日付 |
摘要 |
2010 |
11/02 |
初公判 |
(検察・弁護側冒頭陳述)
被告は、「わたしは犯行現場といわれるところに、一度たりとも行ったことはありません。ましてや強盗殺人などは、絶対にやっていません」と述べ、起訴状の内容を否認、無罪を主張。
検察側は、被告が被害者宅に、金属製スコップで窓ガラスを割り侵入したと指摘。割れたガラス片や室内のタンスなどから検出した指紋と、窓の網戸に付着した細胞片のDNA型を調べた結果、被告と一致するものが見つかったと説明。
弁護側は、「現場をよく知る顔見知りが、物取りに見せかけた犯行」と主張。検察側が指摘した指紋やDNA型について「指紋は転写が可能。DNA鑑定型は『ほぼ一致』にとどまり、再鑑定もできない」とし、直接証拠はないと反論。 |
11/04 |
第2回公判 |
(県警鑑識課長ら4人の証人尋問)
鑑識作業4日目の6月27日、封筒から検出した掌紋が、登録された被告の掌紋と一致し、29日の逮捕に至ったと証言 |
11/05 |
期日外 |
(証拠調べとして現場検証を実施)
鹿児島地裁は、裁判官、裁判員、補充裁判員、検察官、弁護人が参加し、被害者宅で現場検証 |
11/08 |
第3回公判 |
(遺体を司法解剖した法医学者ら4人の証人尋問)
解剖医は男性に82ヶ所、妻に63ヶ所の外傷があったと説明 |
11/09 |
第4回公判 |
(県警の鑑定官ら4人の証人尋問)
ガラスが割られ、侵入口とみられる掃き出し窓の傷を鑑定した担当官は「(凶器に使われた)スコップでできたと考えられる」と証言 |
11/10 |
第5回公判 |
(県警科学捜査研究所の技官ら5人の証人尋問)
DNA型の出現頻度について、技官は「約1京5600兆人に1人の確率」とし「被告のものであることはほぼ間違いない」と説明 |
11/11 |
第6回公判 |
(指紋を鑑定した警察官らの証人尋問) |
11/12 |
第7回公判 |
(被告と同居していた実姉、県警鑑識捜査員ら5人の証人尋問)
6月15日の午前10時ごろから同19日夕まで「弟を見ていない」。「19日午前4時から5時ごろ、トイレの鍵の音がカチャカチャしたので帰ってきていると思った」と証言。(犯行時間帯:18日午後7〜9時頃)
裁判長は「審理時間の延長が続いている。裁判官3人は構わないが、裁判員は閉廷後に審理を振り返れないほど疲労がたまっている」と述べ、論点を整理した尋問を求めた。 |
11/15 |
第8回公判 |
(被告のいとこや目撃者ら4人の証人尋問)
検察側は尋問で、被告が事件前夜、現場に近いいとこ宅周辺に車で行ったという供述内容を明らかに。 |
11/16 |
第9回公判 |
(被告人質問)
弁護側の質問に対し、被告は、検察側が犯行時間と特定した6月18日午後7〜9時は、「駐車場に止めた自分の車で仮眠していた」と答えた。
NHKのニュース映像を無断で証拠として提出し、地裁は採用した。 |
11/17 |
第10回公判 |
(検察側:被害者遺族の意見陳述、論告求刑 弁護側:最終弁論、被告人の最終陳述)
遺族の意見陳述で、夫妻の長女らが出廷。長女は「両親が味わった悲痛な思いをいやというほど味わってほしい。極刑で罪を償ってほしい」と訴えた。
検察側は「被告が犯人であるのは明らか。考慮する事情はない」として、死刑を求刑。 |
12/10 |
第11回公判 |
(判決) 検察側の主張を完全に否定し、無罪判決を言い渡し
裁判長は「今回の状況証拠によって被告を犯人と認定することは許されない。必要な捜査が行われたのか疑問が残り、検察官の主張を認めることはできない」と述べた。 |