裁判員裁判では、基本的に無期以上の規定がある罪について裁きますので、場合によっては死刑を選択せざるを得ない事件についての審理もします。ただ、罪に死刑の規定があっても、行為が死刑適用基準の要件を満たし、「死刑がやむを得ないと思われる場合」にのみ選択されていますので、実際に死刑が求刑されるとか、死刑判決が下る事件は極僅かです。
裁判員制度が2009年5月21日に施行され、同日から起訴された対象事件が裁判員裁判となるのですが、それらの事件の中には、裁判で「死刑がやむを得ない」と判断されるだろうと感じる事件もありました。
ここには、私が報道等で知り得る範囲内の情報でですが、罪質、結果の重大性、社会的影響、殺人計画性、酌むべき事情などを考慮した場合、「死刑がやむを得ない」と判断されても不思議ではないと思われる事件が挙げてあります。
ちなみに裁判員裁判は、通常、初公判から2週間程度で判決に至ります。判決に死刑が予想される場合、弁護側はその短期間で死刑回避するように弁護しようとしますから、どうしても公判前整理手続きで争点を絞るのに時間がかかります。公判前整理手続きで争点が絞られてからしか日程が決まりませんので、起訴されても公判日程が決まるまでに時間を要します。 |