性犯罪 まさかりの部屋
性教育のすすめ 殺人事件 性犯罪 裁判員裁判
性犯罪について 性犯罪行為での罪と罰 性犯罪での事件裁判について 性犯罪が起訴事実に含まれている殺人事件 性犯罪 量刑の傾向
性犯罪抑止に向けての いろいろな対策・施策 もし、性犯罪被害に遭われたら・・・ 性犯罪容疑での逮捕、送検事例 性犯罪 判決例 性犯罪による懲戒処分例

性犯罪が起訴事実に含まれている殺人事件

殺人事件、裁判員裁判、性犯罪のコンテンツで扱っている事件の一覧

新潟・新発田連続女性変死事件


事件概要

 2013年9月、新潟県新発田市の住宅街のアパートの駐車場で乗用車4台が燃える火事があり、車内から24歳の女性の遺体を発見した。同年11月22日午後9時半頃、新発田市緑町の22歳女性が友人の家に行くと家族に言い残し、自宅を出たが、その後行方不明になった。自宅を出た直後の時間帯に女性の悲鳴を聞いた人がいた。

 2014年4月3日、新発田市本間新田の川の中で、一部が白骨化した女性の遺体が発見される。捜査の結果、川で発見された遺体は新発田市内に住む20歳代の女性と判明した。

 4月7日午後4時50分頃、山菜採りをしていた70歳代の男性が、新発田市真野原のやぶの中で白骨化した遺体を発見し、110番通報。捜査の結果、白骨化遺体は2013年11月から行方不明になっていた新発田市緑町の22歳女性と判明した。新潟県警は、死体遺棄事件として新発田署に捜査本部を設置した。

 7月31日、22歳女性の遺体が見つかった事件で、新発田署捜査本部は、殺人などの容疑で31歳男を逮捕。8月1日午前、31歳容疑者を殺人などの容疑で新潟地検に送検した。

新発田市真野原周辺の地図 - Yahoo!地図

 8月6日、勾留質問中に新潟地裁から逃走を図ったとして、新発田署捜査本部は、31歳容疑者を逃走未遂容疑で新潟地検に追送検。20日、新潟地検は、「確実に殺人罪で有罪が認められるのは現段階では困難と判断」して殺人罪の適用を見送り、強姦致死とわいせつ目的略取罪で31歳容疑者を追起訴。9月10日、新潟地検は、新潟地裁から逃走を図ったとして、逃走未遂罪で追起訴した。
更新日時:
2014年9月11日




事件経過
日付 摘要
2013 05/ 男が新潟県新発田市に引っ越す
06/ 女性が連れ去られ乱暴される
09/ 住宅街のアパートの駐車場で乗用車4台が燃える火事。車内から24歳の女性の遺体を発見
(遺体発見現場周辺から検出されたDNA型が男と一致)
11/22 午後9時半頃、22歳の徳永希さんが高校時代に同級生だった友人の家(自宅から北東に約1km)に(自宅から300mほど離れたスーパー・ウオロク緑店に立ち寄ってから)行くと家族に言い残し、新発田市緑町3の自宅を出る
22歳女性が自宅を出た直後の時間帯に、スーパー近くに住む主婦が「車のドアを閉める音が1回した後、『ひゃあー』という女性の叫び声を聞いた」。別の男性は「かん高い悲鳴が2回ほど聞こえた」
22歳女性が行方不明に
12/ 女性が連れ去られ乱暴される
2014 01/15 午前9時頃、新発田市本間新田地区で、木に衝突した状態で放置された軽乗用車を発見
午前10時15分頃、現場から北西に約1km離れた民家を若い男が訪ね、「タクシーを呼びたいので、電話を貸して」と依頼。家人がタクシー会社に電話して近くの公民館への配車を頼む
午前10時30分頃、タクシーが公民館に到着
午前10時45分頃、新発田市中心部のコンビニに到着。男がコンビニに入る
01/ 県警は新発田市本間新田地区で見つかった軽自動車を20歳会社員の車と確認
(車内から検出されたDNA型が男と一致)
新発田市内に住む20歳の女性が行方不明に
04/03 新発田市本間新田の川の中で、一部が白骨化した女性の遺体を住民が発見
04/ 川で発見された遺体は1月中旬から行方不明になっていた新発田市内に住む20歳の女性と判明。車から300mの位置
04/07 午後4時50分頃、山菜採りをしていた70歳代の男性が、(女性の自宅から北西に約5kmの)新発田市真野原のやぶの中で白骨化した遺体を発見。110番通報
(女性が身に着けていた衣服に男のDNAが付着)
遺体のそばには、財布(現金やキャッシュカードなど)が入ったショルダーバッグや携帯電話
04/08 捜査の結果、白骨化遺体は2013年11月から行方不明になっていた新発田市緑町の22歳女性と判明
新潟県警は、死体遺棄事件として新発田署に捜査本部を設置
06/27 午後3時15分頃、わいせつ目的略取未遂容疑で逮捕され、新潟市中央区の新潟地裁で勾留質問を受けていた31歳無職の喜納尚吾容疑者が逃走
約5分後、約350メートル離れた新聞販売店に逃げ込んだところを駆け付けた警察官が取り押さえ、31歳容疑者を単純逃走容疑で現行犯逮捕
  新潟地検は、2013年8月〜12月の3事件について、強姦、わいせつ目的略取、監禁罪で31歳男を新潟地裁に起訴
07/31 22歳女性の遺体が見つかった事件で、新発田署捜査本部は、殺人などの容疑で31歳男を逮捕
08/01 31歳容疑者を新潟地検に送検
08/06 新発田署などは、勾留質問中に新潟地裁から逃走を図ったとして、31歳容疑者を逃走未遂容疑で追送検
08/20 新潟地検は、殺人罪の適用を見送り、強姦致死とわいせつ目的略取罪で31歳容疑者を追起訴
09/10 新潟地検は、31歳被告を、新潟地裁から逃走を図ったとして、逃走未遂罪で追起訴
更新日時:
2014年9月11日




参考法規

刑法

(殺人)
第百九十九条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

(強姦)
第百七十七条  暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。

(親告罪)
第百八十条  第百七十六条から第百七十八条までの罪及びこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

(強制わいせつ等致死傷)
第百八十一条
2  第百七十七条若しくは第百七十八条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は五年以上の懲役に処する。

(営利目的等略取及び誘拐)
第二百二十五条  営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

(未遂罪)
第二百二十八条  第二百二十四条、第二百二十五条、第二百二十五条の二第一項、第二百二十六条から第二百二十六条の三まで並びに前条第一項から第三項まで及び第四項前段の罪の未遂は、罰する。

(親告罪)
第二百二十九条  第二百二十四条の罪、第二百二十五条の罪及びこれらの罪を幇助する目的で犯した第二百二十七条第一項の罪並びに同条第三項の罪並びにこれらの罪の未遂罪は、営利又は生命若しくは身体に対する加害の目的による場合を除き、告訴がなければ公訴を提起することができない。ただし、略取され、誘拐され、又は売買された者が犯人と婚姻をしたときは、婚姻の無効又は取消しの裁判が確定した後でなければ、告訴の効力がない。

(逮捕及び監禁)
第二百二十条  不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。

(死体損壊等)
第百九十条  死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。

(逃走)
第九十七条  裁判の執行により拘禁された既決又は未決の者が逃走したときは、一年以下の懲役に処する。

(未遂罪)
第百二条  この章の罪の未遂は、罰する。

該当法 法定刑 量刑例
殺人罪 刑法第240条 死刑、無期、5年以上の懲役 主たる罪が殺人罪の場合

性犯罪と殺人などの罪の場合
強姦致死罪 刑法第181条第2項 無期、5年以上の懲役
強姦罪 刑法第177条 3年以上の有期懲役
わいせつ目的略取罪 刑法第225条 1年以上10年以下の懲役
わいせつ目的略取未遂罪 刑法第228条
監禁罪 刑法第220条 3月以上7年以下の懲役
死体遺棄罪 刑法第190条 3年以下の懲役
逃走未遂罪 刑法第102条 1年以下の懲役

※ 無期懲役仮釈放者の平均在所年数
※ 求刑死刑に対しての判決例死刑がやむを得ない場合死刑執行方法
更新日時:
2014年8月21日




起訴状況
該当法 法定刑 量刑例
強姦致死罪 刑法第181条第2項 無期、5年以上の懲役 強姦致死傷罪の場合
強姦罪 刑法第177条 3年以上の有期懲役
わいせつ目的略取罪 刑法第225条 1年以上10年以下の懲役
監禁罪 刑法第220条 3月以上7年以下の懲役
逃走未遂罪 刑法第102条 1年以下の懲役
更新日時:
2014年9月11日




公判関係

第一審 新潟地裁(竹下雄裁判長) 裁判員裁判


事件番号:平成26年(わ)第276号等|傍聴券交付情報:新潟地方裁判所
日付 摘要
2015 10/20 初公判 (冒頭陳述、罪状認否) 被告は頭を丸刈りにして、上下ともオレンジ色の2本線が入った黒のジャージー姿で出廷し、強姦致死事件の認否を問われると「知っていることは何もない」と早口ではっきりと否認
10/21 第2回公判 (冒頭陳述) 強姦致死事件について弁護側が初公判で「犯人は4人組の男の可能性がある」としたことに検察側が反論し、その可能性はないと主張
10/22 第3回公判 (証人尋問) 県警科学捜査研究所の担当者が証人出廷
10/23 第4回公判 (証人尋問) 被害者の遺体発見から霊安室での遺体見分までかかわった警官などへの証人尋問
10/27 第5回公判 (証人尋問) 事件の捜査に当たった4人の警察官が証人出廷
10/28 第6回公判 (証人尋問) 当時の新発田署員が証人出廷
10/29 第7回公判 (証人尋問) DNAの型が検出された3人の警察官が証人出廷
10/30 第8回公判 (中間意見陳述) 検察側は鑑定結果は信頼できるとした上で、下着についたDNA型と被告のDNA型は16か所中14か所で一致し、一致する確率は「8716億人に1人」だと述べた。また、捜査段階で被告のDNAが混入した可能性を否定し、喜納被告が犯人だと主張した。
 弁護側は、DNA型が2か所で不明となっていることや、下着に付着していたDNAが劣化していた可能性を指摘し、「検出されたDNAは被告のものとは断定できない」反論した。また、警察署での証拠の管理がずさんで、他の証拠品についていた喜納被告のDNAが下着に混入した可能性があると主張
11/4 第9回公判 (追加冒頭陳述) 検察側は、被告の車と同じ車種のシートの繊維が女性のタイツに付着していたことや、事件の前後に特徴がよく似た車が防犯カメラに映っていたとして、「DNA型鑑定と合わせ、被告が犯人であることを示す事実だ」と主張
11/5 第10回公判 (証人尋問) 被告の元妻が、強姦致死事件の被害者が連れ去られた夜に被告と一緒に外出したかもしれないとする一方で、当夜の被告の行動は「よく覚えていない」とも証言
11/6 第11回公判 (被告人質問、証人尋問) 被告は検察側の被告人質問で、16年5月に沖縄県で発生した当時16歳の少女に対する強姦致傷事件への関与を認めた
11/9 第12回公判 (追加冒頭陳述) 検察側は、被告は被害者の死亡後に胸を刃物で刺したと新たに主張。弁護側は、被害者が亡くなった状況は「証拠から明らかにすることはできない」と反論
11/11 第13回公判 (証人尋問) 検察側は、遺体発見現場などでの被害者の着衣について詳しく説明
11/17 第14回公判 (被告人質問、意見陳述) 母親の供述調書を裁判で証拠請求した弁護側が内容を読み上げ
11/20 第15回公判 (論告求刑、最終弁論) 検察側は「性欲の赴くまま何の落ち度もない女性を無差別に狙った通り魔的な犯行」として無期懲役を求刑
12/10 第16回公判 (判決) 新潟地裁(竹下雄裁判長)は求刑通り無期懲役を言い渡し
2015年12月10日、弁護側は判決を不服として即日控訴

控訴審 東京高裁(秋葉康弘裁判長)
日付 摘要
2016 8/10 期日変更
9/12 初公判 (冒頭陳述、弁論) 弁護側は改めて無罪を訴え、即日結審
11/11 第2回公判 (判決) 東京高裁(秋葉康弘裁判長)は、無期懲役とした1審判決を支持、強姦致死の無罪を主張していた被告側の控訴を棄却

上告審 最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)
 2018年3月8日付けで、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は、34歳被告の上告を棄却する決定をした。
更新日時:
2019年3月8日




被告の判決状況

氏名 罪名 第一審 控訴審 上告審
求刑 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付 判決 裁判所・日付
喜納尚吾 強姦致死罪 求刑無期懲役 無期懲役 新潟地裁
2015/12/10
控訴棄却 東京高裁
2016/11/11
上告棄却 最高裁第2小法廷
2018/3/8
更新日時:
2019年3月8日



殺人事件、裁判員裁判、性犯罪のコンテンツで扱っている事件の一覧


性犯罪について 性犯罪行為での罪と罰 性犯罪での事件裁判について 性犯罪が起訴事実に含まれている殺人事件 性犯罪 量刑の傾向
性犯罪抑止に向けての いろいろな対策・施策 もし、性犯罪被害に遭われたら・・・ 性犯罪容疑での逮捕、送検事例 性犯罪 判決例 性犯罪による懲戒処分例
まさかりの部屋
性教育のすすめ 殺人事件 性犯罪 裁判員裁判
Copyright(C) 2014-2019 masaki All Rights Reserved.