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性犯罪が起訴事実に含まれている殺人事件

殺人事件、裁判員裁判、性犯罪のコンテンツで扱っている事件の一覧

熊本3歳女児殺害事件


事件概要

 2011年3月3日夜、熊本市内のスーパーで3歳の女児が1人でトイレに行った後、行方不明に。熊本県警は防犯カメラの映像などから容疑者を特定。男は「スーパーのトイレ個室内で殺害し、リュックサックに入れて運び出した遺体は川に捨てた」と供述。男の供述通り、同市内を流れる坪井川近くの排水路で女児の遺体を発見。4日午後、熊本県警は大学2年の20歳男を死体遺棄容疑で逮捕。同22日、殺人容疑で再逮捕した。

 熊本地検は、熊本簡裁に鑑定留置を請求し、4月6日、簡裁は請求を認めた。期間は3ヶ月間。熊本地検は、熊本簡裁に鑑定留置延長を請求し、6月27日、簡裁は請求を認めた。期間は8月8日まで。

 8月13日、熊本地検は20歳男を殺人、強制わいせつ致死、死体遺棄罪で熊本地裁へ起訴した。
更新日時:
2011年12月02日




事件経過
日付 摘要
2011 03/03 19時半頃、スーパーで家族で買い物中、女児がトイレに行く
19時31分、女児がトイレに入った後、若い男がトイレに入る
19時45分、男だけがトイレから出る
女児が家族の所に戻らず、20時頃、母親が110番通報
20時10分頃、男は坪井川に女児の遺体を遺棄
03/04 熊本県警は防犯カメラの映像などから容疑者を特定。自宅で男に任意同行を求める。「女児を殺害して川に捨てた」と供述。男の供述通り市内の川で女児の遺体を発見
熊本県警は、熊本市兎谷の20歳大学生を死体遺棄容疑で逮捕
22時20分頃、熊本県警は容疑者の自宅を家宅捜索。自転車などを押収
容疑者は「口を片手でふさぎ、片方の手で首を絞めたら女の子が亡くなった。遺体の処理に困って川に捨てた」と供述
03/05 司法解剖の結果、女児の死因は窒息死。目立った外傷は無かった
03/06 県警は、死体遺棄容疑で大学2年生の20歳容疑者を熊本地検へ送検
03/09 午前、県警は遺体遺棄現場で遺留品などを捜索
03/22 熊本県警捜査1課などは、殺人容疑で20歳容疑者を再逮捕
04/06 熊本地検は、熊本簡裁に鑑定留置を請求し、簡裁は請求を認める。期間は3ヶ月間
06/27 熊本地検は、熊本簡裁に鑑定留置延長を請求し、簡裁は請求を認める。期間は8月8日まで
08/13 熊本地検は、20歳の男を殺人と強制わいせつ致死、死体遺棄の罪で起訴
2012 10/17 第一審 初公判
10/23 第一審 論告求刑公判 検察側は被告に対して無期懲役を求刑
10/29 第一審 判決公判 熊本地裁(松尾嘉倫裁判長)は求刑通り無期懲役を言い渡し
11/09 21歳被告は、判決を不服として福岡高裁に控訴
2013 03/01 控訴審 初公判
03/13 控訴審 判決公判 福岡高裁(陶山博生裁判長)は一審判決を支持し、被告側の控訴を棄却
06/25 上告審 最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は被告の上告を棄却決定
更新日時:
2013年6月26日




起訴状況

刑法

(殺人)
第百九十九条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

(強制わいせつ等致死傷)
第百八十一条 第百七十六条若しくは第百七十八条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は三年以上の懲役に処する。

(死体損壊等)
第百九十条 死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。

該当法 法定刑 量刑例
殺人罪 刑法第199条 死刑、無期、5年以上の懲役 主たる罪が殺人罪の場合

性犯罪と殺人などの罪の場合
強制わいせつ致死罪 刑法第181条第1項 無期、3年以上の懲役
死体遺棄罪 刑法第190条 3年以下の懲役

※ 無期懲役仮釈放者の平均在所年数
更新日時:
2011年12月02日




犯行の計画性など
要件 摘要
犯行の計画性 別の店でも女児狙う?防犯カメラに容疑者。男は3時間余りにわたってトイレ周辺などをうろついていた
犯行態様 身障者トイレの中で女児の口を片手でふさぎ、片方の手で首を絞めて窒息死させた
犯行の動機 わいせつ目的。容疑者の自宅の家宅捜索で、少女への強い興味がうかがわれる証拠品を押収
犯行後の情状 死亡した女児をリュックに入れて自転車で運び、遺体を近くの川に遺棄
犯行後の反省 容疑者は取り調べで、事件について「申し訳ありませんでした」と供述
遺族の心情 「犯人は絶対に許せません」
更新日時:
2011年12月02日




公判関係

第一審 熊本地裁(松尾嘉倫裁判長) 裁判員裁判


事件番号:平成23年(わ)第495号|傍聴券交付情報:熊本地方裁判所
日付 摘要
2012 10/17 初公判 (冒頭陳述、罪状認否) 殺人罪について否認。死体遺棄と強制わいせつ致死罪は認める
10/18 第2回公判 (証人尋問) 精神科医は、犯行が一貫していることなどを理由に刑事責任能力があると診断
10/19 第3回公判 (被告人質問) 被告は外で足音が聞こえ「パニックになっていた」と殺意を改めて否認
10/22 第4回公判 (証人尋問、被告人質問) 両親は「犯人には死刑を望んでいる」と語る
10/23 第5回公判 (論告求刑、遺族の意見陳述、最終弁論、被告の最終陳述) 
検察側は「異常で悪質な犯行」などとして無期懲役を求刑
10/29 第6回公判 (判決) 熊本地裁(松尾嘉倫裁判長)は求刑通り無期懲役を言い渡し

控訴審 福岡高裁(陶山博生裁判長)
日付 摘要
2013 03/01 初公判 (冒頭陳述、被告人質問、遺族の意見陳述) 被告は「自分は精神障害があると考えているのに、それが考慮されていない判断だったのが理解できず、控訴した」と述べる
03/13 第2回公判 (判決) 福岡高裁(陶山博生裁判長)は一審判決を支持し、被告の控訴を棄却
裁判長は「小児性愛は基本的に人格の偏りに過ぎず、責任能力に影響を及ぼすものではない」と述べ、弁護側主張を退ける

上告審 最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)
 2013年6月26日、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は25日付で被告の上告を棄却する決定をした。無期懲役とした一、二審判決が確定する。
更新日時:
2013年6月26日




被告の判決状況

被告 罪名 第一審 控訴審 上告審
求刑 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付
山口芳寛 殺人などの罪 求刑無期懲役 無期懲役 熊本地裁
2012/10/29
控訴棄却 福岡高裁
2013/3/13
上告棄却 最高裁第1小法廷
2013/6/25
更新日時:
2013年6月26日



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