裁判員裁判　愛知小牧ストーカー殺人事件

愛知小牧ストーカー殺人事件

事件概要

　2012年7月30日午後4時55分頃、愛知県小牧市小木2丁目の「駐車場で血まみれの男が倒れている」と住民から119番通報。署員らが駆けつけると、男が腹などから血を流しており、「自分で腹を刺した」と話す。男の近くで、血の付いたナイフが見つかり、その後、意識不明の重体となって入院した。

　同日午後5時10分頃、同地のアパート2階で、飲食店店員の43歳女性とその長女の19歳女性が刺されているのが見つかり、搬送先の病院で2人の死亡を確認した。死因は失血死。愛知県警は殺人事件とみて小牧署に捜査本部を設置した。

　8月31日、小牧署捜査本部は、殺人容疑などで19歳女性の同僚だった25歳男を逮捕。9月21日、名古屋地検は、女性2人をナイフで殺害などをしたとして、26歳容疑者を殺人などの罪で名古屋地裁へ起訴した。

小牧市小木2丁目周辺の地図

更新日時：

2012年9月25日

事件経過

日付		摘要
2012	07/30	午後4時55分頃、「駐車場で血まみれの男が倒れている」と住民から119番通報
		署員らが駆けつけると、男が腹などから血を流しており、「自分で腹を刺した」と話す男の近くで、血の付いたナイフが見つかり、その後、意識不明の重体となって入院
		午後5時10分頃、愛知県小牧市小木2のアパート2階で、飲食店店員の43歳女性とその長女の19歳女性が刺されているのが見つかり、搬送先の病院で2人の死亡を確認。死因は失血死
		愛知県警は殺人事件とみて小牧署に捜査本部を設置
	08/31	小牧署捜査本部は、殺人容疑などで19歳女性の同僚だった25歳男を逮捕
		25歳容疑者の靴が被害者宅の室内で見つかっていたことが、県警への取材で分かる
	09/21	名古屋地検は、26歳容疑者を殺人などの罪で名古屋地裁に起訴

更新日時：

2012年9月25日

問われている罪

刑法

（殺人）
第百九十九条　人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

（住居侵入等）
第百三十条　正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

罪名	該当法	法定刑	量刑例
殺人罪	刑法第199条	死刑、無期、5年以上の懲役	主たる罪が殺人罪の場合ストーカー殺人の場合
住居侵入罪	刑法第130条	3年以下の懲役、10万円以下の罰金	主たる罪が殺人罪の場合ストーカー殺人の場合

※　死刑がやむを得ない場合｜死刑執行方法｜無期懲役仮釈放者の平均在所年数

更新日時：

2012年9月25日

公判関係

第一審　名古屋地裁（堀内満裁判長）　裁判員裁判

事件番号：　　　　　　｜傍聴券交付情報：名古屋地方裁判所

日付		摘要
2015	3/02	初公判	（冒頭陳述、罪状認否）　被告は「母親への殺意は覚えていない」と述べ、起訴内容を一部否認
	3/10	論告求刑公判	（論告求刑、最終弁論、最終意見陳述）　検察側は「2人の命を奪った結果は重大。残忍で動機は身勝手だ」として無期懲役を求刑
	3/18	判決公判	（判決）　名古屋地裁は28歳被告に対して、「相当な力で胸を刺し、２人の命を奪った結果は重大」と指摘し、求刑通り無期懲役の判決を言い渡し

控訴審　名古屋高裁（石山容示裁判長）

事件番号：　　　　　｜傍聴券交付情報：名古屋高等裁判所

日付		摘要
2015	9/09	初公判	（冒頭陳述、弁論）　弁護側は無期懲役は重すぎて不当だと主張。一方、検察側は控訴には理由がなく、棄却するべきだと主張
	10/28	第2回公判	（判決）　29歳被告について、名古屋高裁（石山容示裁判長）は「被告人の現場における行動に不可解な点は見られない」と指摘したうえで、「被告人の刑事責任は極めて厳しい非難に値するとした原判決に誤りがあるとは言えない」などとして控訴を棄却

2015年11月12日午前0時、被告が上告せず無期懲役とした判決が確定

更新日時：

2015年11月15日

被告の判決状況

氏名	主罪	死者数	第一審			控訴審		上告審
氏名	主罪	死者数	求刑	判決	裁判所・日付	判決	裁判所・日付	判決	裁判所・日付
井馬享平	殺人罪	2	求刑無期懲役	無期懲役	名古屋地裁 2015/3/18	控訴棄却	名古屋高裁 2015/10/28	非上告

更新日時：

2015年11月15日