶なことをしたのか想像できると思いますw(ただし、歩行許可が出ているので何の問題もありません)

 手術後の痛みに関しては、一事が万事そんな調子で、「今日は術後○日経過しているから、手術痕や治療痕でこの程度の痛みなら許容範囲内だな」と考え、気にしないのです。なにしろ手術での傷は、日にち薬で時間の経過と共に、いずれ治癒して痛みも治まっていきますから、気にしても仕方ありません。

 ですので、回診時の医師との会話でも・・・

 医師:「どうですか?」

 私:「こんなもんだと思います」

 で、終わってしまいます^^;;

 そして、痛みというのは、身体のメカニズム上、気にすればするほど痛く感じてしまう面を持っていますので、痛みを気にする人の場合は、痛みを増幅させてしまうことがあります。

 ですので、客観的に見て、そんなに痛いはずが無い場合にでも、大袈裟に痛がっている人がいますが、決して大袈裟ではなく、その人にしてみれば、実際にそれくらいの痛さに感じている場合もあります。

 そして、もう一点。

 私は、癌について書いています。

 癌に罹患されたことがある方なら分かると思いますが、癌に罹患すると、「この痛みは癌に関係があるのじゃないか?」、「癌が転移したのじゃないか?」などと、ついつい痛みを癌に結び付けて考えてしまうようになってしまう場合があります。

 痛みに関することに、私があまり触れないのは、同じ度合いの痛さであっても、実際にそうなった場合に、人によって大きく違いが出てしまうので、表現の仕方によっては、誤解を招きやすいという一面を持っています。

 そして、痛みを強調することで、読まれた方に余計な不安を持たせてしまう可能性もありますので、この闘病記では痛みに関することにあまり触れていません。
更新日時:
2009年05月18日


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