性犯罪殺人事件　神戸小1女児殺害事件

事件概要

　2014年9月11日、神戸市長田区の小1女児が下校後に行方不明になる。同12日、兵庫県警は公開捜査に踏み切る。

　9月23日、神戸市長田区長田天神町の雑木林で、袋に入った子供とみられる遺体が見つかる。遺体は傷みが激しく、性別は判別できない状態だったが、美玲さんの家族と遺体の組織片を鑑定したところ、ＤＮＡ型が一致し、兵庫県警長田署捜査本部は、遺体は行方不明だった小１年、生田美玲さんと確認した。

　翌24日、兵庫県警長田署捜査本部は、死体遺棄容疑で、発見現場近くに住む47歳無職の君野康弘容疑者を逮捕。神戸地検へ送検した。

　10月14日、兵庫県警長田署捜査本部は、死体遺棄容疑で逮捕した47歳容疑者を処分保留で釈放。殺人容疑で再逮捕。同16日、同容疑で神戸地検へ送検した。

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　10月31日、神戸地検は、殺人容疑などで逮捕された47歳容疑者の事件当時の刑事責任能力を調べるため、神戸地裁に鑑定留置を請求し、認められた。

　2015年1月27日、48歳容疑者の鑑定留置が終了。同30日、神戸地検は、殺人、死体遺棄・損壊、わいせつ目的誘拐罪で48歳無職の君野康弘容疑者を起訴した。

更新日時：

2016年6月13日

事件経過

日付		摘要
2014	09/11	小1女児が下校後に行方不明になる
	09/12	兵庫県警は公開捜査に踏み切る
	09/23	神戸市長田区長田天神町の雑木林で、袋に入った子供とみられる遺体が見つかる（遺体は頭部や両手がついた胴、両足部分など５つ前後のポリ袋に小分けされた状態で見つかったが、腰の部分だけが見つからなかった）
	09/24	兵庫県警長田署捜査本部は、遺体は行方不明だった市立名倉小1年（6歳）、生田美玲さんと確認
	09/24	兵庫県警長田署捜査本部は、死体遺棄容疑で、発見現場近くに住む47歳無職の君野康弘容疑者を逮捕
	10/14	死体遺棄容疑で逮捕した47歳容疑者を処分保留で釈放
	10/14	兵庫県警長田署捜査本部は、殺人容疑で47歳無職、君野康弘容疑者を再逮捕
	10/16	兵庫県警長田署捜査本部は、殺人容疑で47歳男を神戸地検へ送検
	10/31	神戸地検は、殺人容疑などで逮捕された47歳無職、君野康弘容疑者の事件当時の刑事責任能力を調べるため、神戸地裁に鑑定留置を請求し、認められた。（期間：10/31～1/27の約3ヶ月間）
2015	01/27	48歳容疑者の鑑定留置が終了
2015	01/30	神戸地検は、殺人と死体遺棄・損壊、わいせつ目的誘拐の罪で48歳無職の君野康弘容疑者を起訴

更新日時：

2016年6月13日

起訴状況

刑法

（殺人）
第百九十九条　人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

（営利目的等略取及び誘拐）
第二百二十五条　営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

（死体損壊等）
第百九十条　死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。

罪	該当法	法定刑	量刑例
殺人罪	刑法第240条	死刑、無期、5年以上の懲役	主たる罪が殺人罪の場合性犯罪と殺人などの罪の場合
わいせつ目的略取罪	刑法第225条	1年以上10年以下の懲役
死体遺棄・損壊罪	刑法第190条	3年以下の懲役

※　無期懲役仮釈放者の平均在所年数
※　求刑死刑に対しての判決例｜死刑がやむを得ない場合｜死刑執行方法

更新日時：

2016年6月13日

公判関係

第一審　神戸地裁（佐茂剛裁判長）　裁判員裁判

日付		摘要
2016	3/07	初公判	（冒頭陳述、罪状認否）　49歳被告は「わいせつ目的で誘拐した記憶はありませんが、その他の事実は間違いありません」と述べ、起訴事実の一部を否認
	3/08	第2回公判	（被告人質問）　検察側は殺害方法などを質問。女児の首を絞めるため別の部屋にロープを取りに行ったが、この際に「（殺害を）ためらう気持ちは起こらなかったか」と問われ、「起こらなかった」と明言。「人命より性欲を優先させたのか」と聞かれると「そうだと思う」と答えた
	3/09	第3回公判	（被告人質問）　女児の母親が被害者参加制度を利用して被告人質問
	3/10	第4回公判	（証人尋問）　女児の母親が証人出廷。女児の祖母が意見陳述
	3/11	第5回公判	（論告求刑、最終弁論、遺族の意見陳述）　検察側は「類を見ない凄惨な犯行で、異常性の極み。更生も困難」として死刑を求刑
	3/18	第6回公判	（判決）　神戸地裁（佐茂剛裁判長）は、求刑通り死刑を言い渡し

2016年3月18日、弁護側は判決を不服として即日控訴

控訴審　大阪高裁（樋口裕晃裁判長）

日付		摘要
2016	12/16	初公判	（冒頭陳述、被告人質問）　弁護側は「過去の判例に比べて死刑は重すぎる」と主張。検察側は控訴棄却を求める
2017	1/20	第2回公判	（遺族の意見陳述、弁論）　　母親は事件から２年以上が経過しても娘を思い出さない日はないといい、「娘の将来、家族のささやかな幸せを奪った」と述べた。その上で君野被告に対し、「死刑から逃れるために控訴しており、反省や謝罪の気持ちも感じられない。死をもって償うしかない」と極刑を求めた。　弁護側はあらためて量刑不当を主張し、検察側は控訴棄却を求めて結審
2017	3/10	第3回公判	（判決）　大阪高裁（樋口裕晃裁判長）は１審の死刑判決を破棄し、無期懲役を言い渡し

2017年3月23日、大阪高検は、裁判員裁判による１審の死刑判決を破棄し、無期懲役に減刑した50歳被告に対する大阪高裁判決を不服として最高裁に上告

上告審　最高裁

更新日時：

2017年4月6日

被告の判決状況

氏名	罪名	第一審			控訴審			上告審
氏名	罪名	求刑	判決	裁判所・日付	判決		裁判所・日付	判決	裁判所・日付
君野康弘	殺人罪	求刑死刑	死刑	神戸地裁 2016/3/18	一審破棄	無期懲役	大阪高裁 2017/3/10		最高裁

更新日時：

2017年4月6日