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死刑判決の事件

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横浜・埼玉連続偽装殺人事件


事件概要

 
2009年8月9日、埼玉県深谷市の無職、久保寺幸典さん(当時64歳)方の近所の住民から「最近姿を見ない」との通報を受け、深谷署員が久保寺さんの遺体を発見。埼玉県警は、いわゆるためらい傷がないことなどから他殺の疑いもあるとみて捜査を開始した。

 2010年6月25日、埼玉県警捜査1課と深谷署は、久保寺さんが殺害された疑いが強まったとして、内装工の41歳男A、無職の37歳男Bの両容疑者を殺人容疑で逮捕。深谷署に捜査本部を設置。

 7月15日、内装工の41歳男A、無職の37歳男Bが共謀して2009年8月7日午前5時50分頃、深谷市原郷の久保寺さん方で、久保寺さんを柳刃包丁で刺し、殺害。また、2人は他の2人と共謀して、2008年年11月4日に、ふじみ野市内のショッピングセンター屋上駐車場で乗用車を運転し、停車中の乗用車にわざと衝突。保険会社に車両の修理費名目で計約87万円を口座に振り込ませ、騙し取ったとして、さいたま地検は、両容疑者を殺人、銃刀法違反、詐欺罪で追起訴した。41歳男Aと37歳男Bは従兄同士。

 両容疑者を捜査していた埼玉県警は、男Bと養子縁組をした横浜市の無職安川珠江さんが死亡当時46歳とまだ若く、既往症もないことから死亡の経緯を疑問視。10歳程度しか違わない者同士の養子縁組であり、安川さんには多額の保険金が掛けられていたことも分かった。

 11月4日、埼玉県警深谷署捜査本部は、安川さんが殺害された疑いが強まったとして、内装工の41歳男A、無職の37歳男Bの両容疑者を殺人容疑で再逮捕。同25日、死亡保険金を手に入れるため2008年年3月13日に容疑者AとBが共謀して、容疑者Bの養母である安川さんを自宅で睡眠薬を飲ませて眠らせ、1階浴室の浴槽に沈めて水死させたとして、さいたま地検は、内装工の41歳男A、無職の37歳男Bの両容疑者を殺人罪で追起訴した。
更新日時:
2011年02月10日




起訴状況

刑法

(殺人)
第百九十九条  人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

(詐欺)
第二百四十六条  人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2  前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。


銃砲刀剣類所持等取締法

第三十一条の三  第三条第一項の規定に違反してけん銃等を所持した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。この場合において、当該けん銃等の数が二以上であるときは、一年以上十五年以下の懲役に処する。

罪名 該当法 法定刑 量刑例
殺人罪 刑法第199条 死刑、無期懲役、5年以上の有期懲役 殺人罪の場合
詐欺罪 刑法第246条 3年以下の懲役
銃刀法違反(所持)の罪 銃刀法第31条の3第1項 1年以上10年以下の懲役

※ 死刑がやむを得ない場合死刑執行方法無期懲役仮釈放者の平均在所年数
更新日時:
2011年02月10日




時系列
日付 摘要
2006 夏頃 携帯電話の出会い系サイトを通じて安川珠江さんと男Bが知り合い、交際開始
2007 01/ 安川さんと男Bが養子縁組
10/ 死亡時に保険金が支払われる特約付きの傷害保険に安川さんを加入
2008 03/13 男Bは安川さんに酒と催眠薬を飲ませて酩酊状態にさせ、風呂に沈めて溺死させる
男A
はその場に立ち会わず外出
午前11時頃、横浜市の無職安川珠江さん(当時46歳)が自宅風呂場の浴槽で水死しているのを発見される
男Aが119番通報。「安川さんは前夜から酒を飲んで泥酔していた」、「自分たちは外出していて、帰宅すると安川さんは風呂で溺れていた。普段から酒を飲み、風呂で寝てしまうことがあった」と神奈川県警に説明。同県警は犯罪性は見当たらないとして事故死と判断。司法解剖せず
07/31 3600万円の保険金が男Bに支払われる
11/04 2人は、ふじみ野市内のショッピングセンター屋上駐車場で乗用車を運転し事故
2009 05/ 2人は、さいたま市内で乗用車を運転し交通事故
08/07 午前5時50分頃、2人は、深谷市原郷の久保寺さん方で、久保寺さんを柳刃包丁で刺し殺害
08/09 埼玉県深谷市の無職、久保寺幸典さん(当時64歳)方の近所の住民から「最近姿を見ない」との通報を受け、深谷署員が久保寺さんの遺体を発見
2010 06/ 2009年5月にさいたま市内で意図的に交通事故を起こして保険会社から保険金85万円をだまし取ったとして、さいたま地検は、内装工の41歳男A、無職の37歳男Bの両容疑者を詐欺罪で起訴
06/25 埼玉県警捜査1課と深谷署は、久保寺さんが殺害された疑いが強まったとして、内装工の41歳男A、無職の37歳男Bの両容疑者を殺人容疑で逮捕
埼玉県警は、深谷署に捜査本部を設置
07/15 内装工の41歳男A、無職の37歳男Bが共謀して2009年8月7日午前5時50分頃、深谷市原郷の久保寺さん方で、久保寺さんを柳刃包丁で刺し、殺害。また、2人は他の2人と共謀して、2008年11月4日、ふじみ野市内のショッピングセンター屋上駐車場で乗用車を運転し、停車中の乗用車にわざと衝突。保険会社に車両の修理費名目で計約87万円を口座に振り込ませ、騙し取ったとして、さいたま地検は、両容疑者を殺人、銃刀法違反、詐欺罪で追起訴
11/04 埼玉県警深谷署捜査本部は、横浜市の無職安川珠江さん(当時46歳)が殺害された疑いが強まったとして、内装工の41歳男A、無職の37歳男Bの両容疑者を殺人容疑で再逮捕
11/06 内装工の41歳男A、無職の37歳男Bをさいたま地検へ送検
11/25 2008年年3月13日に死亡保険金を手に入れるため容疑者AとBが共謀して、容疑者Bの養母である安川さんを自宅で睡眠薬を飲ませて眠らせ、1階浴室の浴槽に沈めて水死させたとして、さいたま地検は、内装工の41歳男A、無職の37歳男Bの両容疑者を殺人罪で追起訴
2011 01/20 埼玉県警深谷署捜査本部は、内装工の41歳男A、無職の37歳男Bが、安川さんを自宅浴室で水死させた後、事故で溺死したように装い、保険会社に事故死したと申告して、保険会社から保険金3600万円を騙し取った疑いがあるとして、2人を詐欺容疑で再逮捕
02/10 内装工の41歳男A、無職の37歳男Bの2人が共謀して安川さんを殺害したにもかかわらず、保険会社に「事故で溺死した」と虚偽の申告をして、2008年7月31日に死亡保険金3600万円を騙し取ったとして、さいたま地検は、両容疑者を詐欺罪で追起訴
06/27 (被告B)第一審 初公判
07/06 (被告B)第一審 論告求刑公判 検察側は被告Bに対して死刑を求刑
07/20 (被告B)第一審 判決公判 地裁は被告Bに対して無期懲役を言い渡し
08/04 検察・弁護側共に控訴期限の3日までに控訴せず、午前0時、無期懲役とした被告Bの判決が確定
2012 01/17 (被告A)第一審 初公判
02/15 (被告A)第一審 論告求刑公判 検察側は被告に対して死刑を求刑
02/24 (被告A)第一審 判決公判 地裁は被告Aに対して死刑を言い渡し
02/28 被告Aの弁護側は判決を不服として東京高裁へ控訴
07/31 (被告A)控訴審 初公判
2013 06/27 (被告A)控訴審 判決公判 高裁は一審判決を支持し、弁護側控訴を棄却
06/28 被告Aの弁護側は判決を不服として最高裁へ上告
2015 10/23 (被告A)上告審 弁論
更新日時:
2015年7月9日




被告A(新井竜太被告)の公判関係

第一審 さいたま地裁(田村真裁判長) 裁判員裁判


事件番号:平成22年(わ)第1054号等|傍聴券交付情報:さいたま地方裁判所
日付 摘要
2012 1/17 初公判 (罪状認否、46歳女性殺害事件の冒頭陳述) 被告は起訴事実について「(2人を)殺していないし、殺そうとも思っていない」と否認
 検察側は、被告が保険金目的で、いとこの38歳受刑者と養子縁組をした安川さんの殺害を、同受刑者に指示したと主張。弁護側は「仮に高橋受刑者が殺害していたとしても、1人でやったこと」とし、被告の指示を否定。「受刑者との間には主従関係もなく、引っ張り込まれただけ」と反論
1/18 第2回公判  
1/20 第3回公判  
1/23 第4回公判  
1/24 第5回公判  
1/25 第6回公判  
1/30 第7回公判  
1/31 第8回公判  
2/1 第9回公判  
2/2 第10回公判  
2/8 第11回公判  
2/10 第12回公判  
2/13 第13回公判  
2/15 第14回公判 (論告求刑、最終弁論、被告の最終意見陳述) 検察側は「計画的かつ巧妙で冷酷な犯行」として死刑を求刑
2/24 第15回公判 (判決) さいたま地裁は「事件を終始主導し、計画性があり巧妙で冷酷な犯行。酌量の余地はない」などとして、求刑通り死刑を言い渡し
2012年2月28日、弁護側は判決を不服として東京高裁へ控訴
 
控訴審 東京高裁(井上弘通裁判長)
日付 摘要
2012 7/31 初公判 (冒頭陳述) 
9/20 第2回公判  
11/15   (B受刑者の証人尋問) 期日取消
12/18   (被告人質問) 期日取消
2013 1/31 第3回公判 (B受刑者の証人尋問)
2/28 第4回公判 (被告人質問)
3/28 第5回公判 (弁論)
6/27 第6回公判 (判決) 東京高裁(井上弘通裁判長)は1審判決を支持、弁護側の控訴を棄却
2013年6月28日、弁護側は判決を不服として最高裁へ上告

上告審 最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)

事件番号:平成25年(あ)第1126号
日付 摘要
2015 10/23 口頭弁論 弁護側は「指示を受けたとするいとこの供述は信用できない」とし、無罪を主張。検察側は上告棄却を求める
12/4 判決 最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は、「共犯者が意のままになることを利用して冷酷、非道な犯行を発案、計画し、実行させた。責任は共犯者に比べ相当に重い」として、上告を棄却
更新日時:
2015年12月4日




被告Bの公判関係

第一審 さいたま地裁(田村真裁判長) 裁判員裁判


事件番号:平成22年(わ)第1054号等|傍聴券交付情報:さいたま地方裁判所
日付 摘要
2011 6/27 初公判 (罪状認否、冒頭陳述) 被告は起訴事実を全面的に認める
 検察側は、被告が出会い系サイトで知り合った当時46歳の無職女性(養母)から生活費を取り上げていたなどと指摘。思ったほど金が得られなかったため「女性の扱いに困るようになり、保険金殺人を計画した」と主張
 弁護側は、いとこの被告Aが主犯格と主張。「死刑ではない刑を選んでいただきたい」と述べる
6/28 第2回公判  
6/29 第3回公判  
7/01 第4回公判  
7/04 第5回公判 伯父殺害事件について審理 (冒頭陳述)
 検察側は、伯父とリフォーム工事代などを巡りトラブルになった、いとこの被告Aから依頼され、被告が伯父を殺害したと指摘。報酬200万円の約束で、寝ていた伯父の胸を包丁で突き刺し殺したと主張。弁護側は「被告Aの指示で胸を刺した。逐一指示を仰いでいた」と情状酌量を求める
7/05 第6回公判  
7/06 第7回公判 (論告求刑) 検察側は「まったく別の機会に、2人の尊い命を奪った。行為と結果に対する責任は重い」と述べ、被告に対して死刑を求刑
7/08 第8回公判 (最終弁論) 弁護側は、最終弁論で「無期懲役が相当」と主張
7/20 第9回公判 (判決) さいたま地裁は、「被告Aの手足として行動し、従属的だった」として、無期懲役を言い渡し
2011年8月4日、検察・弁護側共に控訴期限の3日までに控訴せず、午前0時判決確定
更新日時:
2011年8月4日




2被告の判決状況


仮称 氏名 罪名 第一審 控訴審 上告審
求刑 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付
A 新井竜太 殺人などの罪 求刑死刑 死刑 さいたま地裁
2012/2/24
控訴棄却 東京高裁
2013/6/27
上告棄却 最高裁第2小法廷
2015/12/4
B T.T. 殺人などの罪 求刑死刑 無期懲役 さいたま地裁
2011/7/20
非控訴 -
更新日時:
2015年12月4日



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