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死刑判決の事件

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関西青酸連続殺人事件


事件概要

 2012年3月9日、大阪府泉佐野市下瓦屋3の府道で71歳の本田正徳さんがバイクを運転中に転倒。病院に搬送し、本田さんの死亡を確認。司法解剖の結果、突発性の心停止による病死と判断した。

 2013年12月28日、京都府向日市鶏冠井町大極殿の民家で、住人の筧勇夫さんが倒れているのが見つかった。司法解剖の結果、筧さんの胃や血液から致死量を超える猛毒のシアン化合物が検出され、京都府警は殺人事件として捜査を開始した。

 捜査の過程で筧さんの妻が本田さんと死別していたことが判明。2014年5月、大阪府警が保存されていた本田さんの血液を再鑑定。致死量の2倍の青酸が検出された。

 2014年11月19日、京都府警捜査1課と向日町署は、殺害に関与した疑いが強まったとして、殺人容疑で、筧千佐子容疑者(67)を逮捕。12月10日、京都地検は、68歳女を殺人罪で起訴した。

 2015年1月28日、大阪府警は、約3年前に交際中の大阪の男性を殺害したとして、筧千佐子容疑者(68)を殺人容疑で再逮捕。2月18日、大阪地検堺支部は、68歳女を殺人罪で追起訴した。

 6月11日、大阪府警などの4府県警合同捜査本部は、強盗殺人未遂容疑で68歳女を再逮捕。7月2日、大阪地検は強盗殺人未遂罪で68歳女を追起訴した。

 9月9日、大阪府警などの4府県警合同捜査本部は、殺人容疑で68歳女を再逮捕。同30日、大阪地検は、内縁関係にあった兵庫県伊丹市の日置稔さんに対する殺人罪で68歳女を追起訴した。

 10月13日、京都地裁は、68歳筧千佐子被告の兵庫県伊丹市の日置稔さんに対する殺人罪について、併合審理する2件の殺人罪、1件の強盗殺人未遂罪の裁判員裁判と一括で審理する決定をした。

 11月6日、大阪など4府県警合同捜査本部は、平成17年に死亡した兵庫県南あわじ市の男性に対する殺人容疑と、25年に死亡した堺市の男性に対する強盗殺人容疑で、68歳被告を追送検し、一連の捜査を終結。同20日、大阪地検は、強盗殺人と殺人容疑で追送検された4件について、68歳被告を嫌疑不十分で不起訴にした。
 
更新日時:
2015年11月21日




時系列
日付 摘要
2012 03/09 本田正徳さんと女が喫茶店で会う
喫茶店から約1.6q離れた大阪府泉佐野市下瓦屋3の府道で71歳の本田正徳さんがバイクを運転中に転倒
本田正徳さんを病院に搬送。本田さんの死亡を確認
03/ 司法解剖の結果、突発性の心停止による病死と判断。司法解剖をした大学は本田さんの血液を保存
2013 12/28 京都府向日市鶏冠井町の75歳の筧勇夫さんが青酸化合物で殺害される
京都府向日市鶏冠井町大極殿の民家で、住人の筧勇夫さんが倒れているのが見つかる
12/ 司法解剖の結果、筧さんの胃や血液から致死量を超える猛毒のシアン化合物が検出される
2014 05/ 大阪府警が保存されていた本田さんの血液を再鑑定。致死量の2倍の青酸が検出される
11/19 京都府警捜査1課と向日町署は、殺害に関与した疑いが強まったとして、殺人容疑で、妻の筧千佐子容疑者(67)を逮捕
京都府警は向日町署に捜査本部を設置
12/10 2013年12月28日、向日市の自宅で、筧さんに青酸化合物を摂取させ、同日午後9時頃、青酸中毒で死亡させたとして、京都地検は、68歳女を殺人罪で起訴
2015 01/28 大阪府警は、約3年前に交際中の大阪の男性を殺害したとして、筧千佐子容疑者(68)を殺人容疑で再逮捕
02/18 内縁関係にあった大阪府貝塚市の本田正徳さんを殺害したとして、大阪地検堺支部は、68歳女を殺人罪で追起訴
03/12 京都地裁が、京都地裁で併合審理を行う決定
06/11 大阪府警などの4府県警合同捜査本部は、強盗殺人未遂容疑で68歳被告を再逮捕
07/02 大阪地検は、強盗殺人未遂罪で68歳女を追起訴
07/13 京都地裁は、強盗殺人未遂罪も併合審理を行う決定
09/09 大阪府警などの4府県警合同捜査本部は、殺人容疑で68歳被告を再逮捕
09/30 大阪地検は、内縁関係にあった兵庫県伊丹市の日置稔さんに対する殺人罪で68歳容疑者を追起訴
10/13 京都地裁は、68歳筧千佐子被告の兵庫県伊丹市の日置稔さんに対する殺人罪について、併合審理する2件の殺人罪、1件の強盗殺人未遂罪の裁判員裁判と一括で審理する決定をした。
10/20 京都地裁で開かれた筧千佐子被告の公判前整理手続きで、3件の殺人と1件の強盗殺人未遂の罪で起訴された被告について、検察側がこの4件以外は起訴しない方針を示す
10/27 大阪など4府県警合同捜査本部は、平成20年に死亡した奈良市と大阪府松原市の男性2人に対する殺人容疑で、68歳被告を追送検
11/06 大阪など4府県警合同捜査本部は、平成17年に死亡した兵庫県南あわじ市の男性に対する殺人容疑と、25年に死亡した堺市の男性に対する強盗殺人容疑で、68歳被告を追送検し、一連の捜査を終結
11/20 大阪地検は、強盗殺人と殺人容疑で追送検された4件について、68歳被告を嫌疑不十分で不起訴
更新日時:
2015年11月21日




参考法規

刑法

(殺人)
第百九十九条  人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

(強盗致死傷)
第二百四十条  強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

(未遂罪)
第二百四十三条  第二百三十五条から第二百三十六条まで及び第二百三十八条から第二百四十一条までの罪の未遂は、罰する。

罪名 該当法 法定刑 量刑例
殺人罪 刑法第199条 死刑、無期、5年以上の懲役 主たる罪が殺人罪の場合
強盗殺人未遂罪 刑法第243条 死刑、無期、6年以上の懲役

※ 無期懲役仮釈放者の平均在所年数
※ 求刑死刑に対しての判決例死刑がやむを得ない場合死刑執行方法
更新日時:
2015年6月11日




公判関係

公判前整理手続き

 2016年4月8日付けで、弁護側の請求を受け、京都地裁は69歳被告の精神鑑定の実施を決定。鑑定期間は4月22日から9月末まで。10月2日、京都地裁が実施した精神鑑定の結果、刑事責任能力や訴訟能力は「問題ない」とされたことがわかった。

第一審 京都地裁(中川綾子裁判長) 裁判員裁判

事件番号:平成26年(わ)第1589号等|傍聴券交付情報:京都地裁
日付 摘要
2017 6/26 初公判 (冒頭陳述、罪状認否) 被告は初公判で「全て弁護士に任せてあります」と話し、弁護側が「起訴内容について全て争う」と無罪を主張
6/27 第2回公判 (証人尋問) 京都府警の科学捜査研究所職員2人が証人出廷
6/29 第3回公判 (証人尋問) 遺体を司法解剖した医師と科捜研の職員が証人出廷
6/30 第4回公判 (証拠調べ) 検察側はやりとりしたメールの一部を読み上げ
7/4 第5回公判 (証人尋問) 勇夫さんの妹やかかりつけ医が証人出廷
7/5 第6回公判 (証人尋問) 大阪府警の警察官が証人出廷
7/6 第7回公判 (証人尋問) 自宅の手提げ金庫の鍵を開錠した業者の男性が証人出廷
7/10 第8回公判 (被告人質問) 70歳被告はいったん黙秘を宣言したが、検察側の質問に対し、夫の勇夫さん=当時(75)=の殺害を「間違いない」と認めた。
7/12 第9回公判 (被告人質問)
7/13 第10回公判 (証人尋問)
7/14 第11回公判 (証拠調べ)
7/18 第12回公判 (勇夫さん事件の中間論告、中間弁論) 検察側は「被告は犯行当時、善悪を判断したり、行動をコントロールしたりでき、計画性の高い犯行を成功させる能力があった」と述べ、被告に責任能力があるとした
7/31 第13回公判 (本田正憲さん事件での冒頭陳述、罪状認否)
8/1 第14回公判 (証人尋問)
8/3 第15回公判 (証人尋問)
8/4 第16回公判 (証人尋問)
8/7 第17回公判 (被告人質問)
8/9 第18回公判 (本田正憲さん事件での中間論告、中間弁論) 検察側は「遺産目当てで青酸を飲ませて殺害したのは明らか」と指摘。責任能力についても「計画性の高い犯行を成功させるだけの能力があった」と主張
8/25 第20回公判 (末広利明さん事件での冒頭陳述、罪状認否)
8/29 第21回公判 (証人尋問)
8/31 第22回公判 (証人尋問)
9/1 第23回公判 (証人尋問)
9/4 第24回公判 (被告人質問) 被告は末広さんに青酸を飲ませたことを認める
9/5 第25回公判 (証拠調べ)
9/6 第26回公判 (末広利明さん事件での中間論告、中間弁論) 検察側は、「被告は金銭の返済を免れるために末広さんに青酸を飲ませ、毒殺しようとした」と述べ、弁護側も、「末広さんは青酸中毒特有の症状ではない」などと否定。その上で、「認知症の影響で記憶のすり替えや思い込みがあり、法廷での供述は信用できない。被告に訴訟能力はない」と無罪を主張
9/19 第27回公判 (日置稔さん事件での冒頭陳述、罪状認否) 
9/20 第28回公判 (証人尋問) 日置稔さん搬送先の医師が証人出廷
9/21 第29回公判  
9/22 第30回公判  
9/25 第31回公判  
9/26 第32回公判 (被告人質問)
9/27 第33回公判 (被告人質問)
10/2 第34回公判 (日置稔さん事件での中間論告、中間弁論) 検察側は、「遺産目当てで青酸を飲ませて毒殺したことは明らか」と述べ、弁護側は、「被告は(認知症の影響で)被告人質問で同じ話を繰り返し、異なる理由を説明する」などとして訴訟能力を否定
10/5 第35回公判 (遺族の意見陳述) 遺族らは「許せない」「極刑を望んでいる」などと訴えた
10/10 第36回公判 (論告求刑) 検察側は70歳被告に対して「まれに見る凶悪重大な事件」として死刑を求刑
10/11 第37回公判 (最終弁論) 弁護側は全事件について「死因が青酸中毒で、被告が犯人であるとは言えない。(起訴事実を認めた)被告の法廷の供述には信用性がない」などと無罪を主張
11/7 第38回公判 (判決) 京都地裁(中川綾子裁判長)は70歳被告に対して求刑通り死刑を言い渡し
2017年11月7日、弁護側は判決を不服として即日控訴

控訴審 大阪高裁(樋口裕晃裁判長)
日付 摘要
2019 3/1 初公判 (冒頭陳述、弁論) 弁護側は72歳被告の認知症が進んで訴訟能力がないとして、公判を停止するか新たな精神鑑定を実施するよう求めたが、裁判長は認めず、即日結審
5/24 第2回公判 (判決) 
更新日時:
2019年3月7日




判決状況

氏名 罪名 第一審 控訴審 上告審
求刑 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付
筧千佐子 殺人罪 求刑死刑 死刑 京都地裁
2017/11/7
    大阪高裁
2019/5/24
     
更新日時:
2019年3月7日



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