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性犯罪が起訴事実に含まれている殺人事件

殺人事件、裁判員裁判、性犯罪のコンテンツで扱っている事件の一覧

愛知豊川ベトナム女性殺害事件
(愛知・岐阜女性2人死亡事件)


事件概要

 2006年7月29日朝、愛知県豊川市のアパート一階の自室でベトナム国籍の当時24歳女性レ・ティ・リーさんが血を流して死亡しているのを友人が発見し、警察へ110番通報。頭に鈍器で殴られたような痕、腹や胸に刃物による刺し傷があった。司法解剖の結果、死因は窒息死と判明した。

 2011年8月6日、殺人容疑で岐阜県高山市の46歳男を逮捕。容疑者が4月に岐阜県下呂市の山林で44歳女性が遺体で見つかった死体遺棄事件にも関与した疑いがあるとして、愛知、岐阜両県警は、合同捜査本部を設置。

 8月27日、名古屋地検は、2006年7月28日夜から29日朝にかけて、強姦目的でレさん宅に無施錠の玄関から侵入、レさんの頭を鉄パイプで数回殴り、首を両手で絞めて窒息死させたとして、46歳容疑者を殺人、強姦致死、住居侵入罪で名古屋地裁へ起訴した。

 2012年1月13日、岐阜、愛知両県警合同捜査本部は、岐阜県高山市久々野町大西、元コンビニ店員の47歳男を死体遺棄容疑で再逮捕。2月2日、殺人容疑で再逮捕。2月23日、岐阜地検は、47歳男を傷害致死、死体遺棄罪で岐阜地裁へ起訴した。
更新日時:
2012年2月24日




事件経過
日付 摘要
2006 07/29 愛知県豊川市(旧音羽町)のアパート1階の自室でベトナム国籍の当時24歳の女性レ・ティ・リーさんが血を流して死亡しているのを友人が発見。警察へ110番通報
頭に鈍器で殴られたような痕、腹や胸に刃物による刺し傷
愛知県警が殺人事件として捜査
  司法解剖の結果、死因は窒息死と判明
2011 03/08 午後8時半頃、長瀬まゆみさんが自宅で夫と会話(最後の会話)
03/09 午前、長瀬さんの勤務先から「奥さんが出勤していない」と夫に連絡
夫は警察に捜索願を提出
04/09 岐阜県下呂市の山林の県道脇で、白骨化した遺体で見つかる
近くの県道に「白骨死体がこの下にあり。110番願う」と書かれたコーヒーフィルターが貼られた三角表示板があった
04/17 白骨化した遺体で見つかった女性は、岐阜県高山市西之一色町3丁目のアルバイト店員、長瀬まゆみさん(当時44歳)と判明
08/06 ベトナム国籍の女性レ・ティ・リーさんが死亡しているのが見つかった事件で、愛知県警は、殺人容疑で岐阜県高山市の46歳の男を逮捕
愛知、岐阜両県警は、合同捜査本部を設置
08/26 女性を一方的に知っていたとし、容疑者は「わいせつ目的で侵入した」と供述
08/27 ベトナム人のレ・ティ・リーさんが殺害された事件で、名古屋地検は、46歳容疑者を殺人、強姦致死などの罪で名古屋地裁に起訴
2012 01/13 岐阜、愛知両県警合同捜査本部は、岐阜県高山市久々野町大西、コンビニ店員の47歳男を死体遺棄容疑で再逮捕
02/02 岐阜県下呂市の県道脇で、アルバイト店員の44歳女性の白骨化した遺体が見つかった事件で、岐阜、愛知両県警は、元アルバイト店員の47歳男を殺人容疑で再逮捕
02/23 岐阜地検は、元コンビニ店員の47歳容疑者を傷害致死、死体遺棄罪で岐阜地裁に起訴
03/31 岐阜地裁で併合審理
更新日時:
2012年3月31日




起訴状況

刑法

(殺人)
第百九十九条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

(強姦致死傷)
第百八十一条 
2 第百七十七条若しくは第百七十八条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は五年以上の懲役に処する。

(傷害致死)
第二百五条 身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

(死体損壊等)
第百九十条 死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。

(住居侵入等)
第百三十条  正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

該当法 法定刑 量刑例
殺人罪 刑法第199条 死刑、無期、5年以上の懲役 主たる罪が殺人罪の場合

性犯罪と殺人などの罪の場合
強姦致死罪 刑法第181条第2項 無期、5年以上の懲役
傷害致死罪 刑法第205条 3年以上の有期懲役
死体遺棄罪 刑法第190条 3年以下の懲役
住居侵入罪 刑法第130条 3年以下の懲役、10万円以下の罰金

※ 死刑がやむを得ない場合無期懲役仮釈放者の平均在所年数
更新日時:
2012年2月24日




公判関係

第一審 岐阜地裁(山田耕司裁判長) 裁判員裁判


事件番号:平成24年(わ)第54号等|傍聴券交付情報:岐阜地方裁判所
日付 摘要
2013 2/12 初公判 (岐阜事件:冒頭陳述、罪状認否) 被告は「私はやっておりません。無実です」と述べ、無罪を主張
2/13 第2回公判 (岐阜事件:証人尋問、証拠調べ) 現場付近を日常的に通行する証人らは「見通しが悪く、発見は不可能」などと証言
2/14 第3回公判 (岐阜事件:証人尋問、証拠調べ) 検察側は被告の車のトランクから、長瀬さんのDNAが付着したネックストラップが見つかったと指摘。ストラップには結び目があって切断されており、押収した下呂署員は「(ストラップを結んだ)輪の大きさや伸縮性のある材質から、長瀬さんの両手首をしばったと考えられる」と証言
2/15 第4回公判 (岐阜事件:被告人質問) 被告は、11年3月8日夜に長瀬さんと高山市内からドライブし、下呂市内の道の駅で結婚の話をめぐって口論となったため長瀬さんが車を降りて歩いていったと主張
2/19 第5回公判 (岐阜事件:論告、最終弁論) 検察側は、被告が発見の難しい場所に長瀬さんの遺体があると知っていたことや、遺体の発見日時や場所について供述が変遷していることなどから「(被告の主張は)ありえない偶然に満ちていて、話を作りあげているのは明らか。被告が犯人でなければ合理的な説明ができない」と主張
2/26 第6回公判 (愛知事件:冒頭陳述、罪状認否、被告人質問) 被告は「間違いありません」と起訴内容を認める。被告人質問で後藤被告は「騒がれたらまずいと思い、2、3度口をふさぎ首を絞めたら死なせてしまった」と述べる。午後3時40分頃裁判員が倒れ、一旦休廷、その後審理を中止
2/27 第7回公判 (論告求刑、最終弁論) 検察側は愛知事件で無期懲役、岐阜事件には懲役15年を求刑
3/6 第8回公判 (判決) 岐阜地裁は、愛知事件で求刑通り無期懲役、岐阜事件で懲役20年を言い渡し死体遺棄罪は無罪。裁判長は、愛知事件について「頭部を鉄パイプで執拗(しつよう)に殴打し、心音が止まるまで繰り返し首を絞めた」と指摘。岐阜事件は、「遺体の写真を撮影するなどし悪質」などと求刑を上回る量刑の理由を説明
※2013年3月19日、48歳被告は、いずれの判決とも不服として名古屋高裁に控訴

控訴審 名古屋高裁(石山容示裁判長)
日付 摘要
2013 8/07 初公判 (冒頭陳述、最終弁論) 弁護側は刑の減軽と無罪を主張。検察側は控訴棄却を求め即日結審
9/30 第2回公判 (判決) 名古屋高裁(石山容示裁判長)は一審・岐阜地裁の裁判員裁判判決を一部破棄し、下呂市の傷害致死事件について懲役20年から同12年に減軽する判決を言い渡し。豊川市の事件については一審の無期懲役判決を支持し、被告側の控訴を棄却
2013年10月、弁護側は判決を不服として最高裁に上告

上告審 最高裁第2小法廷(山本庸幸裁判長)

 最高裁判所第2小法廷(山本庸幸裁判長)は、2014年3月10日付けで49歳被告の弁護側上告を退ける決定をした。無期懲役と懲役12年とした二審判決が確定する。
更新日時:
2014年3月13日




被告の判決状況

被告 罪名 第一審 控訴審 上告審
求刑 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付
後藤明弘 殺人などの罪 求刑無期懲役 無期懲役 岐阜地裁
2013/3/6
控訴棄却 名古屋高裁
2013/9/30
上告棄却 最高裁第2小法廷
2014/3/10
傷害致死罪 求刑懲役15年 懲役20年 一審破棄 懲役12年
死体遺棄罪 無罪    
更新日時:
2014年3月13日



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