事件概要

2006年4月〜2012年9月、20人以上の女性は、「組織からお前に復讐を依頼されている。組織の人間と関係を持ち、金を払えば助ける」などと脅迫され、繰り返し、ホテルなどに呼び出され性的暴行を受け、現金を奪われた。 　2012年6月、被害に遭った女性が、大阪府警曽根崎署に被害を相談し、事件が発覚した。 　大阪府警曽根崎署は、暴力団員を装い女性を脅し、むりやり性的関係を持ったうえ、現金を奪ったとして、強盗強姦などの容疑で会社員を逮捕。その後の捜査の結果、27人の被害女性を確認した。 　2014年3月までに、大阪地検は、告訴を受けた20人に対する146回の強盗強姦、強姦罪で元会社員の49歳男を大阪地裁に起訴した。

更新日時： 2014年3月18日

時系列

日付 摘要 1998年頃 銀行員の男は、暴力団員を装って「言うことを聞かないと家族がめちゃくちゃになるぞ」などと若い女性を脅し、ホテルに連れ込んで乱暴することを繰り返す 1998年12月 被害にあった女子高生が再び呼び出されたため家族に相談。家族に勧められて警察に通報 1999年1月 愛知県警捜査一課と江南署は、銀行員の男を強姦、強盗容疑で逮捕 容疑者は、大阪府を地盤にする地方銀行に勤務していたが、逮捕後退職 1999年2月 以降 名古屋地検一宮支部は強姦罪で名古屋地裁一宮支部に起訴 愛知県警捜査一課と江南署は、銀行員の34歳男を強姦、強盗容疑で再逮捕 （確認できただけでも30件余の被害） 1999年6月 名古屋地検一宮支部は強姦などの罪で名古屋地裁一宮支部に追起訴 1999年10月 名古屋地裁一宮支部は、元銀行員の被告に対して懲役8年を言い渡し 1999年11月 判決確定後、元銀行員の男が服役　（満期2007年10月頃） 2006年4月 〜12年9月 会社員の男は、10〜20代の女性計20人の勤務先に「あなたは暴力団に狙われているが俺が助けてやる」と電話して大阪府内のホテルなどに呼び出し、乱暴。現金を奪う 2012年6月 大阪府警曽根崎署に被害に遭った20代女性が初めて被害を相談 2012年9月 以降 大阪府警曽根崎署は、会社員の男を強盗強姦などの容疑で逮捕、送検 大阪地検は、計20人に対する146件の強盗強姦、強姦罪で元会社員の男を大阪地裁に起訴 2014年3月 3日、大阪府警曽根崎署は、元会社員の49歳男の強盗強姦事件の捜査を終了と発表

1998年〜99年の時系列については、容疑者名を入れて検索しているうちに判明しました。1999年2月に34歳で15年後の2014年3月に49歳。1999年当時は名古屋地裁一宮支部ですが、当時の勤務先が大阪府を地盤にする地方銀行で、今回は大阪地裁。犯行手口も暴力団を装うという同様な手口です。同姓同名の別人ではなく、同一人物になると推測できましたので時系列に加えました。 　本件は満期の約1年半前の2006年4月頃から始まっていますが、2006年当時でしたら無期懲役でも約25年で仮釈放されていましたから、懲役8年に対して3分の2以上受刑の6年を超えていれば、当時、本件の被告が仮釈放されていたとしても不思議はありません。

更新日時： 2014年3月18日

参考法規

刑法 （強盗強姦及び同致死） 第二百四十一条 　強盗が女子を強姦したときは、無期又は七年以上の懲役に処する。よって女子を死亡させたときは、死刑又は無期懲役に処する。 （強姦） 第百七十七条 　暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。 （親告罪） 第百八十条 　第百七十六条から第百七十八条までの罪及びこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。 罪 該当法 法定刑 量刑例 強盗強姦罪 刑法第241条 無期、7年以上の懲役 強盗強姦罪の場合 強姦罪 刑法第177条 3年以上の有期懲役

更新日時： 2014年3月18日

被害死者がいなくても罪責が重ければ無期懲役に

性犯罪は、一度だけでなく、捕まるまで犯罪を繰り返す場合が多いため、発覚が遅れることで被害者が多くなっていることも多くあります。また、法定刑が重い罪も多くあるため、被害者が多いと、被害死者がいなくても懲役刑では一番重い無期懲役刑が選択されることもあります。 　以下は、2005年以降、私が把握して性犯罪のコンテンツに挙げた被害死者がゼロで無期懲役が選択された裁判例です。 No. 判決 求刑 死者 罪名 裁判所 日付 1278 上告棄却 無期懲役 　 0 強盗強姦、強姦未遂などの罪 最高裁第1小法廷 2013/03/01 1170 裁判員 無期懲役 求刑無期懲役 0 強盗強姦、強姦未遂などの罪 大阪地裁 2012/08/10 1134 裁判員 無期懲役 求刑無期懲役 0 強盗強姦などの罪 岐阜地裁 2012/06/12 919 控訴棄却 無期懲役 　 0 強盗強姦などの罪 札幌高裁 2011/05/17 904 裁判員 無期懲役 求刑無期懲役 0 強盗強姦、わいせつ目的略取などの罪 大阪地裁堺支部 2011/03/24 811 裁判員 無期懲役 求刑無期懲役 0 強盗強姦、同未遂などの罪 旭川地裁 2010/11/19 748 控訴棄却 無期懲役 　 0 集団強姦致傷などの罪 広島高裁 2010/08/30 640 裁判員 無期懲役 求刑無期懲役 0 集団強姦致傷などの罪 東京地裁立川支部 2010/03/18 491 　 無期懲役 求刑無期懲役 0 強盗強姦、強姦致傷、強姦未遂などの罪 高知地裁 2009/03/25 483 　 無期懲役 求刑無期懲役 0 強盗強姦などの罪 名古屋地裁 2009/03/05 385 　 無期懲役 求刑無期懲役 0 強盗強姦、わいせつ目的略取などの罪 名古屋地裁 2008/06/24 363 　 無期懲役 求刑無期懲役 0 強盗強姦などの罪 神戸地裁 2008/04/22 360 　 無期懲役 求刑無期懲役 0 強姦致傷などの罪 大阪地裁 2008/04/16 262 　 無期懲役 求刑無期懲役 0 強姦致傷、現住建造物等放火などの罪 大阪地裁 2007/02/19 255 　 無期懲役 求刑無期懲役 0 強盗強姦などの罪 名古屋地裁 2007/02/05 200 一審破棄 無期懲役 一審懲役30年 0 強姦、強姦致傷などの罪 大阪高裁 2006/10/25 157 控訴棄却 無期懲役 　 0 強盗強姦、強姦などの罪 東京高裁 2006/07/19 122 　 無期懲役 求刑無期懲役 0 強盗強姦などの罪 さいたま地裁 2006/04/20 103 上告棄却 無期懲役 　 0 強盗強姦などの罪 最高裁第2小法廷 2006/03/15 84 　 無期懲役 求刑無期懲役 0 強盗強姦などの罪 東京地裁 2006/02/06 63 　 無期懲役 求刑無期懲役 0 強盗強姦、強盗致傷の罪 大阪地裁 2005/12/20 42 　 無期懲役 求刑無期懲役 0 強盗強姦などの罪 東京地裁 2005/11/14 19 　 無期懲役 求刑無期懲役 0 強姦致傷、わいせつ目的略取などの罪 新潟地裁 2005/09/27 12 控訴棄却 無期懲役 　 0 強盗強姦、わいせつ略取などの罪 名古屋高裁 2005/09/12 9 　 無期懲役 求刑無期懲役 0 強盗強姦罪 大阪地裁 2005/09/05 8 　 2被告 無期懲役 2被告 求刑無期懲役 0 強盗強姦、監禁致傷などの罪 さいたま地裁川越支部 2005/08/31 7 控訴取下 無期懲役 　 0 強盗強姦、強盗致傷の罪 東京高裁 2005/08/30 5 控訴棄却 無期懲役 　 0 強盗強姦、窃盗などの罪 東京高裁 2005/08/09 ※　無期懲役刑判決の場合｜無期懲役仮釈放者の平均在所年数

更新日時： 2014年3月18日

公判関係

第一審　大阪地裁（登石郁朗裁判長）　裁判員裁判 事件番号：　　　　　　　　　　｜傍聴券交付情報：大阪地方裁判所

日付 摘要 2014 11/13 論告求刑公判 （論告求刑、最終弁論）　検察側は「巧妙な手口で強烈な脅迫を加え、自分を救い主だと思わせて女性を服従させようとした卑劣な犯行だ。刑務所の仮釈放からわずか22日で犯行に及んでおり、更生を期待できないうえ、長期間にわたって多数の被害者を出した犯行は同様の事件と比較しても抜きん出て悪質だ」として、無期懲役を求刑 11/27 判決公判 （判決）　大阪地裁（登石郁朗裁判長）は「被害者に暴力団組織から狙われていると信じ込ませ、口外すれば家族や友人が殺されるなどと脅し、指示に従わざるを得ない状況に追い込んだ」と指摘。「被害者が極めて多人数で年少者も対象にしており、悪質性が際立った犯行」として、求刑通り無期懲役を言い渡し

更新日時： 2014年11月27日

被告の判決状況

氏名	罪名	第一審			控訴審		上告審
		求刑	判決	裁判所・日付	判決	裁判所・日付	判決	裁判所・日付
中西康浩	強盗強姦などの罪	求刑無期懲役	無期懲役	大阪地裁 2014/11/27

更新日時： 2014年11月27日

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