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性犯罪が起訴事実に含まれている殺人事件

殺人事件、裁判員裁判、性犯罪のコンテンツで扱っている事件の一覧

奈良小1女児誘拐殺人事件


事件概要

 2004年11月17日、帰宅途中の小学校1年生の女子児童が誘拐され不明に。同日午後8時4分頃、女児の携帯から母親の携帯に「娘はもらった」のメールが届く。

 翌18日午前0時頃、通行人が平群町菊美台2丁目の側溝内で女児の遺体を発見し、警察に通報。両親が遺体を女児と確認。奈良県警は、殺人、死体遺棄事件として、奈良西署に捜査本部を設置。司法解剖の結果、女児の死因は水死と判明した。

 同年12月30日午後、奈良西署捜査本部は、わいせつ目的誘拐容疑で、三郷町の新聞配達員の36歳男を逮捕(同罪で起訴)。2005年1月19日、殺人、死体遺棄罪で再逮捕。2月9日、奈良地検は、殺人、強制わいせつ致死、死体損壊、死体遺棄、脅迫罪で追起訴した。


特集: 小1女児誘拐・殺害事件 詳報 - 奈良新聞
更新日時:
2011年12月04日




事件経過
日付 摘要
2004 11/17 午後1時〜1時30分頃、女児が富雄北小学校を出る
午後1時40分頃、母親は女児と携帯電話で会話。その後、電話が通じなくなる
午後2時前、女児が自宅近くで、車の男に連れ去られるのが目撃される
午後2時30分頃、母親が帰宅すると、女児が帰宅した形跡がなかった。母親は女児のGPS機能付き携帯電話が自宅近くの公園にあることを確認
午後5時10分頃、母親は近所の人と通学路を捜索したが見つからず、小学校に連絡
午後6時45分頃、母親が「娘が帰ってこない」と奈良西署に届け出
午後8時4分頃、犯人が女児の携帯から母親の携帯に「娘はもらった」のメールを送りつける
11/18 午前0時6分頃、平群町菊美台2丁目の側溝内で通行人が女児の遺体を発見
3時30分頃、両親が遺体を女児と確認。奈良県警が奈良西署に特別捜査本部を設置
司法解剖の結果、女児の死因は水死と判明
12/06 県警奈良西署捜査本部は、平群町菊美台2丁目の死体遺棄現場近くのため池を捜索
12/14 犯人が今も所持しているとみられる女児の携帯電話から家族の携帯電話に新たな犯行を予告
12/30 午後、奈良西署捜査本部は、わいせつ誘拐容疑で、三郷町の毎日新聞配達員の36歳男を逮捕
2005 01/19 奈良地検は、わいせつ誘拐罪で36歳容疑者を起訴
奈良西署捜査本部は、36歳男を殺人、死体遺棄容疑で再逮捕
02/09 奈良地検は、殺人、強制わいせつ致死、死体損壊、死体遺棄、脅迫罪で元新聞配達員の36歳容疑者を追起訴
  奈良地検は、窃盗、強制わいせつ罪で元新聞配達員の容疑者を追起訴
04/18 第一審 奈良地裁 初公判
2006 09/26 第一審 奈良地裁 判決公判 奈良地裁(奥田哲也裁判長)は被告に対して求刑通り死刑を言い渡し
弁護側が判決を不服として大阪高裁に控訴
10/10 被告が控訴取下げの文書を提出。奈良少年刑務所長が受理
10/11 午前0時、判決確定
2013 02/21 大阪拘置所に於いて、44歳死刑囚の刑を執行
更新日時:
2013年2月21日




起訴状況

 本件は、2004年の事件になりますので、改正前の規定が適用されます。法令データ提供システムの刑法へのリンクは現行法ですが、条文は改正前の事件当時の条文にしてあります。(法定刑が白字になっている条文が、改正され、現行法と違っている条文になります)。

刑法(現行法)

(殺人)
第百九十九条  人を殺した者は、死刑又は無期若しくは三年以上の懲役に処する。

(強制わいせつ等致死傷)
第百八十一条  第百七十六条から第百七十九条までの罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は三年以上の懲役に処する。

(営利目的等略取及び誘拐)
第二百二十五条  営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

(窃盗)
第二百三十五条  他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役に処する。

(強制わいせつ)
第百七十六条  十三歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上七年以下の懲役に処する。十三歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

(死体損壊等)
第百九十条  死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。

(脅迫)
第二百二十二条  生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

該当法 法定刑 量刑例
殺人罪 刑法第240条 死刑、無期、3年以上の懲役 殺人罪の場合

性犯罪と殺人などの罪の場合
強制わいせつ致死罪 刑法第181条 無期、3年以上の懲役
わいせつ目的誘拐罪 刑法第225条 1年以上10年以下の懲役
窃盗罪 刑法第235条 10年以下の懲役
強制わいせつ罪 刑法第176条 6月以上7年以下の懲役
死体損壊罪 刑法第190条 3年以下の懲役
死体遺棄罪 刑法第190条
脅迫罪 刑法第222条 2年以下の懲役、30万円以下の罰金

※ 死刑がやむを得ない場合死刑執行方法
更新日時:
2011年12月04日




公判関係

第一審 奈良地裁(奥田哲也裁判長)

日付 摘要
2005 04/18 初公判 (罪状認否、冒頭陳述、証拠調べ) 裁判長が「すべての罪状に間違いはありませんか」と問うと、「間違いありません」と答えた。
05/09 第2回公判 (被告人質問) 被告は、幼女へのいたずらなど犯罪へ走っていった少年期について自身の口で語る。被告の性犯罪歴
05/23 第3回公判 (被告人質問) 弁護側は女児誘拐殺人事件の経緯などについて質問。
06/13 第4回公判 (弁護側、検察側双方の被告人質問) 被告は、これまでに明らかになっている女児8人へのわいせつ行為のほかにも、新たに2人の女児に対してわいせつ行為をしていたことを認める供述
07/04 第5回公判 (検察側の被告人質問) 殺意の形成時期について被告は、女児を自宅に誘い入れた後に殺害を決意したとする検察側の主張をあらためて否定。
2006 03/27 第6回公判 (被告人質問) 鑑定人医師の検査に被告は「悪印象を与えるように答えた」と供述。「悪印象の鑑定結果が採用されれば、すぐに死刑判決が出ると思った。今は死ぬことしか考えていない」と述べる。
04/24 第7回公判 (被告の情状鑑定を行った教授の証人尋問) 教授は「本当に深い謝罪の気持ちは持っていないし、被害者や遺族の痛みは恐らく感じ取っていない。更生は全く不可能ではないが、難しいケース」と証言。
05/25 第8回公判 (被告人質問、女児の両親の意見陳述) 父親は「極刑以上の極刑」を要求。母親は「被告を絶対に許すことはできない」と述べる。
06/05 第9回公判 (論告求刑) 検察側は「自己の性欲、支配欲、自己顕示欲を満たすための計画的な犯行で卑劣かつ極悪、残虐極まりない。被害児童の両親の処罰感情も峻烈。被告人は真しな反省や謝罪の態度を示していない上、更生意欲が欠如しており、矯正はもはや不可能」と指摘し、被告に死刑を求刑。論告要旨
06/26 第10回公判 (最終弁論、被告の最終意見陳述) 弁護側は「無計画で場当たり的な犯行というべきで、計画的な殺意はなかった」などとし、刑の減軽を求める。最終弁論要旨
 被告は「(言っておきたいことは)なにもありません」と述べる。
09/26 第11回公判 (判決) 奈良地裁は被告に対して求刑通り死刑を言い渡し
リンク:奈良新聞
2006年9月26日、弁護側は判決を不服として大阪高裁へ控訴

同年10月10日午後、被告が控訴取下げの文書を提出。奈良少年刑務所長が受理。翌11日、午前0時、死刑判決確定 (刑事訴訟法の規定により)
更新日時:
2011年12月04日




被告の判決状況

氏名 罪名 第一審 控訴審 上告審
求刑 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付
小林薫 殺人などの罪 求刑死刑 死刑 奈良地裁
2006/09/26
控訴取下 大阪高裁
2006/10/11
-
更新日時:
2011年12月04日




死刑執行

 死刑囚3人に対し2013年2月21日にそれぞれ死刑を執行したと、法務省がこの日明らかにした。 茨城県土浦市の9人殺傷事件の金川真大(29)、奈良市の女児誘拐殺害事件の小林薫(44)、名古屋市のスナック経営者殺害事件の加納(旧姓・武藤)恵喜(62)の3死刑囚。執行は12年9月以来で、現在の安倍政権での執行は初めて。谷垣禎一法相は会見で、「いずれも誠に身勝手な理由からの犯行で、きわめて残忍」などと執行理由を説明した。
更新日時:
2013年2月21日




刑執行を受け、遺族が発表したコメント

 小林死刑囚に殺害された奈良市立富雄北小1年有山楓(かえで)ちゃん(当時7歳)の父茂樹さんはコメントを発表した。全文は以下の通り。

 小林死刑囚の死刑が執行されました。これで楓が戻ってくるわけではありませんが、少しは無念を晴らしてあげられたかもしれません。

 小林死刑囚が自ら犯した罪を真摯(しんし)に受け止め、刑に向き合ってくれたと信じたいです。

 小林死刑囚の命も一つの命であり、今後私達は楓の命、加害者の命の重さを背負っていかなければなりません。

 二度と尊い命が失われることがない社会になることを心から願います。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130221-OYT1T01163.htm

更新日時:
2013年2月21日



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