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事件概要 |
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2014年3月3日午後11時半頃、自転車で通り掛かった男子学生にが、男から「すみません」と声を掛けられ、現金を要求された。男性学生は男ともみ合いになり、ナイフで怪我をした。11時35分頃、柏市あけぼの3丁目の市道で、30代ぐらいの男性がナイフのような刃物で刺された。死亡した男性は、うつぶせに倒れ、首や背中の複数箇所を刺されていた。路上にはカード類が散乱し、財布は見つからなかった。その後男は、停車した男性会社員の車のドアをいきなり開け、「金を出せ」とナイフで脅し、財布を奪い、別の男性の車を強奪し、その場から逃走。翌4日午前0時頃、男が強奪した車でコンビニの駐車場に到着。数分後、車外に出て徒歩で立ち去った。 3月4日、病院で刺された男性の死亡を確認。千葉県警察本部は同一犯による連続通り魔事件とみて柏署に捜査本部を設置。午後、死亡した男性は近くに住む31歳の会社員と判明した。捜査本部は目撃情報などから作成した男の似顔絵を公開して情報の提供を呼び掛けた。捜査本部は、現場周辺の聞き込みや、防犯カメラの映像で容疑者を特定。 |
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3月5日、柏署捜査本部は、朝、容疑者を任意同行し事情聴取。夕、男の自宅を家宅捜索し、供述通りに凶器とみられる刃物を発見。夜、現場近くのマンションに住む自称無職の24歳の竹井聖寿容疑者を強盗殺人容疑で逮捕。翌6日、24歳容疑者を千葉地検に送検した。 3月25日、柏署捜査本部は、強盗致傷や大麻取締法違反(所持)などの容疑で、24歳容疑者を再逮捕した。4月11日、千葉地検は、24歳容疑者の鑑定留置を千葉地裁に請求し、認められたと明らかにした。期間は同日から7月14日までの約3ヶ月間。 7月17日、千葉地検は、24歳容疑者を強盗殺人、大麻取締法違反(所持)などの罪で起訴した。 |
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※ 24歳容疑者のものと推測されるニコニコ生放送のコミュニティプロフィール |
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犯行の計画性など |
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刑事責任能力 |
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通り魔的犯行の場合、精神に異常をきたしていることも考えられるため、弁護側は減刑させる方法として、裁判での争点に刑事責任能力をもってくることが多くありますが・・・ 本件は、犯行がばれないように、顔を隠すためのニット帽やマスク、サングラスを使用、また、指紋が残らないように手袋を着用して犯行しています。顔を隠すということは、見られても分からないためであり、それはなにより捕まらないためです。その行為自体が悪いことと分かっている証拠ですから、善悪の判断はできています。 また、本件は通り魔風に連続的に犯罪行為をしていますが、あくまで自分の金欲を満たすための強盗行為を連続して行い、その中で殺傷行為もしています。 善悪の判断が出来ている上での利欲的な無差別(誰彼構わず)連続(立て続けに)強盗殺傷(強盗致傷、強盗殺人、強盗行為をした)事件ですから、当然のことながら刑事責任能力はあります。(仮に裁判で弁護側が心神耗弱を主張したとしても無駄) |
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参考法規 |
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3月8日時点では、まだ逮捕されたばかりの容疑者で起訴もされていないのですが、本件は、タクシーのドライブレコーダーに犯行時の様子も残っていますし、遺体の傷跡からも殺人は揺るぎないので、主罪が強盗殺人になると考えられます。また、現時点の情報からだけでも量刑判断の要素がほぼ出揃っていますから推測可能なのですが・・・ 減刑要素が被害死者が1人ということ以外見当たりません。 無期懲役以上が不可避ですし、今後の容疑者の態度如何によっては、検察が求刑死刑で臨む可能性すらあります。量刑的には、被害死者が1人の場合であっても、無期と死刑のどちらになっても不思議がない、いわゆるボーダーにあるように感じます。 罪となる行為は犯してしまいましたから変えようがありませんが、裁判が始まるまでに作ることができる減刑要素もあります。量刑が無期か死刑のどちらになるかは、今後の本人次第です。 ただ・・・ 仮に無期になったとしても、刑が確定してから早くても44年は受刑ですから、24(現年齢)+2(裁判に要するだろうおおよその期間)+44(2回目の仮釈放審理(1回目で許可されることは99.9%無いので2回目でも実質1回目)で許可された場合)=70で、早くても70歳前後となりますし、その時点で許可されなければ次は約12年後の82歳になっています。ここまでなると男を平均寿命を超えているので生きているかも分かりません。結果、現在24歳と若い容疑者といっても、獄死コースの無期懲役となってしまいます。 毎日決まった時間に労役を死ぬまで続けていく獄死コースの無期懲役刑と、いつかは刑の執行があるが、それまでは割と自由に生活ができる死刑。どちらになったとしても、この容疑者にとっては、極刑になると思いますね。 ※ 求刑死刑に対する判決例 | 死刑執行方法 ※ 求刑無期懲役刑に対する量刑例 | 無期懲役仮釈放者の平均在所年数 |
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公判関係 |
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第一審 千葉地裁(小森田恵樹裁判長) 裁判員裁判 事件番号: |傍聴券交付情報:千葉地方裁判所 |
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2015年6月12日、25歳被告は東京高裁へ即日控訴 | |||||||||||||||||||||||||||||
控訴審 東京高裁(大島隆明裁判長) |
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上告審 最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長) 2016年10月11日、最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)は26歳被告の上告棄却する決定をした。 |
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氏名 | 罪名 | 第一審 | 控訴審 | 上告審 | ||||
求刑 | 判決 | 裁判所・日付 | 判決 | 裁判所・日付 | 判決 | 裁判所・日付 | ||
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強盗殺人などの罪 | 求刑無期懲役 | 無期懲役 | 千葉地裁 2015/6/12 |
控訴棄却 | 東京高裁 2016/3/30 |
上告棄却 | 最高裁第3小法廷 2016/10/11 |
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