裁判員裁判 まさかりの部屋
性教育のすすめ 殺人事件 性犯罪 裁判員裁判
裁判員裁判対象の罪 裁判員裁判・判決例 裁判員裁判に関して 検察求刑死刑の可能性
検察求刑で死刑の可能性が高い事件 死刑判決の事件 求刑死刑で無期判決以下の事件 ストーカー殺人事件

死刑判決の事件

殺人事件、裁判員裁判、性犯罪のコンテンツで扱っている事件の一覧

大阪和泉元社長夫婦強殺事件
(大阪阪南ドラム缶遺体事件)



事件概要

 
2009年11月21日、駐車場の管理人が、大阪府阪南市の車庫の中で、乗用車とドラム缶を発見。警察に通報。ドラム缶から男女とみられる遺体が見つかる。大阪府警は、遺体が5年前に行方不明になった元会社経営浅井さん夫婦と断定。司法解剖の結果、死因はいずれも頭を鈍器のようなもので殴られたことによる脳挫傷で、死亡時期は2004年12月頃と推定。大阪府警は、26日、殺人、死体遺棄事件として泉南署に捜査本部を設置。

 車庫にあった乗用車やドラム缶から、夫婦以外の一人の男の指紋を検出。27日、大阪府警泉南署捜査本部は、夫婦の車を盗んだ疑いが強まったとして、42歳男を窃盗容疑で逮捕。12月17日、被害者の腕時計を盗んだとして窃盗容疑で再逮捕。2010年1月8日、男が2003年11月22日頃に浅井建治さんの新築工事中の自宅の庭で、手洗い場に置かれていた妻きよさんの高級腕時計(時価30万円相当)を盗んだとして、大阪地検堺支部は、42歳男を窃盗罪で大阪地裁堺支部へ起訴した。

 男は高級腕時計などを盗んだことや夫妻の遺体遺棄は認めたが、「連絡先も知らない知人の男2人から遺体と腕時計を渡され、遺体を阪南市の駐車場に運んだ。遺体をのこぎりで切断しドラム缶に詰めた。殺害したのはこの男で自分は知らない」と供述し、殺害への関与は否認。

 大阪府警は、※知人の男2人の存在が証明できず不自然、※遺体を捨てた駐車場の借り主は容疑者自身、※いったんは殺害への関与を認めた。などの理由から、夫妻を殺害したのは容疑者以外にあり得ないと判断。

 2010年12月3日、泉南署捜査本部は、男を強盗殺人容疑で再逮捕。同月24日、男が浅井さん夫婦を殺害し高級腕時計や車を奪ったとして、大阪地検堺支部は、男を強盗殺人罪で大阪地裁堺支部へ追起訴した。
更新日時:
2011年2月10日




時系列
日付 摘要
2004 12/03 大阪府和泉市府中町の会社事務所で、浅井さん夫婦が殺害される
12/04 大阪府和泉市の元会社経営、浅井建治さん(当時74歳)と妻のきよさん(当時73歳)の姿が自宅兼会社事務所になく、夫婦が使っていた乗用車がなくなっていたほか、隣接する会社事務所で血痕が見つかり、何者かがふき取ったような跡もあったため、長男が届出。
男は、大阪府内の質店を訪れ、高級腕時計を質入れ。質入れの金額は自ら50万円と指定
12/07 大阪府阪南市の車庫を男が賃貸契約。男は、1ヶ月分の賃料と保証金の計6万2千円を払い、シャッター鍵を受け取る。その後、男はシャッターの鍵を返却せず、駐車場の管理人は男と連絡が途絶える
2009 11/21 駐車場の管理人が、大阪府阪南市の車庫の中で、乗用車とドラム缶を発見。警察に通報
車庫に置かれたドラム缶から男女とみられる遺体が見つかる
乗用車からはのこぎりが見つかり、トランクに血痕が付着
11/26 大阪府警は、遺体が5年前に行方不明になった元会社経営浅井建治さんと妻のきよさんと断定
司法解剖の結果、死因はいずれも頭を鈍器のようなもので殴られたことによる脳挫傷で、死亡時期は2004年12月頃と推定。遺体はともに頭の骨が折れていたほか、きよさんは左胸や右太ももも骨折。遺体の一部に刃物のあとがあることも判明
大阪府警は、殺人、死体遺棄事件として泉南署に捜査本部を設置
11/27 大阪府警泉南署捜査本部は、夫婦の車を盗んだ疑いが強まったとして、42歳男を窃盗容疑で逮捕
12/17 夫婦の車を盗んだ窃盗容疑について処分保留
大阪府警泉南署捜査本部は、被害者の腕時計を盗んだとして窃盗容疑で、堺市西区、元建築作業員の42歳男を再逮捕
2010 01/08 男が2003年11月22日頃に浅井建治さんの新築工事中の自宅の庭で、手洗い場に置かれていた妻きよさんの高級腕時計(時価30万円相当)を盗んだとして、大阪地検堺支部は、42歳男を窃盗罪で大阪地裁堺支部へ起訴
12/03 男が2004年12月3日頃、大阪府和泉市府中町の会社事務所で、浅井さん夫婦を頭部を鈍器のようなもので殴打して殺害し、腕時計2個と乗用車1台(計約240万円)を奪った疑いがあるとして、泉南署捜査本部は、住所不定、元建築作業員の43歳男を強盗殺人容疑で再逮捕
12/24 男が浅井さん夫婦を殺害し高級腕時計や車を奪ったとして、大阪地検堺支部は、43歳男を強盗殺人罪で大阪地裁堺支部へ追起訴
更新日時:
2011年2月10日




起訴状況

刑法

(強盗致死傷)
第二百四十条  強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

(窃盗)
第二百三十五条  他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

罪名 該当法 法定刑 量刑例
強盗殺人罪 刑法第240条 死刑、無期懲役 強盗殺人罪の場合
窃盗罪 刑法第235条 10年以下の懲役、50万円以下の罰金

※ 死刑がやむを得ない場合求刑死刑に対しての判決例死刑執行方法

※参考
刑法

(死体損壊等)
第百九十条  死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。

刑事訴訟法

(公訴時効)
第二百五十条第2項第6号
 長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については三年

 被告は、死体損壊・遺棄行為を認めていますが、本件は2004年12月の事件です。死体損壊・遺棄罪の公訴時効は3年ですから、事件の3年後の2007年12月に公訴時効が完成しています。遺体が発見されたのが時効完成後ですので、死体損壊・遺棄罪については罪に問えません。
更新日時:
2011年2月10日




公判関係

第一審 大阪地裁堺支部(畑山靖裁判長)

区分審理(窃盗事件について)
日付 摘要
2013 05/07 初公判 (冒頭陳述、罪状認否) 罪状認否で被告は起訴事実を否認、弁護側は「公訴時効が完成している」と免訴を求めるなどした
05/10 第2回公判 (弁論) 検察側は論告で窃盗罪が成立すると主張し、弁護側は弁論で無罪や免訴の判決を求め、結審
05/15 第3回公判 (判決) 大阪地裁堺支部は、別の窃盗事件3件について有罪判決を言い渡し

最終審理 裁判員裁判
日付 摘要
2013 05/20 初公判 (冒頭陳述、罪状認否) 被告は「絶対にしていない。別の2人が殺害したと思う」と無罪を主張
検察側は「被告は300万円の借金返済のため殺害した」と訴え、「被告は遺体が見つかったガレージの借り主で、夫婦が殺害された直後に元社長の腕時計を質屋で換金していた」と指摘。「被告が関与を主張する別人は存在せず、被告が単独で夫婦を殺害した」と述べる
06/10 論告求刑公判 (論告求刑、最終弁論、被告の最終意見陳述)
検察側は「強固な殺意に基づく極めて残虐かつ冷酷な犯行だ」として死刑を求刑
06/10
〜26
裁判官・裁判員評議
06/26 判決公判 (判決) 大阪地裁堺支部(畑山靖裁判長)は求刑通り死刑を言い渡し
2013年6月26日、弁護側は判決を不服として即日控訴

控訴審 大阪高裁(笹野明義裁判長)
日付 摘要
2014 07/30 第1回公判 (冒頭陳述) 弁護側は「被告が現場にいたか証拠上明らかではない」と第三者による犯行を主張。検察側は控訴棄却を求める
09/05 第2回公判  
09/26 第3回公判 (最終弁論) 弁護側は最終弁論で改めて無罪を主張し、結審
12/19 第4回公判 (判決) 大阪高裁(笹野明義裁判長)は、死刑とした1審大阪地裁堺支部の裁判員裁判判決を支持し、被告側の控訴を棄却
2014年12月19日、弁護側は判決を不服として即日上告

上告審 最高裁第3小法廷(戸倉三郎裁判長)
日付 摘要
2017 11/7 第1回公判 (口頭弁論) 弁護側は「被告が犯人であることに疑いが残る。真犯人は別にいる」と主張。検察側は上告棄却を求めた
12/8 第2回公判 (判決) 最高裁は被害者が殺害された直後に被告が被害者の腕時計を換金したことや、自らガレージを借りてドラム缶に2人の遺体を入れたことを認めている点を考慮し、「強盗殺人の事実は、合理的な疑いを差し挟む余地がない程度に証明されている」として1、2審の有罪判断を支持し、被告の上告を棄却
更新日時:
2017年12月27日




被告の判決状況

氏名 罪名 第一審 控訴審 上告審
求刑 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付
鈴木勝明 強盗殺人などの罪 求刑死刑 死刑 大阪地裁堺支部
 2013/6/26
控訴棄却 大阪高裁
2014/12/19
上告棄却 最高裁第3小法廷
2017/12/8
更新日時:
2017年12月27日



殺人事件、裁判員裁判、性犯罪のコンテンツで扱っている事件の一覧


裁判員裁判対象の罪 裁判員裁判・判決例 裁判員裁判に関して 検察求刑死刑の可能性
検察求刑で死刑の可能性が高い事件 死刑判決の事件 求刑死刑で無期判決以下の事件 ストーカー殺人事件
まさかりの部屋
性教育のすすめ 殺人事件 性犯罪 裁判員裁判
Copyright(C) 2011-2017 masaki All Rights Reserved.