性犯罪殺人事件　沖縄・うるま20歳女性殺害事件

事件概要

　2016年4月28日20時頃、沖縄県うるま市で、20歳の会社員、島袋里奈さんが同居していた交際中の男性に LINE で「ウォーキングしてくる」とメッセージを送信した後、行方が分からなくなる。

　翌29日午前2時頃、自宅から1～3キロの埋め立て地周辺で島袋さんのスマートフォンから最後に位置情報が発信される。同日、島袋さんの家族がうるま署に相談した。

　同年5月12日、沖縄県警は島袋さんが事件や事故に巻き込まれた可能性があると判断、島袋さんの顔写真を公開し、情報提供を呼び掛けた。

　同月19日、沖縄県警は元海兵隊で米空軍嘉手納基地勤務の軍属・シンザト・ケネフ・フランクリン容疑者（32）を死体遺棄容疑で逮捕、うるま署に捜査本部を設置した。県警は同容疑で沖縄地検に送検。6月9日、那覇地検はシンザト容疑者（32）を死体遺棄罪で起訴した。

沖縄県国頭郡恩納村安富祖周辺の地図 - Yahoo!地図

　6月9日、沖縄県警は、4月28日ごろ、女性を乱暴しようと考え、うるま市の路上を歩いていた女性の頭を棒で殴り、草むらに連れ込んで首を絞め、刃物で刺すなどして殺害した疑いがあるとして、米軍属シンザト容疑者（32）を殺人と強姦致死容疑で再逮捕、翌10日沖縄県警は同容疑で那覇地検に送検。同30日、那覇地検は、殺人と強姦致死罪でシンザト容疑者（32）を追起訴した。

更新日時：

2016年6月30日

事件経過

日付		摘要
2016	04/28	20時頃、沖縄県うるま市で、20歳の会社員、島袋里奈さんが同居していた交際中の男性に LINE で「ウォーキングしてくる」とメッセージを送信した後、行方が分からなくなる
	04/29	2時頃、自宅から1～3キロの埋め立て地周辺で島袋さんのスマートフォンから最後に位置情報が発信
		20歳女性が乱暴されようとされ、殺害される
		恩納村安富祖の雑木林に20歳女性の遺体が遺棄される
		島袋里奈さんの家族がうるま署に相談
	05/12	沖縄県警は島袋さんが事件や事故に巻き込まれた可能性があると判断、島袋さんの顔写真を公開し、情報提供を呼び掛ける
	05/19	沖縄県警は、4月から行方不明になっていたうるま市の会社員、島袋さんとみられる遺体を発見
		沖縄県警は元海兵隊で米空軍嘉手納基地勤務の軍属・シンザト・ケネフ・フランクリン容疑者（32）を死体遺棄容疑で逮捕
		沖縄県警はうるま署に捜査本部を設置
	06/09	那覇地検は、シンザト容疑者（32）を死体遺棄罪で起訴
	06/09	沖縄県警は、米軍属シンザト容疑者（32）を殺人と強姦致死容疑で再逮捕
	06/10	県警は、シンザト容疑者を殺人と強姦致死容疑で那覇地検に送検
	06/30	那覇地検は、殺人と強姦致死罪でシンザト容疑者（32）を追起訴
	07/04	シンザト被告（32）の弁護人は、反基地感情が高まり公平な裁判ができないとして、那覇地裁ではなく、審理を東京地裁に移すよう求める管轄移転請求書を那覇地裁に提出
	08/01	審理を那覇地裁ではなく東京地裁に移すよう求めた管轄移転請求で、最高裁第2小法廷（小貫芳信裁判長）は、被告側の請求を棄却する決定

更新日時：

2016年8月13日

参考法規

刑法

（殺人）
第百九十九条　人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

（強姦）
第百七十七条　暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。

（強制わいせつ等致死傷）
第百八十一条
２　第百七十七条若しくは第百七十八条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は五年以上の懲役に処する。

（死体損壊等）
第百九十条　死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。

罪	該当法	法定刑	量刑例
殺人罪	刑法第240条	死刑、無期、5年以上の懲役	主たる罪が殺人罪の場合性犯罪と殺人などの罪の場合
強姦致死罪	刑法第181条第2項	無期、5年以上の懲役
死体遺棄罪	刑法第190条	3年以下の懲役

※　無期懲役仮釈放者の平均在所年数

更新日時：

2016年6月23日

公判関係

第一審　那覇地裁（柴田寿宏裁判長）　裁判員裁判

事件番号：平成28年（わ）第214号等｜傍聴券交付情報：那覇地方裁判所

日付		摘要
2017	11/16	初公判	（冒頭陳述、罪状認否）　33歳被告は、「殺すつもりはなかった」と述べ、殺人罪の起訴内容を否認した。強姦致死と死体遺棄の罪は認めた。
	11/17	第2回公判	（被告人質問）　被告は黙秘権を行使して検察・弁護側双方の質問に答えなかった
	11/24	第3回公判	（論告求刑、被告の最終意見陳述、最終弁論）　検察側は「極めて残酷で身勝手な犯行だ」として無期懲役を求刑
	12/1	第4回公判	（判決）　那覇地裁（柴田寿宏裁判長）は被告に対し、ナイフで首を何度も刺し殺意は明らかであるとして、求刑通り無期懲役の判決を言い渡し

控訴審　福岡高裁那覇支部（大久保正道裁判長）

　2018年9月20日、福岡高裁那覇支部（大久保正道裁判長）は、殺人罪の成立を認め、無期懲役判決を言い渡した一審判決を支持、被告側の控訴を棄却。

　被告側は期限までに上告しなかったため、2018年10月5日無期懲役判決が確定した。

更新日時：

2019年3月8日

被告の判決状況

氏名	罪名	第一審			控訴審		上告審
氏名	罪名	求刑	判決	裁判所・日付	判決	裁判所・日付	判決	裁判所・日付
シンザト・ケネフ・フランクリン	殺人	求刑無期	無期懲役	那覇地裁 2017/12/1	控訴棄却	福岡高裁那覇支部 2018/9/20	非上告

更新日時：

2019年3月8日