裁判員裁判 まさかりの部屋
性教育のすすめ 殺人事件 性犯罪 裁判員裁判
裁判員裁判対象の罪 裁判員裁判・判決例 裁判員裁判に関して 検察求刑死刑の可能性
検察求刑で死刑の可能性が高い事件 死刑判決の事件 求刑死刑で無期判決以下の事件 ストーカー殺人事件

死刑判決の事件

殺人事件、裁判員裁判、性犯罪のコンテンツで扱っている事件の一覧

鳥取連続不審死事件


事件概要

 2009年4月、10月に鳥取県内で相次いで男性3人の変死体が見つかり、いずれの遺体からも睡眠導入剤が検出された。死亡した3人の男性は、同年11月2日に詐欺容疑で逮捕された鳥取市内の元スナックホステスの35歳女と関わりがあり、男性達の死亡の経緯に不自然な点があることが分かった。

 2010年1月28日、鳥取県警は、鳥取市の川で遺体で見つかった57歳男性を借金の返済を免れる目的で殺害したとして、女を強盗殺人容疑で再逮捕。2月18日、強盗殺人罪で追起訴。3月3日、2009年4月に同県北栄町沖の日本海で遺体で見つかった47歳男性を借金の返済を免れる目的で殺害したとして、強盗殺人容疑で再逮捕した。同24日、強盗殺人罪で追起訴した。
更新日時:
2010年11月04日




別の詐欺などの事件について

女(初逮捕時35歳)
時期 被害者 摘要
2006 11月 鳥取市内の女性 息子の借金返済名目で現金を騙し取ることを計画。女が嘘を言って126万円を騙し取ったとして詐欺容疑 1回目の逮捕
2008 6月24日 飲食店経営の女性 午前10時頃女性宅に侵入し、現金約35万円や商品券などを盗んだとして、住居侵入窃盗容疑 5回目の逮捕
2009 8月26日
9月7日
八頭町の金物店 代金を支払う意思や能力がないのに9月末に一括で支払うと嘘をつき、草刈り機など7点計約40万円分を騙し取ったとして詐欺容疑 4回目の逮捕
8月31日
9月17〜22日
自動車販売会社
農機販売会社
後払いすると嘘をつき、軽自動車4台(計130万円相当)、小型耕運機など8台(計約83万円相当)を騙し取ったとして詐欺容疑 8回目の逮捕
10月 鳥取市の電器店 プラズマテレビや洗濯機などの家電製品計9点(計約120万円)を詐取したとして詐欺容疑 2回目の逮捕
10月29日
11月1日
農機具販売店 代金を支払う意思や能力がないのに後払いすると男性経営者に嘘をつき、除雪機2台など計80万円相当を騙し取ったとして詐欺容疑 3回目の逮捕

男(初逮捕時46歳)
時期 被害者 摘要
2008 6月24日 飲食店経営の女性 午前10時頃女性宅に侵入し、現金約35万円や商品券などを盗んだとして、住居侵入窃盗容疑 5回目の逮捕
2009 4月 農機具メーカー トラクター2台など計482万円相当を詐取したとして詐欺容疑 1回目の逮捕
8月26日
9月7日
八頭町の金物店 代金を支払う意思や能力がないのに9月末に一括で支払うと嘘をつき、草刈り機など7点計約40万円分を騙し取ったとして詐欺容疑 4回目の逮捕
8月31日
9月17〜22日
自動車販売会社
農機販売会社
後払いすると嘘をつき、軽自動車4台(計130万円相当)、小型耕運機など8台(計約83万円相当)を騙し取ったとして詐欺容疑 6回目の逮捕
10月 鳥取市の電器店 プラズマテレビや洗濯機などの家電製品計9点(計約120万円)を詐取したとして詐欺容疑 2回目の逮捕
10月29日
11月1日
農機具販売店 代金を支払う意思や能力がないのに後払いすると男性経営者に嘘をつき、除雪機2台など計80万円相当を騙し取ったとして詐欺容疑 3回目の逮捕
更新日時:
2010年11月04日




不自然な経緯で死亡

強盗殺人事件として立件
遺体発見日 死亡男性 遺体発見場所 備考
2009年 4月11日 47歳トラック運転手 鳥取県北栄町沖の日本海 水死(溺死なのに肺に砂が存在)
体内から睡眠導入剤の成分を検出
10月7日 57歳電気工事業 鳥取市内の摩尼川 水死(水深約20cmなのに窒息死)
体内から睡眠導入剤の成分を検出

変死した男性
時期 死亡男性 摘要 警察の判断
2004年5月 41歳新聞記者 (段ボールの中に入った状態で)列車にひかれ死亡 自殺と断定
2007年8月 27歳会社員 泳ぎが苦手だったのに潜ってカキをとろうとして鳥取砂丘近くの海岸でおぼれる
9日後に死亡
捜査は困難
2008年2月 警察官 鳥取市郊外の山中で首をつった状態で見つかる 自殺と断定
2009年10月 58歳無職 被告と同じ鳥取市内のアパートに住んでいて急死。
県警は「肥大型心筋症」による病死と判断。
(遺体から睡眠導入剤が検出されたが、死亡との関連は不明)
立件を断念
更新日時:
2010年11月04日




起訴状況

刑法

(強盗致死傷)
第二百四十条  強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

(詐欺)
第二百四十六条  人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2  前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

(窃盗)
第二百三十五条  他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(住居侵入等)
第百三十条  正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

罪名 該当法 法定刑 量刑例
強盗殺人罪 刑法第240条 死刑、無期懲役 強盗殺人罪の場合
詐欺罪 刑法第246条 10年以下の懲役
窃盗罪 刑法第235条 10年以下の懲役、50万円以下の罰金
住居侵入罪 刑法第130条 3年以下の懲役、10万円以下の罰金

※ 求刑死刑に対しての判決例死刑がやむを得ない場合死刑執行方法
更新日時:
2010年11月04日




時系列
日付 摘要
2009 11/02 鳥取県警が35歳女と46歳男を別々の詐欺容疑で逮捕
11/04 鳥取県警が詐欺容疑で女と男の自宅を家宅捜索
11/20 鳥取地検が35歳女と46歳男をそれぞれ別々の詐欺罪で鳥取地裁へ起訴
鳥取県警が35歳女と46歳男を別の詐欺容疑で再逮捕
12/10 鳥取地検が35歳女と46歳男を別の詐欺罪で鳥取地裁へ追起訴
鳥取県警が35歳女と46歳男を別の詐欺容疑で再逮捕(3回目)
12/25 鳥取地検が36歳女と46歳男を別の詐欺罪で鳥取地裁へ追起訴
鳥取県警が36歳女と46歳男を別の詐欺容疑で再逮捕(4回目)
2010 01/13 鳥取地検が36歳女と46歳男を別の詐欺罪で鳥取地裁へ追起訴
鳥取県警が36歳女と46歳男を窃盗などの容疑で再逮捕(5回目)
01/28 鳥取地検が36歳女と46歳男を窃盗などの罪で鳥取地裁へ追起訴
鳥取市の川で遺体で見つかった57歳男性を借金の返済を免れる目的で殺害したとして、鳥取県警が36歳女を強盗殺人容疑で再逮捕(6回目)鳥取県警は鳥取署に捜査本部を設置
01/29 鳥取県警が36歳女を強盗殺人容疑で鳥取地検に送検
02/08 鳥取署捜査本部は、強盗殺人容疑で36歳女のアパートを家宅捜索
02/09
02/14 鳥取署捜査本部は、同県北栄町の海岸などを約70人で捜索。
02/16 鳥取署捜査本部は、強盗殺人容疑で36歳女のアパートを家宅捜索
02/18 57歳男性を殺害したとして、鳥取地検が36歳女を強盗殺人罪で鳥取地裁へ追起訴
03/03 同県北栄町沖で遺体で見つかった47歳男性を借金の返済を免れる目的で殺害したとして、鳥取署捜査本部が36歳女を強盗殺人容疑で再逮捕(7回目)
03/05 鳥取署捜査本部は、36歳女を強盗殺人容疑で鳥取地検に送検
03/24 47歳男性を殺害したとして、鳥取地検が36歳女を強盗殺人罪で鳥取地裁へ追起訴
04/12 鳥取県警捜査1課は、36歳女と46歳男を別の詐欺容疑で再逮捕(女は8回目、男は6回目)
04/30 鳥取地検が36歳女と46歳男を詐欺罪で鳥取地裁へ追起訴
05/10 鳥取署捜査本部は、一連の捜査を終結。捜査本部を解散
2012 09/25 第一審 初公判
11/05 第一審 論告求刑公判 検察側は被告に対して死刑を求刑
12/04 第一審 判決公判 鳥取地裁は求刑通り死刑を言い渡し
38歳被告の弁護側は判決を不服として即日控訴
2013 12/10 控訴審 初公判
2014 03/20 控訴審 判決公判 広島高裁松江支部は一審判決を支持し、40歳被告の控訴を棄却
40歳被告の弁護側は判決を不服として即日上告
2017 06/29 上告審 口頭弁論
07/27 上告審 判決公判 最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は、43歳被告の上告を棄却
更新日時:
2017年7月27日




公判関係

第一審 鳥取地裁 裁判員裁判

公判前整理手続き(大崎良信裁判長から野口卓志裁判長)
日付 摘要
2010 12/24 強盗殺人罪での公判前整理手続き 第1回協議 争点や証拠整理
検察側は証明予定事実の記載書面を提出
弁護側は2件の強盗殺人について無罪を主張。死亡した1人については事件性も争うと主張
2011 04/06 強盗殺人罪での公判前整理手続き 第6回協議 争点整理
04/27 強盗殺人罪での公判前整理手続き 第7回協議 争点整理
弁護側は改めて無罪を主張。死亡した1人について「事件性」そのものを争うという主張を撤回
争点が、被告が犯人かどうかに

公判(野口卓志裁判長)
事件番号:平成22年(わ)第24号等
日付 摘要
2012 09/21 裁判員と補充裁判員5人の選任手続き
09/25 初公判 (冒頭陳述、罪状認否) 被告は強盗殺人罪について「私はやっていません」と無罪を主張
09/27 第2回公判 (証拠調べ) 詐欺などの事件の証拠調べ
09/28 第3回公判 (証拠調べ) 詐欺事件の証拠調べ 2人の役割が浮き彫りに
10/01 第4回公判 (冒頭陳述) 元トラック運転手殺害事件の冒頭陳述
弁護側は、元会社員が1人で元トラック運転手のもとへ向かい殺害したと主張
10/02 第5回公判 (証拠調べ) 元トラック運転手殺害事件の証拠調べ
10/04 第6回公判 (冒頭陳述) 電気店経営者不審死事件の冒頭陳述
弁護側は、元会社員が睡眠導入剤を飲ませ、円山さんを殺害したと主張
10/05 第7回公判 (証拠調べ) 円山さん事件の証拠調べ
10/11 第8回公判 (証人尋問) 放置された車内の鑑識を行った警察官が、検察側証人として出廷
10/12 第9回公判 (証人尋問) アパートで事情聴取した警察官が検察側証人として出廷
10/15 第10回公判 (証人尋問) 警察官2人が証人出廷
10/16 第11回公判 (証人尋問) 被告の知人が証人出廷
10/18 第12回公判 (証人尋問) 医師や法医学者が証人出廷
10/22 第13回公判 (証人尋問) 元自動車販売員の男性が検察側証人として出廷
10/23 第14回公判 (証人尋問) 元自動車販売員の男性が証人出廷
10/25 第15回公判 (証人尋問) 弁護側は被告が黙秘権を行使すると表明
元自動車販売員の男性や被告の母親が証人出廷
10/30 第16回公判 (被告人質問) 被告は検察側の約60の質問に答えず黙秘
11/01 第17回公判 (証拠調べ、遺族の意見陳述) 被害者遺族2人が出廷し意見陳述
11/05 第18回公判 (論告求刑) 検察側は被告に対して死刑を求刑
被害者参加制度に基づいた遺族の代理人の2人が論告
11/06 第19回公判 (最終弁論、被告の最終意見陳述) 弁護側は、「警察官が嘘の証言」と主張
被告は最終意見陳述で「2件の強盗殺人については、私はやっていません」と述べる
12/04 第20回公判 (判決) 鳥取地裁は求刑通り死刑を言い渡し 被告が無罪を主張した強盗殺人2件のほか、詐欺罪15件と窃盗・住居侵入の罪1件すべてを有罪認定
※2012年12月4日、38歳被告の弁護側は判決を不服として即日控訴

控訴審 広島高裁松江支部(塚本伊平裁判長)
事件番号:平成24年(う)第58号|傍聴券交付情報:広島高等裁判所
日付 摘要
2013 12/10 初公判 (冒頭陳述、被告人質問) 弁護側は「一審判決は事実誤認がある」と無罪を訴え、被告は被告人質問に答え、事件への関与を否定。検察側は控訴棄却を求める
12/24 第2回公判 (被告人質問) 被告は「強盗殺人はやっていません。一審判決を受け入れることができません」と声を震わせて無罪を主張
2014 01/29 第3回公判 (弁論) 弁護側は改めて無罪を主張、検察側は控訴棄却を求め結審
03/20 第4回公判 (判決) 広島高裁松江支部(塚本伊平裁判長)は一審判決を支持し、40歳被告の控訴を棄却
※2014年3月20日、40歳被告の弁護側は判決を不服として即日上告

上告審 最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)

事件番号:平成26年(あ)第589号
日付 摘要
2017 6/29 初公判 (口頭弁論) 弁護側は「2件の強盗殺人罪は無罪だ」と改めて主張し、結審した。
7/27 第2回公判 (判決) 最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は、43歳被告の上告を棄却
2017年8月23日、最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は、上告棄却の判決に対する被告の訂正申し立てを棄却決定
更新日時:
2017年9月15日




共犯の男の公判

第一審 鳥取地裁(大崎良信裁判長) 窃盗、詐欺などの罪について
日付 摘要
2010 09/22 初公判 (冒頭陳述、罪状認否、論告求刑、最終弁論)
検察側は「常習的かつ職業的犯行で悪質」として懲役3年6月を求刑
弁護側は「上田被告にだまされての行動」として執行猶予を求め、即日結審
10/20 第2回公判 (判決) 裁判長は被告に対して、懲役3年を言い渡し
10/28 47歳被告が上訴権を放棄
10/29 検察側が上訴権を放棄。47歳男に対する懲役3年の実刑判決が確定
更新日時:
2010年11月05日




被告の判決状況

氏名 罪名 第一審 控訴審 上告審
求刑 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付
上田美由紀 強盗殺人などの罪 求刑死刑 死刑 鳥取地裁
2012/12/4
控訴棄却 広島高裁松江支部
2014/3/20
上告棄却 最高裁第1小法廷
2017/7/27
更新日時:
2017年7月27日



殺人事件、裁判員裁判、性犯罪のコンテンツで扱っている事件の一覧


裁判員裁判対象の罪 裁判員裁判・判決例 裁判員裁判に関して 検察求刑死刑の可能性
検察求刑で死刑の可能性が高い事件 死刑判決の事件 求刑死刑で無期判決以下の事件 ストーカー殺人事件
まさかりの部屋
性教育のすすめ 殺人事件 性犯罪 裁判員裁判
Copyright(C) 2010-2017 masaki All Rights Reserved.