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求刑死刑で無期判決以下の事件

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福井・九頭竜湖女性遺体事件


事件概要

 2011年11月24日未明、森岡まどかさん(当時27歳)が愛知県一宮市の勤務先のキャバクラから帰宅後「客に会う」と交際相手に言い残して自宅を車で出てから行方不明になる。

 2012年5月21日、福井県の九頭竜湖岸に放置された冷凍庫の中に、白骨化した遺体が入っているのを流木を回収中の作業員が発見。警察に通報した。鑑定の結果、遺体は行方不明となっていた森岡さんと判明した。

 同10月26日、愛知、福井両県警の合同捜査本部は、死体遺棄容疑で、岐阜県美濃加茂市大手町、自称中古車販売業A林圭二(40)、同県富加町羽生、トラック運転手B(34)両容疑者を逮捕。名古屋地検に送検した。

 同11月16日、名古屋地検は死体遺棄容疑について処分保留。愛知・福井両県警合同捜査本部は、岐阜県美濃加茂市、中古車販売業、林圭二A(40)、同県富加町、トラック運転手B(34)両容疑者を殺人容疑で再逮捕、名古屋地検に送検した。12月7日、名古屋地検はA林圭二(40)、B(34)両容疑者を殺人と死体遺棄罪で起訴した。

 2013年3月22日、11年10月、失踪女性の携帯電話を使って3回にわたり「手術費用として借りた金を返さないと風俗で働かされる」などと虚偽の内容のメールを送り、女性の知人男性から85万円をだまし取ったとして、名古屋地検はA林圭二(40)、B(35)両被告を詐欺罪で追起訴した。

 同10月5日、愛知、福井両県警は、別の女性を暴行して死なせた疑いがあるとして、A林圭二(40)を傷害致死容疑で再逮捕、名古屋地検に送検した。同25日、名古屋地検は別の女性を暴行して死なせたとして、A林圭二(41)被告を傷害致死罪で追起訴した。
 
更新日時:
2016年6月23日




時系列
日付 摘要
2009 07/10 浅埜江里さん(当時26歳)に対し、座れば首が絞まる状態で鎖を巻き、立たせたまま放置。首の圧迫で窒息死に至る
2011 11/24 未明、森岡まどかさん(当時27歳)が愛知県一宮市の勤務先のキャバクラから帰宅後「客に会う」と交際相手に言い残して自宅を車で出てから行方不明
森岡まどかさん(当時27歳)が殺害される
森岡さんの遺体を冷凍庫に押し込み、福井県の九頭竜湖に遺棄
2012 05/21 福井県の九頭竜湖岸に放置された冷凍庫の中に、白骨化した遺体が入っているのを流木を回収中の作業員が発見
05/ 遺体は2011年11月24日未明から行方不明となっていた森岡さんと判明
05/28 森岡さんの遺族が、大野署を訪れて遺体を引き取る
10/26 愛知、福井両県警の合同捜査本部は、死体遺棄容疑で、岐阜県美濃加茂市大手町、自称中古車販売業A林圭二(40)、同県富加町羽生、トラック運転手B(34)両容疑者を逮捕
11/16 名古屋地検は、死体遺棄容疑について処分保留
愛知・福井両県警合同捜査本部は、岐阜県美濃加茂市、中古車販売業、A林圭二(40)、同県富加町、トラック運転手B(34)両容疑者を殺人容疑で再逮捕
12/07 名古屋地検はA林圭二(40)、B(34)両容疑者を殺人と死体遺棄罪で起訴
2013 03/22 名古屋地検はA林圭二(40)、B(35)両被告を詐欺罪で追起訴
10/05 愛知、福井両県警は、別の女性を暴行して死なせた疑いがあるとして、被告A林圭二(40)を傷害致死容疑で再逮捕
10/25 名古屋地検は別の女性を暴行して死なせたとして、被告A林圭二(41)被告を傷害致死罪で追起訴
更新日時:
2016年6月23日




起訴状況

刑法

(殺人)
第百九十九条  人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

(傷害致死)
第二百五条  身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

(詐欺)
第二百四十六条  人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2  前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

(窃盗)
第二百三十五条  他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(死体損壊等)
第百九十条  死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。

罪名 該当法 法定刑 量刑例
殺人罪 刑法第199条 死刑、無期、5年以上の懲役 主たる罪が殺人罪の場合
傷害致死罪 刑法第205条 3年以上の有期懲役
詐欺罪 刑法第246条 10年以下の懲役
窃盗罪 刑法第235条 10年以下の懲役、50万円以下の罰金
死体遺棄罪 刑法第190条 3年以下の懲役

※ 無期懲役仮釈放者の平均在所年数
※ 求刑死刑に対しての判決例死刑がやむを得ない場合死刑執行方法
更新日時:
2016年6月23日




被告A(林圭二被告)の公判関係

第一審 名古屋地裁(景山太郎裁判長) (区分審理)
日付 摘要
2016 04/26 初公判 (冒頭陳述、罪状認否) 43歳被告は認否について「弁護士に任せる」と述べ、弁護側は詐欺罪の起訴内容を認めた上で、窃盗罪について「成立しない」と否認
04/27 第2回公判 (証拠調べ)
04/28 第3回公判 (論告求刑、最終弁論) 検察側は論告で「浅埜さんを奴隷のように扱い、上下関係があった」と指摘、窃盗罪が成立すると主張。 弁護側は「内縁関係にあり、生計をともにしていた」などと反論し、結審
05/16 第4回公判 (判決) 名古屋地裁は、窃盗など3つの罪について「口座が被告に帰属する根拠はなく、預金に対する権利を有していない」などとして、有罪判決を言い渡し
リンク:産経新聞

第一審 名古屋地裁(景山太郎裁判長) 裁判員裁判

事件番号:平成24年(わ)第2531号等|傍聴券交付情報:名古屋地方裁判所
日付 摘要
2016 05/27 初公判 浅埜江里さんに対する傷害致死罪について審理
(冒頭陳述、罪状認否) 林被告は罪状認否で「弁護人に任せます」と述べた。弁護人は林被告の自宅で女性が死亡したことは事実としつつ、「林被告が『やるならいいけど自分でやれ』と言って死亡させたというには、合理的な疑いが残る」と主張
05/30 第2回公判  
05/31 第3回公判  
06/02 第4回公判  
06/03 第5回公判  
06/06 第6回公判  
06/07 第7回公判  
06/09 第8回公判 森岡まどかさんに対する殺人と死体遺棄罪について審理
(冒頭陳述、罪状認否) 43歳被告は「間違いありません」と起訴事実を認めた
06/10 第9回公判  
06/13 第10回公判 (証人尋問) 森岡まどかさんの母親が証人出廷 母親は「娘は結婚式を挙げる直前だった。私と娘の夢を返してほしい」と訴えた
06/14 第11回公判 (被告人質問) 43歳被告は「事件の4か月ほど前から具体的な犯行の計画を考え、2か月前には冷凍庫を用意した」などと証言
06/17 第12回公判  
06/20 第13回公判  
06/22 第14回公判 (論告求刑、最終弁論) 検察側は論告で殺人・死体遺棄事件について「事前に遺体を入れる冷凍庫を準備するなど計画性は極めて高い。犯行を主導し、嫌がらせを受けたと思い込み犯行に及んだ動機は身勝手だ」と指摘。傷害致死事件については「鎖に首を巻き付けさせるという屈辱的な行為で、被害者の死亡直後に別の金づるとなる人物を探すなど犯行後の情状も悪質だ」とし、その上で「犯行全体を見て極刑が相当だ」と主張。「自らの命の重さに直面させ、償わせる以外に選択肢はない」として死刑を求刑
07/15 第15回公判 判決期日延期(起訴事実の変更) 名古屋地裁は、検察側が請求していた傷害致死罪の起訴内容の一部変更を認める(論告求刑後、地裁が起訴状にない内容が論告に含まれていたと指摘し、検察側が一部変更する手続きをしていた)
10/3 第16回公判 (追加論告、遺族の意見陳述) 
10/17 第17回公判 (最終弁論、被告の最終陳述)
11/2 第18回公判 (判決) 名古屋地裁(景山太郎裁判長)は、44歳被告に対して無期懲役の判決を言い渡し
2016年11月16日、名古屋地検は控訴を断念。弁護側は判決を不服として控訴した。

控訴審 名古屋高裁(山口裕之裁判長)
日付 摘要
2017 5/24 初公判  今後の審理の進め方について協議
7/03 第2回公判 (証拠調べ) 
11/1 第3回公判 (最終弁論) 弁護側は、一審の論告求刑後に裁判所が訴因変更の検討を促し、検察側が起訴内容を変更した点について「公平な裁判を受ける権利を侵害した法令違反がある」と主張。また、共犯者の供述の信用性を否定するなどした
12/4 第4回公判 (判決) 名古屋高裁は「首謀者性は明らか」としたほか傷害致死の事実も認め、1審判決を破棄し没収金に関する部分を変更した上で、45歳被告に改めて無期懲役を言い渡し
2017年12月18日、45歳被告は判決を不服として上告した

上告審 最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)
 2018年10月24日付けで、最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)は46歳被告側の上告を棄却する決定をした。
更新日時:
2019年3月8日




被告Bの公判関係

殺人、死体遺棄罪について

第一審 名古屋地裁(景山太郎裁判長) 裁判員裁判

事件番号:平成24年(わ)第2531号等|傍聴券交付情報:名古屋地方裁判所
日付 摘要
2015 02/09 初公判 (冒頭陳述、罪状認否) 37歳被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた
02/16   (被告人質問) 37歳被告は、事件を主導したとされる元同僚の林圭二被告が、他の女性との交際を森岡さんに妨害されたと思い込んだことが、殺害の動機だったと述べた
02/17   (証人尋問) 森岡さんの母親が検察側証人として出廷
「殺されなければならない理由はなかった。絶対に許せない」と厳罰を求めた
02/23 論告求刑公判 (論告求刑、最終弁論、被告の最終意見陳述) 検察側は「冷凍庫が沈むよう細工するなど、3カ月前から準備していた」と指摘。「女性は結婚が間近で、殺害される落ち度は全くなかった」と非難した。「計画性が高く、悪質だ」と述べ、37歳被告に対して懲役16年を求刑
03/02 判決公判 (判決) 名古屋地裁(景山太郎裁判長)は「高い計画性に基づく残忍で卑劣な犯行。被害者の恐怖や無念は察するに余りある」などとして、懲役14年を言い渡し
2015年3月16日までに検察・弁護側共に控訴せず、3月17日午前0時判決確定

詐欺、窃盗罪について

2015年4月27日、いずれも主犯は元同僚の林圭二被告(42)と認定し、被告は詐欺罪ではほう助犯、窃盗罪は共同正犯に当たると判断。「分け前は受け取っていないが、金融機関の意思に反して現金を引き出した。林被告の詐欺を促した面もある」と非難。名古屋地裁(景山太郎裁判長)はB(37)被告に対して懲役1年(求刑懲役2年)の判決を言い渡した。

2015年5月10日までに検察・弁護側共に控訴せず、5月11日午前0時判決確定
更新日時:
2016年6月23日




判決状況

仮称 氏名 罪名 第一審 控訴審 上告審
求刑 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付
A 林圭二 殺人罪 求刑死刑 無期懲役 名古屋地裁
2016/11/2
控訴棄却 名古屋高裁
2017/12/4
上告棄却 最高裁第2小法廷
2018/10/24
B T.W. 殺人罪 求刑懲役16年 懲役14年 名古屋地裁
2015/3/2
非控訴 -
詐欺罪 求刑懲役2年 懲役1年 名古屋地裁
2015/4/27
非控訴 -
更新日時:
2019年3月8日



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